MotoGP ホンダ マレーシアGP
2日連続で不安定な天候となったセパンは、午後になって激しい雨になり、MotoGPクラスの予選Q1が約1時間30分の間、中断した。その後、雨は上がりQ1が再開され、そのあとに行われたQ2もウエットコンディションでの走行となった。

今大会初のウエットコンディションになったことで、ライダーたちにとってはほぼぶっつけ本番の予選アタックとなった。

しかし、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が順調にタイムを短縮して2戦連続今季7度目のポールポジション(PP)を獲得した。史上最多PP記録を更新中のマルケスは、これで最高峰クラスで52度目、3クラス通算で80度目のPP獲得となった。

予選中には、4コーナーでスリップダウンしたが、ピットに戻り2号車でアタックを続けた。最終的に転倒前のタイムでPPを獲得したが、今大会もチャンピオンのマルケスの速さが際立つ大会となった。

前日のフリー走行では、フロントのフィーリングに苦戦したが、この日は、セットアップが進み、FP3、そしてFP4では快調にラップを重ね、FP3では2番手、FP4ではトップタイムをマーク。連続ラップでは、十分に優勝を狙える内容となった。

予選中にマルケスは、アンドレア・イアンノーネ(スズキ)の接近に気づかず、走行を妨害したということで、6グリッド降格のペナルティーを受けることになり3列目から決勝に挑む。

チームメートのダニ・ペドロサが、フリー走行で総合4番手につけてQ2進出を果たし10番手グリッドを獲得。ここ数戦の中では、まずまずの内容だが、表彰台争いに加わるにはまだ十分ではない。決勝日朝のウォームアップで最後の調整に挑む。セパンは、シーズンを通して得意とするサーキットの一つだけに、今季初表彰台に全力で挑む。

トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は18番手、チームメートのフランコ・モルビデリは19番手、前戦オーストラリアGPのケガで欠場のカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)の代役として出場のステファン・ブラドルが20番手、そして中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が22番手とウエットコンディションになり、思うような走りがなかった。しかし、決勝では4選手ともに後方からの追い上げに挑む。

マレーシアGPの決勝は、通常より1時間遅いタイムスケジュールで行われてきたが、午後になると強い雨が降ることが多く、今日もセッションが中断となった。そのため、明日の決勝はスケジュールを2時間早め、Moto3クラスは10時、Moto2クラスが11時20分、MotoGPクラスが13時にスタートが切られることになった。

マルク・マルケス(MotoGP ポールポジション<決勝は6グリッド降格>)
「僕の強いところの一つに、路面コンディションの急な変化に素早く対応できるところにあると思います。今日は正直簡単ではありませんでしたが、そのアドバンテージを使うことができました。今週末ウエットで走ったのは今回が初めてでした。そして転倒もしました。でもフィーリングはよかったです。最終的に3列目からのスタートとなりましたが、ポールポジションを獲得できたのはいい気分でした。最も重要なことはドライコンディションでのセットアップに関して大きく前進できたことです。そして戦闘的な走りができたことです。そして、ライディングスタイルを合わせることもできました。このおかげで、ドヴィツィオーゾやビニャーレスといった、ここで速いライダーたちに近づくことができました。あとは明日のコンディションがどうなるか様子を見たいと思います。そしていいスタートを切って、もし可能であれば表彰台争いができるようにがんばりたいと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 10番手)
「今日はドライで少し前進できましたが、優勝争いができるグループについていくには十分ではありませんでした。それからミディアムとソフトタイヤを使ってウエットを走りましたが、かなり苦戦しました。グリップを全くつかめませんでした。明日もグリッド後方からのスタートとなります。もちろんこれはいいことではありません。レースの時間が変わりましたが、どのようなコンディションになるか、スタートからなにができるか様子を見て考えたいと思います」

トーマス・ルティ(MotoGP 18番手)
「とても複雑な日でした。天気が大きく影響しました。そして転倒もありました。気温の変化でグリップレベルが常に変わり、ドライセッションでも楽ではありませんでした。明日レースが早い時間に行われるようになり、よかったです。なぜならその方がドライでレースできるチャンスが高いからです。その方が僕たちやファンにとってはとてもいいことだと思います」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 19番手)
「ドライではかなりいい感触があったのですが、ウエットは難しかったです。なぜならMotoGPのマシンで雨で走った経験があまりないからです。グリッドはかなりうしろですが、ここは幅が広く、高速のサーキットなので、いいスタートを切って、序盤で追い上げて速いグループに入れることを願っています。天気とレースがどうなるか様子を見たいと思います」

ステファン・ブラドル(MotoGP 20番手)
「残念ながら予選で雨が降りました。雨を走ったのは約6カ月前が最後でした。そのため、Q1の最初からあまり自信がありませんでした。スピードを見つけるのに時間がかかりすぎてしまいました。でもドライコンディションではここまでのところいい仕事ができています。午前中のFP3とFP4の最初でレースへ向けた仕事をしているときは、いい方向へ前進することができ、とてもポジティブでした。安定しており、速さもあります。トップ12かそのあたりにいました。残念ながら雨で難しい終わり方になってしまいましたが、明日が楽しみです」

中上貴晶(MotoGP 22番手)
「難しい予選になりました。MotoGPでのウエットの経験が少ないということもあり、前後ソフトで挑みました。しかし、路面の乾きが早く、ソフトではうまく走れませんでした。特にフロントは軟らか過ぎて、ブレーキングで安定性がなく、なす術がありませんでした。今日はミディアムを選択したライダーが多かったと思いますが、ミディアムはリスキーな選択だと感じていました。結果的にはミディアムがよかったことになりますが、今日はいい経験ができました。後方グリッドからのスタートになりますが、とにかく一つでも上を目指して全力で挑みます」

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カテゴリー: F1 / MotoGP