F1ベルギーGP ドライバーたちがW杯決勝を前に母国代表へ熱いエール

決勝はスペイン対アルゼンチン、3位決定戦はイングランド対フランスという顔合わせとなり、各国出身のドライバーたちもそれぞれの母国代表へ熱いエールを送っている。
大会開幕時には11チームから18人のドライバーの母国が出場していたが、102試合を経て決勝に残ったのはフェルナンド・アロンソとカルロス・サインツJr.を擁するスペイン、そしてフランコ・コラピントの母国アルゼンチンの2か国となった。一方、3位決定戦ではイングランドとフランスが対戦し、パドックでも大きな話題となっている。
スペイン勢は2度目の世界一へ期待
スペインは華麗な攻撃こそ控えめながらも、堅固な守備と安定した中盤を武器に決勝まで勝ち進んだ。準決勝では好調だったフランスを2-0で下し、2024年欧州王者の実力を改めて示した。
大会開幕前、カルロス・サインツJr.はスペイン代表へ応援メッセージを送っていた。
「スペイン代表のみんなに心から幸運を祈っている。このワールドカップではずっと応援している。スペイン中がみんなを支えている。幸運を祈るよ」
フェルナンド・アロンソも、ベルギーGP以上にワールドカップ決勝を楽しみにしていることを隠さなかった。
「日曜日で一番楽しみなのは試合だよ」
そう冗談交じりに語ったアロンソは、2010年にスペインが初優勝を飾った当時を振り返りながら、今年の代表にも期待を寄せた。
「今は状況が違うけれど、僕たちは代表を応援している。彼らが何を成し遂げられるチームなのか分かっているからね」
もっとも、レース後の移動もあり、決勝戦を最後まで見届けられるかは分からないという。
今季はウィリアムズ、アストンマーティンともに苦戦が続くなか、サインツJr.とアロンソはレースだけでなく、スペイン代表がユニフォームに2つ目の星を刻む瞬間にも期待を寄せている。
コラピント「決勝の方がレースより緊張する」
今回の週末で最も上機嫌だったドライバーのひとりが、アルピーヌのフランコ・コラピントだった。
ベルギーGPのパドックには、リオネル・メッシの背番号「10」が入ったアルゼンチン代表ユニフォーム姿で登場。水曜日の準決勝では、イングランド相手に終盤10分間で逆転勝利を収めた母国代表を誇らしげに祝福していた。
コラピントは、この勝利には特別な意味があったと語る。
「結局はサッカーの試合なんだけど、僕たちにとっては特別な一戦だった。相手がイングランドということもあって、いろいろな背景があった。本当に久しぶりの対戦だったし、勝ててとても嬉しい。チームのみんな、メッシ、そして国を誇りに思う。最後まで決して諦めなかったことも誇らしい」
アルゼンチン代表の戦いぶりにも胸を打たれたという。
「アルゼンチンらしさを存分に見せてくれた。何度か鳥肌が立ったよ。ただ前へ進み、戦い続け、決して諦めない姿は本当に印象的だった。もう一度言うけれど、僕はアルゼンチン人であることを誇りに思う。彼らにはその価値があるし、国中が幸せになっている」
木曜日のメディアデーでも、レースよりサッカーの話題を語りたそうな様子を見せたコラピントは、Sky Sports F1の取材で代表チームについて次のように語った。
「アルゼンチンでは子どもの頃から決して諦めず、苦しい状況でも前へ進み続けることを学ぶ。彼らはまさにそれをやってのけた。だからこそ僕はアルゼンチン人であることを誇りに思うし、自分たちの国と代表チームを応援できることを誇りに思う。彼らがユニフォームのために戦う姿を誇りに思う」
「このワールドカップでは、内容が完璧だった試合ばかりではない。でも彼らは最後まで全力を尽くしてきた。彼らが僕たちと国のためにやってくれたことに本当に感謝している」
「僕は自分の国を応援できることを誇りに思う。彼らは僕に、自分のスポーツでも最後まで諦めず、最後まで挑戦し続けることを教えてくれる。終わるまでは何も終わっていない。それを彼らはピッチで示してくれた」
決勝ではスペインとの対戦となるが、自身のレース以上に緊張すると笑う。
「決勝の方がレースよりずっと緊張すると思う。スペインとはここ数年ライバル関係が強くなった。メッシやアルゼンチン代表についてスペインでいろいろ語られてきたこともあってね」
「でも、お互いラテンの国だし、同じ言葉を話す。ピッチで言い合う悪口まで理解できるから面白いよ(笑)。アルゼンチンとスペインの決勝は最高のカードだと思う。本当に楽しみだ」
コラピントにとってはチェッカーフラッグを受けても緊張は終わらない。4年前の優勝に続くアルゼンチンの連覇へ期待を膨らませている。
フランス勢は失意の3位決定戦へ
F1グリッドでも屈指のサッカーファンが多いフランス勢にとって、準決勝敗退は大きなショックとなった。
グループリーグから優勝候補の一角と目されていたフランスだったが、準決勝ではスペインに完敗。2022年大会に続く決勝進出は果たせず、3位決定戦でイングランドと対戦することになった。
イングランド勢「誇れる戦いだった」
イングランドはアルゼンチンとの準決勝で終盤に逆転を許し、60年ぶりの世界一への夢はまたしても実現しなかった。
ルイス・ハミルトンは試合を振り返り、悔しさを隠さなかった。
「昨夜は苦しい気持ちで見ていた。でも選手たちがここまで勝ち進んだことを本当に誇りに思う。どれだけ努力し、多くの時間を費やしてきたか想像できるし、もちろんたくさんの応援もあった」
「アルゼンチンは強かった。本当に悔しかったよ。ずっと指を組みながら、何とか勝ってくれることを願っていた。でも僕たちはまた立ち上がる」
同じイングランド出身のアービッド・リンドブラッドも落胆を口にした。
「試合は見ていたけれど、楽しめなかった。本当に難しい相手だったし、ファンとしてはただ悲しかった。久しぶりにイングランド代表を見て、本当に勝ちたいという気持ちが伝わってきた」
「アルゼンチンと戦っていて、失点するまでは僕たちの方が良かったと思う。その後、相手の戦い方が変わってしまったのが少し残念だった。結果を守りたいのは理解できるけれど、少し守りすぎたと思う。チームは十分に勝ち進めるだけの戦いをしていた」
オリバー・ベアマンは結果を受け止めながらも、大会全体を前向きに評価した。
「久しぶりにサッカーを楽しめた。望んだ結果ではなかったけれど、とても良い戦いだったと思う。イギリス人として誇りに思えるパフォーマンスだった」
ベルギーGPでは世界屈指の名コースで熱戦が繰り広げられる一方、ドライバーたちはレース終了後も母国代表の行方を見守ることになる。F1とワールドカップという世界最高峰の舞台が重なる特別な週末は、パドックでも普段とは違った熱気を生み出している。
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