ピレリ
ピレリが、2014年 第4戦 F1中国GPが開催される上海ンターナショナルサーキットをタイヤメーカーの観点から解説した。

P Zero ホワイト・ミディアムとP Zero イエロー・ソフトタイヤが使用される上海での中国GPは、伝統的に戦略が重視され、多彩な戦略が展開される中においても、しばしばスリリングなフィニッシュを迎える接戦のレースとなっている。

スムーズな路面と複数の流れるようなコーナー(バンクのついたターン13など)のため、今回の汎用的なタイヤの組み合わせは、多面性のある上海サーキットに非常に適している。

上海には、ドライバーが加速して通過する高速コーナーが多く存在する。したがって、今年は、ドライバーたちが増大したトルクを最大限に活用できる。特にターン3〜4、ターン7〜8、ターン12〜13では、徐々に加速を強めていくことが求められる。また、ホイールスピンを抑制し、タイヤにダメージを与えないように、適正なエンジンマップを用意することも重要になる。

中国では、ハイレベルのダウンフォースが用いられ、高速でコーナーを通過する。この時の荷重は、3.8G以上となる。軟らかいタイヤはより大きなグリップを供給するため、コーナリング時により大きな負荷を課す。ラップ中の80%がコーナリングに費やされる。

上海サーキットは、複数の長いストレートを特徴としており、この点がタイヤへ影響を及ぼす。ストレートではタイヤがクールダウンされるため、続くコーナーへ向けて迅速にタイヤをウォームアップする必要がある。

P Zero ホワイト・ミディアムは作動温度領域が低く、P Zero イエロー・ソフトタイヤは作動温度領域が高いコンパウンド。この組み合わせは、広範囲のコンディションの下で効果的に動作する性能を保証する。これは、今シーズン、この組み合わせが効果的である理由のひとつ。

中国は、シーズン中で最もブレーキに厳しいサーキット。新しいブr−エキ・バイ・ワイヤシステムもタイヤに影響を及ぼす。上海では、タイヤに4.3Gに達する減速Gが課される。

昨年はフェラーリのフェルナンド・アロンソが3ストップ戦略で優勝。3番グリッドからソフトタイヤでスタートしたアロンソは、続く3スティントをミディアムタイヤで走行した。マクラーレンのジェンソン・バトンは、2ストップ戦略で5位を獲得した。

ポール・ヘンベリー (ピレリ モータースポーツ・ダイレクター)
「今シーズン3回目のミディアムとソフトの組み合わせのレースで、バーレーンテストから間もない開催なので、各チームは、我々のタイヤが複雑な2014年仕様のマシンでどのように動作するのかということに関して知識を蓄積し始めています。その結果、レースでタイヤ戦略という要素が、より大きくなりつつあります。中国は、過去のレースにおいて、優れたタイヤ戦略の効果を示してきたサーキットです。したがって、各チームは、シーズン序盤戦で得たデータを効果的なタイヤ使用に反映させ、再審世代のP Zeroタイヤから得られる戦略の選択肢をいくつか試したいところでしょう。上海では過去に変わりやすい天候を経験していますので、変化する状況に応じて迅速に情報を理解する能力が、常にタイヤを最大限に活用する鍵になります」

ジャン・アレジ (ピレリ・コンサルタント)
「私自身、中国は馴染みのあるサーキットではありませんが、常に面白いレースが展開されています。そして、各チームが序盤戦を経て、マシンの能力とポテンシャルを実証し始めているため、今シーズン、戦略が重要になり始めるポイントになると思います。マシン開発が加速するにつれて、各チームがタイヤの活動度を深めていますので、タイヤ戦略は非常に重要になります。バーレーンはファンタスティックなレースでした。同様のバトルが続けば、素晴らしいシーズンが期待できます」



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カテゴリー: F1 / ピレリ / F1中国GP