レッドブルF1 ワシェ体制に試練 マイアミGPアップデートがカギ
レッドブルF1の2026年シーズンは、開幕から深刻な低迷に直面している。その中心にあるのがRB22のパフォーマンス問題であり、特にシャシーに対する評価は厳しさを増している。

その影響はチーム内部の力学にも及び始めており、技術責任者ピエール・ワシェの立場にも明確な揺らぎが生じている。ドイツメディアの報道によって、状況は単なる不振ではなく「体制そのものの問題」に発展しつつあることが浮き彫りになった。

RB22の失速はシャシー起因が大半
シーズン序盤3戦で、レッドブルの最高成績は開幕戦メルボルンでの6位にとどまっている。これはこれまでの支配的なパフォーマンスを考えれば異例の結果だ。

チーム内部の分析によれば、トップとの差は約1秒。そのうち実に0.8秒がシャシー由来であり、パワーユニットによる差はわずか0.2秒に過ぎないとされる。この数値は、問題の本質が明確に車体設計側にあることを示している。

さらにRB22はドライバーからも厳しい評価を受けている。マックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャーの両者が「扱いにくい」と指摘しており、パフォーマンスだけでなくドライバビリティの面でも深刻な課題を抱えている。

ワシェへの信頼低下と内部不満
こうした状況の中で、技術部門トップであるピエール・ワシェへの風当たりは強まっている。

内部ではすでに信頼低下が指摘されており、「マシンはレーシングブルズより1秒速いと豪語していたが、現実はそうではない」といった声も出ているという。実際にはレーシングブルズのマシンは同等、あるいはそれ以上の安定性を持ち、扱いやすさの面で上回っているとされる。

さらに内部関係者は「レーシングブルズのマシンであれば、フェルスタッペンはもっと上位からスタートできる」とまで語っており、現行マシンへの評価の低さが際立つ。

レッドブル・レーシング

組織内の亀裂と開発体制の不安
技術的問題に加え、組織面での不安も無視できない。

2月中旬にチーフデザイナーのクレイグ・スキナーがチームを離脱したが、この背景にもワシェとの関係悪化があったとされる。主要技術者の離脱は、開発体制そのものに影響を与える重大な要素だ。

さらに鈴鹿で投入されたアップデートが改善どころかパフォーマンス悪化を招いたことも、状況を悪化させている。開発の方向性そのものに疑問が投げかけられている段階にある。

マイアミが分岐点となる可能性
こうした流れの中で、次戦マイアミGPが極めて重要な意味を持つことになりそうだ。

報道によれば、マイアミで投入予定のアップデートが再び失敗に終われば、ワシェの立場は決定的に危うくなる可能性があるという。すでに「結果次第では最後のレースになる」という見方も出ている。

レッドブルは近年、圧倒的な開発力と組織力で成功を築いてきた。しかし2026年の新レギュレーション下では、その優位性が揺らいでいる。

RB22の問題が単なる一時的な不調なのか、それとも設計思想レベルの誤りなのか。マイアミでのアップデートは、その答えを示す試金石となる。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング