オスカー・ピアストリ F1イギリスGP決勝「自分にはどうにもできない結果」

2番グリッドからスタートしたマクラーレンの若手は、レース序盤にマックス・フェルスタッペンをオーバーテイクしてトップに立ち、変わり続ける天候のなかでレースをコントロール。
しかし中盤のセーフティカー明けに先頭での再スタートを控えていた際、「急減速」による違反判定が下されたことで、優勝争いから後退することとなった。
「何も言わない方がいいな。何か言うとトラブルになるかもしれない。ニコ(ヒュルケンベルグ)におめでとうと言いたい。それが今日のハイライトだよ。それ以上は控えるよ」とピアストリはコメント。
冷静さを保ちながらも、その内には大きな悔しさがにじんでいた。決定的なペナルティの場面を、ピアストリは次のように説明している。
「セーフティカーの後、減速したタイミングでちょうどそのときにライトが消えた。かなり遅いタイミングだったし、加速しなかったけど、先頭としてペースをコントロールする権利はある。レースの最初からずっとそうしていた。だから、自分では違反だとは思っていないし、最初のリスタートでも同じことをしていた。何も変えていない。納得はいっていないよ」
ペナルティが科されたあとも、ピアストリは懸命に走り抜き、2位を死守。チェッカー後の記者会見では、率直な心情を吐露した。
「正直、今日のレースは自分にとってすごく良いものだったし、それだけに結果が伴わなかったのは余計に痛い。自分としては本当に強いレースをしたと思ってるし、それが報われなかったと感じると、やっぱり悔しい。自分の手の届かないところで結果が決まってしまうのは、やるせないよ」

一方で、自身のパフォーマンスには明確な手応えもあった。
「今日は自信につながった。マシンも素晴らしかったし、僕自身もいい走りができたと思う。去年のこのレースと似た展開だったけど、チームとしても大きく進歩していることを証明できたと思う。だからこそ、勝てなかったのが本当に残念だよ」
レース終盤、ピアストリは無線でポジションを戻せないかをチームに確認したことも明かしている。
「聞くだけ聞いてみた。答えは分かってたけど、少しでも望みがあるならと思って。でも、結果は変わらなかった。ランドは何も悪くなかったし、立場を逆にしても同じ判断だったと思う。だからチームの対応にも不満はない」
その後、ピアストリはこう締めくくっている。
「今日は勝てるだけの走りをした。悔しさはあるけど、それをエネルギーに変えて、次の勝利に向けて進むよ。まだチャンピオンシップは終わっていないし、自分の手で結果を勝ち取ってみせる」
2025年F1イギリスGPで見せた速さと冷静さ――たとえ勝利を逃しても、オスカー・ピアストリがチャンピオン争いの主役のひとりであることに疑いの余地はなかった。
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