SUPER GT、DTMと同じ車両規定の2014年GT500新型車両を公開
SUPER GTは、2014年のGT500クラスに参戦するレクサス(トヨタ)、ホンダ、日産の新型車両を鈴鹿サーキットで発表した。
この新型車両は、欧州の人気レース「DTM(ドイツツーリングカー選手権)」と同じ車両規定のシャシー、空力が使用されており、今後アメリカのレースでも使用されることから各メーカー車両の相互参戦や交流戦などグローバル化が期待されている。
また、開発コスト、参戦コストを抑え、シリーズ参戦への敷居を下げることにもなるだろう。
搭載エンジンも来季は一新される。こちらは日本の独自規定の2000ccの直列4気筒直噴ターボとなり、3メーカーがそれぞれ開発、製作し、各車に搭載する。このエンジンは従来のV8、3400ccエンジンと同等の出力を確保しながら、市販車エンジンの開発にも貢献できる技術アプローチを持っており、さらに軽量、省燃費、ダウンサイジングと近年の開発志向にも合致している。
SUPER GT第5戦ポッカサッポロ1000kmのレース前日にもかかわらず、会場となった鈴鹿サーキットのホスピタリティラウンジには約260名のマスメディアとSUPER GT関係者が詰めかけ、GT500クラスのニューマシンへの関心度をうかがわせた。また、3メーカーからもモータースポーツ部署だけでなく多くの幹部が臨席しており、プロジェクトへの力の入れ様を感じさせた。
各社のニューマシンは、レクサスがベース車を“LF-CC”、日産が“GT-R”、ホンダが“NSX”とし、国産の同一モノコック(東レカーボンマジック社製)を使用ながらもそれぞれの個性をはっきり打ち出したマシンデザインとなっている。なお、DTMと同じ車両規定ながら、SUPER GT用車両は競技スタイルの相違や日本、アジアの環境の違いから給油口の位置やエアコン搭載などの相違点もある。
発表会でSUPER GTを運営する株式会社GTアソシエイションの坂東正明代表取締役は、車両を開発、製造する3メーカー、そしてJAFに謝辞を述べると共に、2014年の車両規定に関して「ヨーロッパで成功を収めているレース(DTM)と日本のレース(SUPER GT)それぞれの統括団体、自動車メーカーが集まり、協議し、知恵を出し合うという、これまでなかった画期的な方法で誕生した規則であり、ここにご覧いただく車両はその成果です」と、従来にない画期的なものであることを強調。さらに日米欧のグローバル化の前進を加速するものであるとした。
臨席したトヨタ自動車株式会社モータースポーツ部の高橋敬三部長は「私たちのレース車両は、昨年9月のパリモーターショーに出品した“レクサス LF-CC”をベースにしたものです。LF-CCは将来のレクサスラインナップに加わる2ドアFRクーペ、スポーティエントリーカーのコンセプトモデルです。従来のSUPER GT車両の速さに加え、環境性能、グローバル化、コスト低減を満たしています。大変申し訳ありませんが、先に行ったテスト走行でトラブルが出てしまい、今日の午後と日曜日の走行は参加できなくなりました。今後、私どもとレクサスのチームで一丸となってクルマを仕上げていき、もっともっと楽しいレースをお見せできるよう努力してまいります」とベース車両等についてコメントした。
引き続き、本田技研工業株式会社モータースポーツ部の佐藤英夫部長も車両について説明。「我々は2015年に市販予定の新型“NSX”のコンセプト車両をベースにしたGT500車両で参戦いたします。NSXのイメージを大切にし、ミッドシップ(MR)とハイブリッドは譲れないものとして採用しました。この点にご理解いただいたJAF、GTA、トヨタ様、日産様には感謝を申し上げます。FR用の共通モノコックを使用するため、MRとするには大変難しく、ハンディのあるものでしたが、逆に開発陣はチャレンジングなものとなりました。ハイブリッドはGT300に参戦するCR-Z GTのものをGT500用に進化させたものを使用します。NSXの名に恥じることないパフォーマンスをお見せできるようさらに開発を進めていきます」とライバル2社とはひと味違うマシンであることを語った。
