ピエール・ガスリー F1ベルギーGP決勝「帰りの飛行機で角田裕毅は…」

序盤は中団の激しいバトルに巻き込まれながらも、スリックタイヤへのタイミングを早めに見極めるリスク覚悟の戦略を選択。これが功を奏し、まだスリックへ切り替えていなかったライバルたちの前に出ることに成功した。
その後は、直線スピードを重視した軽いダウンフォース設定のマシンで、コーナーでは苦しみながらも後続勢を巧みにブロック。終盤までミラーを凝視しながら防戦一方の展開が続いたが、冷静なドライビングで攻撃を跳ね返し、10位でフィニッシュ。難しいコンディションと劣勢なマシンの中で、タフなレース運びを貫き通した。
レース後、ガスリーは「裕毅と一緒に飛行機で帰るんだけど、あまり話しかけてくれないかもね」と冗談交じりに語り、スリック交換のタイミングで角田裕毅より先行したことが気まずさにつながったことをほのめかした。マシンの限界を引き出したガスリーは「全員が僕のミスを待っていたと思う」と振り返りながらも、自らの仕事に満足感を示した。
Q:これまでで最も苦労して得た1ポイントのひとつだった?
うん、今夜はぐっすり眠れそうだよ。あとで(角田)裕毅と一緒に飛行機に乗るんだけど……彼が僕にどれくらい話しかけてくれるかは分からないな。まあ、どうなるか見てみよう。でも本当に難しいレースだった。スペースが全然なかったし、何よりトラックポジションを得ることがすごく重要だって分かってたから、ちょっとギャンブル気味にリアウイングを軽くしてストレートスピードを最大化しようとした。そのぶんコーナーでは生き残り戦法だったけど、それが今日レースを戦ううえで最善の方法だったと思う。
あと、スリックタイヤに替える判断もすごく重要だった。あの時点ではポイント圏外だったから、かなり攻めた戦略に出たんだ。それがうまくハマってポジションを上げられた。そこからは、ずっとミラーを見ながら後ろを抑える展開で……すごくハードだったよ。

Q:マシンの実力以上のものを引き出しているように見える。それは満足感につながる? 今、自分としても最高の走りができていると感じる?
うん、すごく一貫性を持って走れているし、ミスもしないように気をつけている。今日の純粋なペースで言えば、後ろにいた全員が「こいつ早くコース外に飛び出してくれないかな」とか「早くどいてくれ」って思ってたと思う。たぶん僕のせいでみんなかなりタイムを失ってたはず。でもそれが僕たちの戦略だったし、達成したいことだったからね。
できる限りのことをやってるし、自分でもすごくいいパフォーマンスが出せていると思う。チームとの連携もすごくいいし、彼らは僕が100%の力を出せるようにしてくれている。全体的に見て、いい仕事ができていると思う。もちろんもっと速いクルマが欲しいけど、これが今シーズンの終わりまで僕たちのクルマだから、毎回このクルマで全力で戦うだけさ。
カテゴリー: F1 / ピエール・ガスリー / F1ベルギーGP / アルピーヌF1チーム