F1:予算上限の導入で1500名のチームスタッフ以上が失業の可能性
2021年からF1に導入される予算上限によってF1チームで働く従業員の1500名以上が失業する可能性があると Daily Telegraph が報じている。

新型コロナウイルスの世界的な大流行によって2020年のF1世界選手権は7月までレースを開催することができず、F1チームは5週間にわたってファクトリーを閉鎖。また、5チームの英国拠点のF1チームスタッフは政府の英国政府の支援スキームを利用するために従業員の一時解雇を実施している。

だが、政府の支援は3か月であり、冗長的な救済にはならない。その上、2021年からはコスト削減のために予算上限が導入される。当初は1億7500万ドルに設定された予算上限は、コロナショックを鑑みて1億5000万ドルに引き下げることで合意がなされたと報じられている。

それでも、マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは「最大で4チームが諸滅する可能性がある」と語り、1億ドルへの引き下げを求めている。

Daily Telegraph の報道によると、英国を拠点とするF1チームの収支報告による2018年の平均コストは2億3600万ドルであり、メルセデスは3億9200万ドルを費やしていたという。

F1チームにとって研究開発費と人件費が最大のコストであり、英国拠点のチームは合計で4276人のスタッフを雇用し、総額4億5000万ドルが人件費として支払われている。そして、最も心配なことに予算上限によって人員数は37.4%減少する可能性がある。

Daily Telegraph は、1億5000万ドルの予算制限を適用した場合を計算。チームが費やすことができる人件費を平均給与で割ってスタッフ数を算出した場合、1599名が失業するという答えを出した。

予算上限はまだ正式には合意されていないが、エンジン設計・開発・製造にかかわるスタッフ、マーケティングスタッフ、上級管理職、ドライバーの給与は上限から除外される。

チームは総コストのなかで人件費のパーセンテージを増やすことでより多くのスタッフを自由に雇うことができるが、その場合は研究開発費といった主要な項目の予算を削減する必要がある。

仮に1億ドルまで予算上限が引き下げられた場合、英国拠点の半数が失業する可能性がある。

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カテゴリー: F1 / F1関連