そして、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社(NISMO)の宮谷正一取締役社長は「日産では、継続して“日産GT-R”をベースにしたGT500車両で参戦します。GT-Rにはその時代の最新、最高の技術が注ぎ込まれており、日産の技術を象徴するフラッグシップモデルです。GT500車両のベースに選ぶことは至極当然のことです。DTMとの車両規則統合はSUPER GTの価値を更に高めるでしょう。今回はシャシー部分の統合ですが、エンジンはDTMに先行した2リッター直4直噴ターボを採用しました。これは自動車メーカー各社が進める小排気量、低燃費のパワートレインで、意味あるものです。SUPER GTでは燃料流量リストリクターを使用しますが、これはいかに少ない燃料で大きな出力を出すかという極めてチャレンジしがいのある技術で、将来の市販車にも有効な技術だと革新しています。このGT500車両で、来年もこれまで以上にファンにワクワクしてもらえるよう“速いGT-R”を来年のグリッドに並べたいと思います」と、来季のGT-Rについての自信を語った。
さらにDTMを統括するITRのハンス・ウェルナー・アウフレヒト会長からもビデオメッセージでいよいよ新しい車両がロールアウトされました。ドライバーの皆さんもスポーティですごい車を楽しみしていると思います。さらに観客の皆さんにも魅力的な車で、迫力のあるレースで楽しんでいただけると確信しております」と新GT500マシンの成功を確信する言葉が届いた。また、2017年より同じ車両規定の競技車両を使用するアメリカのGRAND-AM のエド・バフェット社長もビデオメッセージで「今回のSUPER GT新車両の初走行は、北米の視点から考えますと、ITRとGTAとの信頼のおける、そして末長いパートナシップの始まり、と感じます。そこには素晴らしい将来が見えています」と、今回の発表、初の公式走行を“歴史的”を評し、アメリカでもこれに続き新たな車両をデビューさせることに全力を挙げると約束をしていた。
関連:
・ホンダ、2014年SUPER GT参戦車両「NSX CONCEPT‐GT」を初公開
・レクサス、2014年SUPER GT参戦車両「LF-CC」を発表
カテゴリー: F1 / F1関連
この新型車両は、欧州の人気レース「DTM(ドイツツーリングカー選手権)」と同じ車両規定のシャシー、空力が使用されており、今後アメリカのレースでも使用されることから各メーカー車両の相互参戦や交流戦などグローバル化が期待されている。
また、開発コスト、参戦コストを抑え、シリーズ参戦への敷居を下げることにもなるだろう。
搭載エンジンも来季は一新される。こちらは日本の独自規定の2000ccの直列4気筒直噴ターボとなり、3メーカーがそれぞれ開発、製作し、各車に搭載する。このエンジンは従来のV8、3400ccエンジンと同等の出力を確保しながら、市販車エンジンの開発にも貢献できる技術アプローチを持っており、さらに軽量、省燃費、ダウンサイジングと近年の開発志向にも合致している。
SUPER GT第5戦ポッカサッポロ1000kmのレース前日にもかかわらず、会場となった鈴鹿サーキットのホスピタリティラウンジには約260名のマスメディアとSUPER GT関係者が詰めかけ、GT500クラスのニューマシンへの関心度をうかがわせた。また、3メーカーからもモータースポーツ部署だけでなく多くの幹部が臨席しており、プロジェクトへの力の入れ様を感じさせた。
各社のニューマシンは、レクサスがベース車を“LF-CC”、日産が“GT-R”、ホンダが“NSX”とし、国産の同一モノコック(東レカーボンマジック社製)を使用ながらもそれぞれの個性をはっきり打ち出したマシンデザインとなっている。なお、DTMと同じ車両規定ながら、SUPER GT用車両は競技スタイルの相違や日本、アジアの環境の違いから給油口の位置やエアコン搭載などの相違点もある。
