アラン・プロスト 「オスカー・ピアストリをアルピーヌF1に推したのは私」

先週末のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに登場したプロストは、元F1ドライバーのカルン・チャンドックとのトークの中で、当時ルノー(後のアルピーヌ)のドライバーアカデミーにピアストリを加入させるよう、裏で強く働きかけたと語った。
「私はかなり前からオスカーのことをよく知っていた。ルノーに彼をアカデミーに入れるよう推したのは私だったんだ。彼らは最初、乗り気ではなかった。でも私は、彼がF3やF4、そしてF2を走っている姿を見て確信していた」と語るプロスト。
その後、ピアストリは2020年1月にアルピーヌ・アカデミーに加入し、2021年にはFIA F2選手権を制覇した。
プロストの支援にもかかわらず、ピアストリとアルピーヌの関係は2022年末に決裂。彼は2023年にマクラーレンと契約し、アルピーヌはこれに法的異議を唱えたが敗北した。
それからわずか2年、現在24歳のピアストリは、チームメイトのランド・ノリスに8ポイント差をつけて、2025年シーズンのドライバーズ選手権首位に立っている(第12戦終了時点)。

プロスト「彼は自分に似ている」
プロストはピアストリのレーススタイルに、かつての自身と重なるものを感じているという。
「私は彼の立ち振る舞いが好きだ。オーバーテイクのタイミングをよく考え、頭を使って動く――少し私に似ているよ」と語ったプロスト。
「このタイプのドライバーは、通常しっかりと成長していく。単にドライビングスキルだけで勝負していると、途中で伸び悩むこともあるからね」
「ノリスのことはあまり知らないけど、どんな結果であれ、今年のようなシーズンでは“最もふさわしいドライバー”が勝つべきだと思う」と締めくくった。
ピアストリ vs ノリス、ヒートアップするタイトル争い
2025年シーズン折り返しを迎え、マクラーレン内で繰り広げられるピアストリとノリスの熾烈なタイトル争いはF1ファンを魅了している。
第9戦カナダGPでは両者が接触し、ノリスがリタイアする事態となるなど、緊張感が高まっているが、ザク・ブラウンCEOは依然として「自由に戦わせる」方針を堅持している。
「ルールは変わらない。ハードに、クリーンに、そしてできるだけ多くのポイントを持ち帰ること。順位は彼ら自身に任せている」と語り、2人の関係性についても「素晴らしい関係だ。チーム内の化学反応を大切にしており、それはドライバーから始まっている」と評価している。
F1界のレジェンドが認めた若き才能ピアストリ。果たしてプロストの眼力は正しかったのか、その答えはシーズン終盤に明らかになるだろう。
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