オスカー・ピアストリ ターン1での動きを正当化「消えるわけにもいかないしね」

ピアストリは最終的に5位でフィニッシュしたものの、このペナルティで表彰台争いから脱落した。一方のルクレールは、ピアストリに全責任があるとは言い切れないと語り、「オスカーもキミも半分ずつ責任がある」と見解を示した。
レース序盤の接触と裁定への不満
ピアストリはターン1のイン側から仕掛けたが、ブレーキングでロックアップを喫し、わずかにコントロールを失った。それでもライン上には留まり、「どこにも逃げ場がなかった」と主張する。
「僕の見解では、明確にイン側にスペースがあって、そこを突いた。確かにロックアップはしたけど、白線ギリギリで、もう左には行けなかった。消えるわけにもいかないしね」
「スチュワードの判断はそういうものだけど、今日はいくつも難しい瞬間があった。もしもう一度やり直せるとしても、同じ動きをしたと思う」とピアストリは語った。
審議の結果、スチュワードは「ピアストリは必要なオーバーラップを確立していなかった」としてペナルティを科したが、本人は納得していない様子だ。
「どこにも行けなかった」
ブレーキロックについて問われた際も、ピアストリは次のように説明した。
「どう見ても、あの状況ではどこにも行けなかった。ターン1にあれだけ勢いよく入って、完全に並んでいたら、引くなんて無理だよ。あれ以上深く突っ込んだら無謀だったと思う。アペックスを外したわけでもないし、左に寄れるだけ寄っていた。だから余計に難しい判断だったと思う」
ルクレール「半々のインシデント」
接触の被害を受けたルクレールも、ピアストリだけを責める気はないと語った。
「遠くから見ていたけど、正直オスカーとキミの50対50のインシデントだったと思う。オスカーは少し楽観的に突っ込み、キミはまるでオスカーがいないようにコーナーを回った。その結果、2人がぶつかって僕に当たったんだ。残念だけど仕方ない」
失意の週末、タイトル争いにも打撃
ピアストリは今季2戦連続で5位に終わり、チームメイトのランド・ノリスがサンパウロで優勝したことで、ポイント差は24に拡大。タイトル争いにおいても厳しい状況に追い込まれた。
「ここ数戦は本当にうまくいってない」とピアストリは認める。
「プラクティスでは手応えが良くて、週末の序盤はかなり快適に感じていた。でもそこから少しずつ流れが悪くなっていった。金曜のペースは良かったのに、決勝ではその強さが見られなかった」
「マシンの方向性も自分の好みからは少し外れていたし、スプリントのクラッシュも響いた。とにかく、いくつもの小さな問題が重なっている感じだね。でも、速さの兆しはちゃんとあるし、それを常に発揮できるようにしたい」
ピアストリの攻めの判断と“理不尽な”裁定
ターン1の動きは確かにリスクを伴っていたが、映像上ではピアストリの前輪がアントネッリの横まで来ており、「完全に無理な突っ込み」とは言い切れない。イン側に十分なスペースを残しており、むしろアントネッリのターンインが早かった印象もある。
スチュワードの裁定は「ドライビング・スタンダード・ガイドライン」に忠実だったが、実戦の文脈では厳しすぎるとの声もある。レース再開直後の混戦で、ピアストリの動きは攻めの判断として自然な範囲だったとも言える。
週末全体を通しても、クラッシュ、ペナルティ、そして流れをつかめないマシンバランスと、ピアストリにとっては試練のブラジルラウンドだった。だが一方で、「速さの兆し」を自ら口にするように、彼の走りには確かなポテンシャルが残っている。ラスベガスでは、冷静さと積極性のバランスを取り戻せるかが鍵となるだろう。
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