発表会でSUPER GTを運営する株式会社GTアソシエイションの坂東正明代表取締役は、車両を開発、製造する3メーカー、そしてJAFに謝辞を述べると共に、2014年の車両規定に関して「ヨーロッパで成功を収めているレース(DTM)と日本のレース(SUPER GT)それぞれの統括団体、自動車メーカーが集まり、協議し、知恵を出し合うという、これまでなかった画期的な方法で誕生した規則であり、ここにご覧いただく車両はその成果です」と、従来にない画期的なものであることを強調。さらに日米欧のグローバル化の前進を加速するものであるとした。
臨席したトヨタ自動車株式会社モータースポーツ部の高橋敬三部長は「私たちのレース車両は、昨年9月のパリモーターショーに出品した“レクサス LF-CC”をベースにしたものです。LF-CCは将来のレクサスラインナップに加わる2ドアFRクーペ、スポーティエントリーカーのコンセプトモデルです。従来のSUPER GT車両の速さに加え、環境性能、グローバル化、コスト低減を満たしています。大変申し訳ありませんが、先に行ったテスト走行でトラブルが出てしまい、今日の午後と日曜日の走行は参加できなくなりました。今後、私どもとレクサスのチームで一丸となってクルマを仕上げていき、もっともっと楽しいレースをお見せできるよう努力してまいります」とベース車両等についてコメントした。
引き続き、本田技研工業株式会社モータースポーツ部の佐藤英夫部長も車両について説明。「我々は2015年に市販予定の新型“NSX”のコンセプト車両をベースにしたGT500車両で参戦いたします。NSXのイメージを大切にし、ミッドシップ(MR)とハイブリッドは譲れないものとして採用しました。この点にご理解いただいたJAF、GTA、トヨタ様、日産様には感謝を申し上げます。FR用の共通モノコックを使用するため、MRとするには大変難しく、ハンディのあるものでしたが、逆に開発陣はチャレンジングなものとなりました。ハイブリッドはGT300に参戦するCR-Z GTのものをGT500用に進化させたものを使用します。NSXの名に恥じることないパフォーマンスをお見せできるようさらに開発を進めていきます」とライバル2社とはひと味違うマシンであることを語った。
そして、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル株式会社(NISMO)の宮谷正一取締役社長は「日産では、継続して“日産GT-R”をベースにしたGT500車両で参戦します。GT-Rにはその時代の最新、最高の技術が注ぎ込まれており、日産の技術を象徴するフラッグシップモデルです。GT500車両のベースに選ぶことは至極当然のことです。DTMとの車両規則統合はSUPER GTの価値を更に高めるでしょう。今回はシャシー部分の統合ですが、エンジンはDTMに先行した2リッター直4直噴ターボを採用しました。これは自動車メーカー各社が進める小排気量、低燃費のパワートレインで、意味あるものです。SUPER GTでは燃料流量リストリクターを使用しますが、これはいかに少ない燃料で大きな出力を出すかという極めてチャレンジしがいのある技術で、将来の市販車にも有効な技術だと革新しています。このGT500車両で、来年もこれまで以上にファンにワクワクしてもらえるよう“速いGT-R”を来年のグリッドに並べたいと思います」と、来季のGT-Rについての自信を語った。
さらにDTMを統括するITRのハンス・ウェルナー・アウフレヒト会長からもビデオメッセージでいよいよ新しい車両がロールアウトされました。ドライバーの皆さんもスポーティですごい車を楽しみしていると思います。さらに観客の皆さんにも魅力的な車で、迫力のあるレースで楽しんでいただけると確信しております」と新GT500マシンの成功を確信する言葉が届いた。また、2017年より同じ車両規定の競技車両を使用するアメリカのGRAND-AM のエド・バフェット社長もビデオメッセージで「今回のSUPER GT新車両の初走行は、北米の視点から考えますと、ITRとGTAとの信頼のおける、そして末長いパートナシップの始まり、と感じます。そこには素晴らしい将来が見えています」と、今回の発表、初の公式走行を“歴史的”を評し、アメリカでもこれに続き新たな車両をデビューさせることに全力を挙げると約束をしていた。
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