ピアストリ 陰謀論にブランドル「マクラーレンF1はどちらが勝っても構わない」

ピアストリは夏以降の成績で失速し、オランダGP時点でランド・ノリスに対して持っていた34ポイントのリードを失った。残り4戦となった現在、両者の差はわずか1ポイント。チーム内タイトル争いは完全な五分に戻った。
ブランドル「頭の中がかき乱されたようだ」
ブランドルはスカイスポーツの番組『The F1 Show』で、ピアストリがアゼルバイジャンGPで2度クラッシュし、ジャンプスタートも犯した週末を「頭の中が散らかったような状態」だったと表現。若いドライバーとしてのプレッシャーの兆候が見え始めたと分析した。
「マクラーレンはシャシー、エアロ、セットアップまで何度も確認しているはずだ。僕は本気で、マクラーレンがどちらのドライバーに勝ってほしいかは気にしていないと思う。とにかくチームとしてタイトルを取ること、それもフェルスタッペンではなく自分たちのドライバーが取ることが重要なんだ」
「突然、冷静さが崩れた」
ブランドルは、今季序盤に比べてピアストリの冷静さが失われていると感じているという。
「シーズンの初め、彼は“水平的”と言われるほど冷静だった。無線でも常に落ち着いていて、何事にも動じなかった。だが今はその“ガラスの天井”のような冷静さが崩れている。彼は苦しんでいるように見える」
「チームは年間4億ドルを投じ、1500人ものスタッフが働いている。誰かのマシンをわざと遅くするなんてことはあり得ない。オスカーの担当スタッフも、彼がブラジルで立て直すことを心から望んでいるはずだ。彼はシーズン序盤に見事な勝利を挙げた。それを急に忘れることなんてない」

「与えるプレッシャーと受けるプレッシャー」
ブランドルは、自身のかつてのチームボスの言葉を引用し、タイトル争いの心理的側面をこう締めくくった。
「ハイレベルなスポーツでは、プレッシャーは2通りしかない。与えるか、受けるか。その中間はない。ランドとマックスはいま“プレッシャーを与える側”になり、オスカーは“受ける側”に回っている。それがいま目の前で起きている現象なんだ」
マクラーレンのチーム内バランス
ピアストリは直近の数戦で「マシンを最大限に活かすため、運転の仕方を変えざるを得なかった」と語り、一方のノリスは「自分に合わせたセットアップ開発を進めている」と説明している。両者が異なる方向でマシンを仕立てる中で、心理的な差が結果に表れ始めたとも言える。
ブランドルの見立ては明快だ。マクラーレンがどちらを優遇することもない――だが、プレッシャーの受け止め方次第で、2025年のチャンピオンは変わるかもしれない。
カテゴリー: F1 / オスカー・ピアストリ / マクラーレンF1チーム
