角田裕毅 今季レッドブルF1残留保証に「2戦で交代の可能性よりずっといい」

角田裕毅は、2025年シーズンの2戦終了後にリアム・ローソンと交代で昇格し、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとなった2人目のドライバーだ。だがレッドブルに昇格してからも、ポイント獲得に苦戦している。
ここまで10戦で獲得したのは7ポイント。一方のフェルスタッペンは同期間に129ポイントを稼ぎ、2勝を挙げている。このパフォーマンス差から、一部では再びドライバー交代があるのではないかと懸念されていた。
しかしマルコは繰り返しその可能性を否定。「今季を完走させる計画に変更はない」「この段階でのドライバー交代は意味がない」と強調し、角田裕毅への信頼を示している。
さらにレッドブルは角田裕毅を精神面でも支援しており、スポーツ心理士とのセッションも実施中。マルコはこう語る。
「我々は裕毅と徹底的な話し合いを重ねてきた。彼は現在、スポーツ心理士とも連携しており、彼のパフォーマンスには改善の兆しが見えてきている。近いうちに結果として現れると楽観的に見ている」
これまで公の場でドライバーに強いプレッシャーをかける発言も辞さなかったマルコだけに、今回はその“信頼の言葉”が角田裕毅にとって大きな意味を持つ。
「“2戦後に交代するかも”って言われるより、そうやって保証してくれる方が、もちろんうれしいです」と角田裕毅は語った。
「彼ももちろん、今の結果には満足していないとは思いますけど、それでも引き続き支援してくれていて、僕の才能やスピードを信じてくれているんです。あとは、僕がそれを結果で示さないといけないですね」
「マルコさんは本当にストレートな方なので、レースで悪かったことも良かったことも、はっきり言ってくれます」
「そのプレッシャーが、普段の自分では想像できないようなレベルまで引き上げてくれることもありますし、それによってパフォーマンスを引き出されることもあります」
「ジュニア時代からずっとそういう関係なので、今までのサポートには本当に感謝しています」

ただし、この“サポート”が2026年以降も続くかどうかは未定だ。
角田裕毅は、リカルドが2018年末にレッドブルを離れて以降、フェルスタッペンにとって5人目のチームメイト。ピエール・ガスリーは12戦、アレクサンダー・アルボンは約1年半、セルジオ・ペレスは4年、ローソンは2戦のみだった。
そんな“短命傾向”の中、角田裕毅はRB21に適応するには時間がかかると見ている。
「ドライバーによって違うとは思うんですけど、これまでのところ、あのクルマにすぐに慣れた人は見たことがないですね。それが事実なのかなと思っています」
「でも、少なくともショートランでは、いい方向に進んでいる感触があります」
「マックスの仕様と比べても、今年中に自分にも届く部分があるとわかっているので、それを手にすれば、チームが求めるレベルに届くという自信はあります。そこに向けて努力しているところです」
「ロングランに関しては、まだ自分が苦しんでいる部分ですけど、解決策はあると思っていて。これまでのF1キャリアでは試したことのないドライビングスタイルをいくつか試していますし、それも含めて今は学んでいる段階です」
「コンディションがセッションごとに変化する中で、今の僕は自信を持って攻め込むまでに少し時間がかかっているのかもしれません。VCARB(レーシングブルズ)では、どんなセットアップでもクルマの挙動がすぐ分かったので、最初のアタックから全開でいけていました」
「でも今のレッドブルでは、徐々にビルドアップしていく方が自分には合っていると感じています。それが間違っているとは思いませんけど、やっぱり少し時間はかかりますね」
「それが1シーズンかかるのかどうかは分かりませんけど、少なくとも今は前に進んでいるという感触があるので、ポジティブには捉えています」
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