ピレリ
ピレリが、F1ベルギーGPが開催されるスパ・フランコルシャンでのタイヤについて語った。

F1の2015年シーズン後半戦は、カレンダー中で最も雄大なスパ・フランコルシャンで幕を開ける。スパの特徴は、7kmに及ぶラップ、高速コーナー、急激な高低差、変わりやすい天候など。広範囲に渡る厳しさに対応するために、タイヤレンジ中で最も汎用的な組み合わせであるPZeroホワイト・ミディアムとP Zeroイエロー・ソフトタイヤが選択された。

この組み合わせは、今シーズンこれまでのレースで最も多く使用されている。局所的に変わりやすい天候により、スパのレース週末中には、Cinturatoグリーン・インターミディエイトとCinturatoブルー・フルウェットタイヤが登場する可能性もある。

タイヤへの負荷をマネージすることが、スパで成功する鍵のひとつ。スパでのタイヤへの負荷は、コーナリング、加速、減速によるものだけではなく、有名なオー・ルージュからラディオンへと続くラインに代表される大きな高低差によって生じる負荷(タイヤ構造およびショルダーにかかる、他に類を見ない1Gの圧力)も存在する。

スパの変わりやすい天候に関する最も大きな課題は、ラップ中にさまざまな天候状態が混在することであり、雨天の場合の適正なタイヤ選択を困難にしている。サーキットのある部分が完全にウェットであっても、他の部分が100%ドライということがあり得る。排水も課題で、ウェット時に発生するトラックを横切る川状の水の流れによってミスを誘発されやすくなる。

ミディアムタイヤは、作動温度領域が低く、スパではよくある低い気温下でも最適な性能を発揮する。対照的に、作動温度領域が高いソフトタイヤは、高温のコンディションに適している。

昨年は、5番グリッドからスタートしたレッドブルのダニエル・リカルドが、2ストップ戦略で44周のレースを制し、キャリア通算3勝目となる2連勝を達成した。リカルドは、最初の2スティントをソフトタイヤで、最終スティントをミディアムタイヤで走行。ピットストップのタイミングは、11周目と26周目だった。また、リカルドは、ミディアムタイヤによる最終スティント中にファステストラップを記録し、長いスティントにおけるミディアムタイヤの一貫した性能が示された。

ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「スパ用のタイヤ選択は、最もスリリングなレースが展開されたハンガロリンク用と同じですが、この2つのサーキットは非常に対照的です。タイトでツイスティなハンガロリンクに対して、アクセル全開で走行するスパは、ドライバーたちにも人気が高いサーキットです。複数の異なる方向からの力が同時にタイヤに加えられることで、タイヤには非常に大きな負荷がかかります。しかし、気温が低くなりそうなので、ソフトとミディアムの組み合わせは、性能と耐久性間の最適な妥協点を提供してくれると思いますセーフティーカー導入率が高く、天候が変わりやすいスパでは、あらゆることが起こり得ます。したがって、タイヤ戦略はもとより、レース状況を常に読み、直面する事態に迅速に反応する各チームの対応力が重要になります。先頃行われた、我々にとってシーズン中で最も大きなイベントであるスパ24時間レースでは、レース前半に事故やセーフティーカー導入が発生したこともあり、数えきれないくらいトップが入れ替わりました。このように、この素晴らしいサーキットでは、常に見応えのある予測不可能なレースが展開されます」

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カテゴリー: F1 / ピレリ / F1ベルギーGP