F1ドライバー、スーパーライセンス料の値上げに抗議文
F1ドライバーによる組合GPDAは、スーパーライセンスの料金に関して、FIA会長マックス・モズレーに対し抗議。声明文を発表した。
全てのF1ドライバーは、F1に参戦するためにはFIAからスーパーライセンスを取得する必要があるが、昨年その料金は200%〜350%も上昇した。
マックス・モズレーは、GPDAからの反発を「愚か」で「ナンセンス」と一蹴。税金のかからない国に住みながらF1ドライバーは、最新の安全性の恩恵を受けていると非難した。
これに対し、GPDAは声明を発表。スーパーライセンスは世界で最も高価なライセンスだと主張し、価格の値上げは「不公平」で「不当」だとしている。GPDAは、F1ドライバーの所得が詳細まで明らかにならない限り、マックス・モズレーの主張は成立しないとしている。
2008年1月、FIAはF1ドライバーのスーパーライセンス料を一方的に値上げした。2008年シーズンのスーパーライセンス基本料は、2007年の1,690ユーロ(約20万円)からほぼ5倍の10,000ユーロ(約119万円)に増額された。さらに、スーパーライセンス基本料と同時に支払われるポイント料も、2007年のポイントあたり447ユーロ(約5万3,000円)から3.5倍近く値上げされ、2008年は2,000ユーロ(約23万7,000円)となった。
この値上げは、ドライバーへの事前の相談なしに行われ、ドライバーは、2008年1月にチームから請求書を受け取り、またはマスコミを通じてこの値上げを知った。提案された値上げは、その導入方法および個々のドライバーに対する影響において、本質的に不公平である。
この値上げはFIAによって導入されたものであるが、ドライバーは不合理かつ不公平であるとして、全員一致でこの値上げに反対している。GPDAは、GPDAメンバー以外のドライバーを含めたスーパーライセンスを所有する全ドライバーの代理として、2008年シーズンを通じてこの問題を適切かつ専門的に解決する方法をFIAと内密に探ってきた。そして、昨年9月のイタリアGPでのモズレー氏との会談によって、さらなる交渉の道を切り開いた。
その中には、ドライバーの総収入の開示を求めるFIAの要請も含まれていた。しかし、ドライバーからの回答を受け取っていないというマスコミに対するモズレー氏の主張は間違っている。GPDAは、12月にドライバーの総収入はスーパーライセンス料の適正価格の判断とは無関係なので、その要請を却下するという書簡を送っている。さらに、ドライバーの総収入(及び純利益)はドライバー、マネージメント、財務アドバイザー、税務当局などにとって部外秘である。
実際、モズレー氏はGPDAとの最近の連絡において、これが機密事項であることをほのめかしている。スーパーライセンス料を支払うのはチームあるいは個人かという問題について、モズレー氏はドライバーとチームとの私的な契約問題でありFIAとは無関係であると結論した。
ドライバーは、スーパーライセンス料の合理的な値上げに反対するものではない。この料金には、ライセンス発行に関わる事務手続きおよびその他のコストが含まれるはずである。
したがって、ドライバーは、2008年シーズンは2007年のスーパーライセンスをインフレによって調整した金額を支払い、2009年もそれに応じた金額にすることを提案した。
ドライバーは、モズレー氏がモンツァで言及した2008年にFIAが運営に必要な資金の不足分170万ユーロ(約2億211万円)、さらに2009年の運営費の不足分300万ユーロ(約3億5,666万円)を見出すための資金調達において、FIAに協力して公正な方法を探ることを提案した。
ドライバーは、スーパーライセンス料がFIAにとって収入源となるべきではないと主張するものであり、このような変更は、過去のスーパーライセンス料や他のドライバーライセンス料とは原理的に大きく逸脱する。FIAは商業権を活用して十分な資金を調達すべきである。
原則として、ドライバーは、ドライバーに対する法的義務を満たす他者のコストに資金を提供する場合は課税されるべきではない。ドライバーに安全なマシンを提供するのはチームの義務であり、安全なサーキットを提供するのはサーキット所有者の義務であり、安全性に適合したヘルメット、耐火オーバーオールなどを提供するのはメーカーの義務である。FIAは統括団体として、安全規約を課し、サーキットへのライセンス発行など、ライセンス認可を通じて関係者の義務遂行を監督する。ドライバーに対するライセンス発行は、ドライバーがF1で必要なレベルで戦う能力があることを保証することである。
【データ】
・2007年の時点で、F1のスーパーライセンスはすでに世界中のスポーツ選手が支払っているライセンスの中で最も高価であった。
・事前通知なく、1年間で200%(基本料)と350%(ポイントあたりの料金)の値上げがあった。
・2008年F1ワールドチャンピオンシップ優勝者は27万ドル(約2,483万円)を支払わなければならない。
・金額的に最も近いライセンス料を定めているのはNASCARで、ドライバーはシーズンあたり4,000ドル(約36万8,000円)を支払っている。
・FIAは、ドライバーからのスーパーライセンス料によって、FIAを運営するために1シーズンあたり合計170万ユーロ(約2億210万円)を得ることになる。
カテゴリー: F1 / F1関連 / FIA(国際自動車連盟)
