MotoGP イタリアGP ヤマハ
MotoGP 第6戦 イタリアGPで、Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスは力強いパフォーマンスで2位を獲得し、今季4度目の表彰台に上った。バレンティーノ・ロッシは地元ファンの声援を受けて上位争いを展開し、4位となった。

マーベリック・ビニャーレスはポールポジションから好スタートを切ってロッシの後ろへ滑り込む。

序盤の混戦を抜けたあと、4ラップ目にはトップに浮上し、徐々に後続を引き離しにかかるも完全に逃げ切ることはできず、10ラップにわたってトップをキープしたあとアンドレア・ドヴィツィオーゾに先行を許して2位に後退した。

15ラップ目の第15コーナーと17ラップ目の第1コーナーで小さなミスが出て3位に後退したが、あきらめることはなく、残り4ラップで2位に復帰する。さらに、1.215秒先を走っていたドヴィツィオーゾを追っていった。終盤でいくらか詰めたものの逆転は難しかったため、ビニャーレスは無事にゴールラインを通過するミッションを遂行する。最終的にはトップから1.281秒差で2位を獲得した。

チームメイトのバレンティーノ・ロッシがグリッド2位からホールショットを奪うと、イタリアの熱狂的ファンがエア・ホーンを鳴らして大喜び。その後ホルヘ・ロレンソ、ビニャーレス、ドヴィツィオーゾがロッシに迫り、激しいトップバトルが始まると、世界中のVR46ファンの鼓動が頂点まで達した。4台は序盤で何度もポジションを入れ替える競り合いを繰り広げたあと、7ラップ目あたりからは徐々に順位が落ち着いてきた。

黄色いスモークに包まれたムジェロで、バレンティーノ・ロッシは8ラップにわたって3位をキープ。しかし14ラップ目でビニャーレスに並びかかったちょうどそのとき、ダニロ・・ペトルッチが襲い掛かり4位へ後退した。初めはポジション奪回を目指していたが、怪我の痛みもあり、冷静な判断で4位をキープし、そのままチェッカーを受けて、トップから3.685秒差で4位を獲得した。

Monster Yamaha Tech3 Teamのヨハン・ザルコが、グリッド11位からスタート後、ノンストップで攻め続けて7位を獲得した。この結果、総合ランキング6位、サテライト勢ではトップの座をキープしている。

ジョナス・フォルガーは、シーズン全戦ポイント獲得を目標に、終始バトルを展開する。スタートで出遅れて一時は21位まで後退したが、集中を切らすことなく着実にポジションを挽回して最終的には13位に上がってチェッカーを受けた。

マーベリック・ビニャーレスは2位獲得によって20ポイントを加算し、合計105ポイントに伸ばしてランキングトップをキープ。バレンティーノ・ロッシはビニャーレスから30ポイント差でランキング3位につけている。ふたりの活躍により合計180ポイントを獲得しているMovistar Yamaha MotoGPは、2位に44ポイント差をつけてランキングトップをキープ。コンストラクターズ・ランキングでもヤマハが、合計128ポイント、23ポイント差でトップに立っている。

MotoGPはこのあとスペインへ移動し、1週間後のカタルニアGPに臨む。

Movistar Yamaha MotoGP

マーベリック・ビニャーレス (2位)
「最後まで走り切ることが重要だったので2位獲得を心から喜んでいます。バレンティーノが遅れ、マルクも上位にいないのを確認し、“今日は2位の日、ポイント獲得が重要だ”と納得しました。金曜日の転倒があったので、今日はどうしても完走しなければならないと思っていました。高速からの激しいクラッシュで腕を傷めていたことを考えれば、今日のこの結果はとてもうれしいし、非常に幸運なことだと思います。決勝のなかでもマシンの挙動が大きくなったときには痛みがあったが、それ以外はずっと順調で、いつものように最後の5ラップの戦いに備えてベスト・リズムを整えていました。でもさっきも言ったように、今日は最後までマシンに乗っていることが最重要課題だったんです」

バレンティーノ・ロッシ (4位)
「今日はいつも以上に厳しいレースになることがわかっていました。マシンに乗っているときは痛みは感じなかったけれど、やはり困難があったし、今日の僕にとって23ラップは長すぎると思っていました。そのなかでもベストを尽くし、完璧なスタートからレースをリードし、何とかトップグループについて行こうと頑張ったけれども、やっぱり思い通りの走りはできず、ペトルッチにアタックするのは不可能でした。表彰台を逃してしまったのは残念だったけれど、数日前までの状況を考えれば十分に評価できる結果だと思います。ムジェロ・サーキットで大勢のファンの前で走ること自体が、僕にとってはとても大切な“ギフト”だったんです。もうすぐ次のカタルニアGPが始まるので、早くからだを治して完璧なコンディションでバルセロナへ向かいたいです」

マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)
「ウイークを通して決して楽な戦いではなかったが、昨日の予選で1-2を獲得したあとは自信を持つことができました。今日の決勝でもマーベリックとバレンティーノが序盤から上位グループに食い込み、ほぼ互角のペースを持つ4~5台と激しいトップ争いを展開しました。そのなかでマーベリックは、トップ追撃はリスクが高いと判断し、無理をして転倒するよりは、チャンピオンシップ・ポイントを持ち帰ることを選択しました。またバレンティーノのほうも、厳しい状況のなかで本当によく頑張ってくれました。体調面では限界ギリギリのところにいたのだから、4位獲得は素晴らしい結果です。しかも3位表彰台が目の前まで迫っており、実際にそのチャンスもありました。チームはこのあと直接、カタルニアへ移動し来週末の第7戦に備えます」

Monster Yamaha Tech3 Team

ヨハン・ザルコ (7位)
「いいレースができたし、最終結果にも満足しています。前回のル・マンでは好位置スタートのアドバンテージがありましたが、今日はグリッド11位と厳しい状況なかでもペースをキープし、リズムをしっかりコントロールすることができました。でもイアンノーネは加速でやや速く、ブレーキングも順調だったのでなかなか抜くことができませんでした。そして手間取る間にマルケスとバウティスタに離されてしまったんです。ようやくイアンノーネをパスしてふたりを追って行ったが、それまでの激しいプッシュで体力を消耗していたし、マシンを酷使してタイヤのグリップも落ちてきていました。しかも最後の5ラップは後続が差を詰めてきてますます厳しい状況になってしまったが、ここではマシンとタイヤのフィーリングが復活し、再びプッシュして7位をキープすることができました。ウイークを通じて難しい状況が続いていて、スライドを止めるための解決策を追求し続けてきました。そのようななかで7位を獲得できたのは良かったと思います。今回もまた多くを学び、持っているものをすべてつぎ込むことができたので、満足してムジェロを離れることができます」

ジョナス・フォルガー (13位)
「悔しさは隠せないけれど、全力で挽回を目指したことは間違いありません。序盤で手間取ってしまったことが最大の問題だが、これを解決、改善する方法がなかなか見つかりませんでした。普段はハイペースをキープすることができるのに、今回はスタートでペースが上がらず、その後もコンスタントな走りができませんでした。今日はこのように残念な結果になってしまったので、何とかここから抜け出して前進を目指していきたいです。速いスタートを身につけるために、これからデータを分析し、解決策を見つけなければなりません。チームとともに作業に取り組み、次のカタルニアでもベストを尽くします」

エルベ・ポンシャラル (チーム・マネジャー)
「本日のレースはまさにファンアスティックでした。観客たちは3つのレースを楽しみ、とくに最後のMotoGPでは、他のスポーツでは決して味わうことのできない感動的なショーを観戦しました。わがチームでもヨハンがよく頑張って好成績を獲得しました。もしかしたら、前回ル・マンの表彰台と比較して見劣りすると考える人たちもいるかもしれないが、チームとしては、むしろあれが特別過ぎたのだと承知しています。今回は非常に厳しいウイークだったにもかかわらず、彼はベストルーキーの座をキープし、イアンノーネやロレンソといったファクトリーライダーより上位にいます。スタートはいつもほど良くはなかったが、とても面白くてエキサイティングなパスを何度も見せ、こうして7位という結果をチームにもたらしてくれました。上位はみなとても速く、このコースでのドゥカティの強さも印象的だったが、おそらく他のサーキットではもっと接近したものになるでしょう。ヨハンは毎回、上位グループに入るようになってきて、そのなかで少しも気後れする様子がないところは本当に素晴らしいと思います。 ジョナスのほうは13位に留まり、少し残念な結果となりました。ヨハンと同等の速さを持っているが、決勝結果を見れば15秒の開きがあります。そしてそのすべてを最初の5ラップで失っています。スピードは十分にあるので、あとはメンタル面を強化することでスタートを改良していかなければなりません。チームの全員が彼を信頼し、常に支えています。これは非常に重要なことで、彼の能力には確かな自信があります。しかしそろそろ次のステップへ進むべきときが来ていると考えています。本当の能力を見せてほしいです。次の第7戦までは数日しかないが、すでに待ちきれない気持ちで、大好きなカタルニアでのレースを楽しみにしています」

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カテゴリー: F1 / MotoGP