ピエール・ガスリー「アルピーヌF1に混乱なし」 ドゥーハン交代にも理解

マイアミGP直後、アルピーヌはフランコ・コラピントが今後ガスリーとともにレースを戦うことを発表し、注目を集めた。
コラピントはジャック・ドゥーハンの後任となる。アルゼンチン出身の元ウィリアムズ育成ドライバーであるコラピントは、シーズン開幕前からドゥーハンに代わって起用されるとの噂があった。オーストラリア人のドゥーハンは今後、シミュレータードライバーとしての役割に戻ることになる。
さらなる激震は、チーム代表オリバー・オークスがマイアミGP直後に突然辞任したことで巻き起こった。一部では、エグゼクティブアドバイザーであり暫定代表を務めるフラビオ・ブリアトーレとの衝突が原因ではないかと噂された。
しかし実際には、オークスの辞任は彼が代表を務めるハイテックGPの役員でもある弟ウィリアムの逮捕に起因するとされている。
今週末のF1エミリア・ロマーニャGPを前に、ガスリーはモータースポーツ・ウィークなどのメディアに対し、こうした混乱にもかかわらずアルピーヌ内部に問題はないと語った。
「火曜日はファクトリーにいて、水曜日はシミュレーターで仕事をしていた。そしてちょうどすべての発表があったとき、僕はフラビオと一緒にいた」
「確かに大きなニュースではあるが、僕たちが個々人としてやるべきことは何も変わっていない。オリ(オークス)の辞任は、あくまで彼個人の決断だったと思っている」
「チーム内に問題はないし、誰かと誰かの間で意見の相違があったということもない。チームのビジョンと方向性はマイアミの前も後も一貫している」
「確かにオリはもういないし、ドライバーの変更もあった。それについては色々と話題になっているが、作業や方向性の面では何も変わっていない」

ブリアトーレが再び指揮へ アルピーヌの未来に期待
オークスの辞任により、ブリアトーレが再びピットウォールに立つことになったが、ガスリーは「最近の騒動は、アルピーヌが実際には良い状態にあることを覆い隠している」とも指摘した。
またオークスに対しては、「チームのために尽力してくれたことに感謝しているし、彼が離れるのは残念だ」と述べつつも、その決断を「受け入れ、尊重する」と語った。
一方で、昨年6月からエグゼクティブディレクターとして就任していたブリアトーレについては、その短期間での貢献を高く評価した。
「見出しでは、僕がファクトリーやレースチームで見ているような良い仕事がまったく伝わっていないと思う」
「僕にとって大事なのは、表には出ないが、僕たちが裏で進めている実務に集中することだ。そこは本当に良い流れになっている」
「もちろん、外野の騒音は常にある。こういった変化が起これば話題になるのは当然だろう」
「でも、僕がファクトリーで見ている限りでは、スタッフも新しく加わった人たちも非常に良く協力し合っていて、大きな可能性を感じている」
「フラビオは多くのものをもたらしてくれており、方向性は非常に明確だ。今後数週間、数カ月でその成果が現れてくると信じている」
「来シーズンには大きな期待を持っているし、今回の特別な1週間から一歩進んで、通常業務に集中することが大切だ」

ガスリー「ドゥーハンは速いドライバー」今後の活躍にエール
ドゥーハンの交代について、ガスリーは「非常に良い人柄で、速いドライバーだ」と称賛しつつも、チームが交代を決断した背景についての言及は避けた。
2019年にレッドブルの厳しい決断でシーズン途中にシートを失った経験のあるガスリーは、F1の世界の厳しさをよく理解しており、ドゥーハンにも励ましの言葉を送った。
「大切なのは、集中すべきことに心を向けることだ」
「彼のまわりには雑音やネガティブなエネルギーが渦巻いているかもしれないが、ドライバー、そしてアスリートとして、そういったものは脇に置いて自分のやるべきことに集中するべきだ」
「僕は幸運にも、隔週でマシンをドライブして自分の速さを示すチャンスがあるが、彼にとってはシミュレーターでの仕事が中心になる」
「彼が再びマシンを走らせるチャンスが訪れたときのために、メンタル面でも強くいることが求められる。簡単ではないが、踏ん張るしかない」F
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