全てのF1ドライバーは、F1に参戦するためにはFIAからスーパーライセンスを取得する必要があるが、昨年その料金は200%〜350%も上昇した。
マックス・モズレーは、GPDAからの反発を「愚か」で「ナンセンス」と一蹴。税金のかからない国に住みながらF1ドライバーは、最新の安全性の恩恵を受けていると非難した。
これに対し、GPDAは声明を発表。スーパーライセンスは世界で最も高価なライセンスだと主張し、価格の値上げは「不公平」で「不当」だとしている。GPDAは、F1ドライバーの所得が詳細まで明らかにならない限り、マックス・モズレーの主張は成立しないとしている。
スーパーライセンス料に関するGPDAの声明
一部マスコミにおいて、スーパーライセンス料金に関するFIAとドライバーの問題に関して誤った報道があり、またモズレー氏の最近のコメントに対して、ドライバーは以下の事項を明確にしたい。2008年1月、FIAはF1ドライバーのスーパーライセンス料を一方的に値上げした。2008年シーズンのスーパーライセンス基本料は、2007年の1,690ユーロ(約20万円)からほぼ5倍の10,000ユーロ(約119万円)に増額された。さらに、スーパーライセンス基本料と同時に支払われるポイント料も、2007年のポイントあたり447ユーロ(約5万3,000円)から3.5倍近く値上げされ、2008年は2,000ユーロ(約23万7,000円)となった。
この値上げは、ドライバーへの事前の相談なしに行われ、ドライバーは、2008年1月にチームから請求書を受け取り、またはマスコミを通じてこの値上げを知った。提案された値上げは、その導入方法および個々のドライバーに対する影響において、本質的に不公平である。
この値上げはFIAによって導入されたものであるが、ドライバーは不合理かつ不公平であるとして、全員一致でこの値上げに反対している。GPDAは、GPDAメンバー以外のドライバーを含めたスーパーライセンスを所有する全ドライバーの代理として、2008年シーズンを通じてこの問題を適切かつ専門的に解決する方法をFIAと内密に探ってきた。そして、昨年9月のイタリアGPでのモズレー氏との会談によって、さらなる交渉の道を切り開いた。
その中には、ドライバーの総収入の開示を求めるFIAの要請も含まれていた。しかし、ドライバーからの回答を受け取っていないというマスコミに対するモズレー氏の主張は間違っている。GPDAは、12月にドライバーの総収入はスーパーライセンス料の適正価格の判断とは無関係なので、その要請を却下するという書簡を送っている。さらに、ドライバーの総収入(及び純利益)はドライバー、マネージメント、財務アドバイザー、税務当局などにとって部外秘である。
実際、モズレー氏はGPDAとの最近の連絡において、これが機密事項であることをほのめかしている。スーパーライセンス料を支払うのはチームあるいは個人かという問題について、モズレー氏はドライバーとチームとの私的な契約問題でありFIAとは無関係であると結論した。
ドライバーは、スーパーライセンス料の合理的な値上げに反対するものではない。この料金には、ライセンス発行に関わる事務手続きおよびその他のコストが含まれるはずである。
したがって、ドライバーは、2008年シーズンは2007年のスーパーライセンスをインフレによって調整した金額を支払い、2009年もそれに応じた金額にすることを提案した。
ドライバーは、モズレー氏がモンツァで言及した2008年にFIAが運営に必要な資金の不足分170万ユーロ(約2億211万円)、さらに2009年の運営費の不足分300万ユーロ(約3億5,666万円)を見出すための資金調達において、FIAに協力して公正な方法を探ることを提案した。
ドライバーは、スーパーライセンス料がFIAにとって収入源となるべきではないと主張するものであり、このような変更は、過去のスーパーライセンス料や他のドライバーライセンス料とは原理的に大きく逸脱する。FIAは商業権を活用して十分な資金を調達すべきである。
原則として、ドライバーは、ドライバーに対する法的義務を満たす他者のコストに資金を提供する場合は課税されるべきではない。ドライバーに安全なマシンを提供するのはチームの義務であり、安全なサーキットを提供するのはサーキット所有者の義務であり、安全性に適合したヘルメット、耐火オーバーオールなどを提供するのはメーカーの義務である。FIAは統括団体として、安全規約を課し、サーキットへのライセンス発行など、ライセンス認可を通じて関係者の義務遂行を監督する。ドライバーに対するライセンス発行は、ドライバーがF1で必要なレベルで戦う能力があることを保証することである。
【データ】
・2007年の時点で、F1のスーパーライセンスはすでに世界中のスポーツ選手が支払っているライセンスの中で最も高価であった。
・事前通知なく、1年間で200%(基本料)と350%(ポイントあたりの料金)の値上げがあった。
・2008年F1ワールドチャンピオンシップ優勝者は27万ドル(約2,483万円)を支払わなければならない。
・金額的に最も近いライセンス料を定めているのはNASCARで、ドライバーはシーズンあたり4,000ドル(約36万8,000円)を支払っている。
・FIAは、ドライバーからのスーパーライセンス料によって、FIAを運営するために1シーズンあたり合計170万ユーロ(約2億210万円)を得ることになる。
カテゴリー: F1 / F1関連 / FIA(国際自動車連盟)