セルジオ・ペレス、レッドブルF1時代の1時間126万円の心理学者費用を告白

このエピソードは、現在キャデラックF1チームのドライバーであるペレスが出演したポッドキャスト番組「Cracks Podcast」で語られたものだ。
2021年にレッドブルへ加入した直後、思うような結果が出なかった序盤戦で、チーム側から心理面のサポートを受けるよう勧められたという。
「レッドブルに来て最初の数戦で結果が出なかったとき、『君に必要なのは心理学者だ』と言われた」とペレスは振り返る。
「もちろん、僕は何でも受け入れるつもりだった。だからその心理学者と話して、『セルジオ・ペレスだよ』とか、そういう普通の会話をした」
だが、その後に届いた請求書を見て、ペレスは驚愕することになる。
「ある日、彼がレッドブルのファクトリーに来て、『請求書がある』と言ったんだ。6000ポンドだよ。『これをヘルムートに送ってくれ、彼が払うから』って」
“その電話一本で3年間もった”
ペレス自身が支払う必要はなかったとはいえ、その金額は今でも強烈な印象として残っているという。
「電話一本で6000ポンドだ!」とペレスは語気を強める。
「それでヘルムートが『どうだった?』と聞いてきて、『完璧だ。このセッションで大丈夫だ』って言うんだ。それで3年間もった。心理学者で“治った”ってわけさ」
実際、ペレスは2021年シーズン途中から結果を出し始め、第6戦で初勝利を挙げると、シーズン終盤までにさらに4度の表彰台を獲得した。特にアブダビGPでは、チームメイトのマックス・フェルスタッペンを助けるためにルイス・ハミルトンを抑え込む圧巻のディフェンスを披露し、高く評価された。
成績低下と「心理」では解決できない問題
しかし、時間が経つにつれて状況は変わっていく。2023年に初めて大きなスランプを経験し、翌年には再び成績が低迷。ペレス自身は、当時の問題が心理面だけではなかったと感じている。
「結果が出なくなると、『また助けが必要なのかもしれない』って思うようになった。でも、正直に言えば、クルマに問題があると分かっていた」
「どのコーナーでどうなるのか、どこでクラッシュするかを考えながら走っている状態では、速く走ることなんてできない」
最終的にペレスは2024年シーズン終了をもってレッドブルを去ることになった。契約を残しながらの離脱だったが、彼にとってこの経験は、F1のトップチームが抱えるプレッシャーと、その対処法の一端を象徴する出来事だったと言えるだろう。
“6000ポンドの電話”は確かに一時的な効果をもたらした。しかし、クルマの挙動そのものに不安を抱える状況では、どれほど高額なセッションであっても万能薬にはなり得なかった。
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