MotoGP ホンダ アラゴンGP
MotoGP 第14戦 アラゴンGPの決勝レースは、レースウイークを通じて最も気温も路面温度も上がり、厳しいコンディションの中でスタートが切られた。その中で予選3番手につけたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、決勝に向けて調整してきたハードコンパウンドのリアタイヤのフィーリングが完ぺきでなかったことから、ウォームアップのあとでソフトを選択することを決断。チームとの間で長いミーティングを行い、チームも最終的にマルケスの判断を尊重、フロントにハード、リアにソフトを履いてレースに挑んだ。

結果的にそれが功を奏し、23周を通じて安定した走りが実現。中盤まではアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)をピタリとマーク。後半はスズキ勢の2人、アンドレア・イアンノーネとアレックス・リンスを加えた4台でトップグループを形成するが、終盤トップに立ったマルケスが後続の追撃を振りきり、今季6勝目を達成した。これにより、後半戦に入って連勝を続けてきたドゥカティ勢の連勝は「3」でストップ。総合2位で今大会2位のドヴィツィオーゾとの差を67点から72点へと広げ、マルケスはタイトル獲得まで、あと一歩に迫った。

大会3連覇、最高峰クラスで通算4回目の優勝を達成したマルケスは、サーキットに集まった大勢の地元ファンの声援を受け、満面の笑みを浮かべた。

チームメートのダニ・ペドロサも今季ベストタイの5位でフィニッシュした。トップグループを形成した4人には少し遅れを取ったが、後続の追撃を完全にシャットアウトするすばらしい走りを披露。2年連続の表彰台獲得は果たせずも、アラゴンGP最後のレースで好走を見せたペドロサには、ファンから大きな拍手が送られた。

予選13番手もグリッドペナルティーにより、19番グリッドから決勝に挑んだフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、すばらしい追い上げを見せて11位でフィニッシュした。今大会は初日から好調な走りを見せていたが、決勝でも厳しいグリッドからの追い上げに、ファンは大喜びだった。そのモルビデリと最後まで激しい戦いを展開した中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が12位。Moto2時代からのライバルに遅れを取り、悔しいレースとなったが、次戦からのアジアラウンドを迎えるにあたり、上り調子の走りで手応えをアピールした。

トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が17位でフィニッシュ。初ポイント獲得にあと一歩まで迫った。15位のカレル・アブラハム(ドゥカティ)とは2秒差と、着実に初ポイント獲得が視野に入っているだけに、次戦タイGPでの走りに期待される。

予選4番手から2戦連続表彰台の期待が寄せられたカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、スタート直後に転倒したホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)を回避するために8番手へとポジションを落とし、その遅れを取り戻そうとした5周目の1コーナーで転倒、リタイアとなった。

今大会を終えてマルケスは、次戦タイGPの結果次第ではタイトル王手となる。コンストラクターズタイトルでも、今大会の優勝でドゥカティとの差を28ポイントへと広げ、チームタイトルでもドゥカティとの差を29ポイントに広げた。

マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「今日はリスクを負ってもいいと思い、朝、目を覚ましました。レースウイーク中はハードのリアタイヤであまりフィーリングがよくなかったので、ウォームアップのあとにソフトタイヤを使いたいとチームに話しました。それから長いミーティングが始まり、話し合いが続きました。最終的にソフトで行くことにし、レースに勝つことができました。チームに対して、賭けに出ることを説得できたからです。結局、正しい選択でした。レースではいいスタートを切りましたが、そのあとすぐに汚れている路面で転倒しそうになりました。そのため、ブレーキを離して少しはらまなければなりませんでした。ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)が転倒していたことには最後まで気づきませんでした。とにかくアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)やアンドレア・イアンノーネ(スズキ)とのバトルはとてもタイトでした。たいへんなバトルでしたが、限界は超えませんでした。これがMotoGPです。今日はファンが楽しめるレースになったと思います。モーターランド・アラゴンは大好きなサーキットの一つですがプレッシャーは高く、毎日やることがたくさんあります。しかし、楽しく走ることができました。いいコースですが、難しいサーキットです。それでも集中力を維持して、チームとうまく仕事に取り組み、ついにドゥカティの勢いを止めることができました。午前中はDrakeの『In my feelings』を聞き、ウイニングランではこの曲のことを考えました。とにかく、今まで以上に落ち着き、レースウイークをうまく過ごさなければなりませんでした。なぜならタイトルを獲得したいからです。そのためには完全に集中しなければなりませんでした」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 5位)
「今日はほかのレースのときよりも戦闘的になれたと思います。そしてトップグループに近づけたと思います。残念ながら、今日のレースのカギはタイヤの選択だったと思います。自分のライディングもペースもよかったのですが、グリップがあまり高くなく、ハードリアタイヤがプラクティスのときと同じグリップを発揮できなかったのが残念でした。もしかしたら、今日の路面コンディションにはソフトの方がよかったかもしれません。毎周、コンマ数秒タイムを落としました。ほかのライダーにもついていけませんでした。それがなければ表彰台争いはもちろん、優勝も狙えたと思います。一歩一歩、少しずつ前進しています。次のレースではもっと速くなれるようにしたいです」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 11位)
「今日はいい仕事ができました。それと同時に、チームがレースウイークを通していい仕事をしてくれたことを証明できました。残念ながらグリッドペナルティーで19番手からのスタートになってしまいましたが、かなりのポジションをリカバーすることができて、11位を獲得できました。とてもうれしく思っています。チームのサポートがなければこの結果は出せませんでした」

中上貴晶(MotoGP 12位)
「ベストリザルトタイの12位でしたが、正直、内容がよくなかったのであまりうれしくありません。今日は前後ハードでいったのですが、フロントに問題があり、特に左コーナーのブレーキングで問題を抱え、ペースを上げられませんでした。そのタイミングでほかのライダーに前を抑えられ、なかなか抜けなくなりました。今日はトップ10を狙っていました。バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)に抜かれ、その後、マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)にも抜かれましたが、マーベリックの前でゴールできたんじゃないかと思います。悔しさの残るレースですが、予選ではソフトを使えるようになるなど、成果はありました。しかし、正直もったいないレースをしてしまったという気持ちです。ほかの選手のペナルティーで一つグリッドが上がって11番グリッドだったので、もう少し上のリザルトを残したかったです」

トーマス・ルティ(MotoGP 17位)
「ポイント獲得まであと少しだったので、それを逃してしまい残念です。スタートからリズムがとてもよく、ロレンソが転倒したときにインサイドにいたのはラッキーでした。レース中盤、タイヤに問題が出るまではいいペースがありました。残り4周では、リアホイールに少し振動がありました。レース序盤でタイヤをセーブする方法を見つけなければなりません。このような暑いコンディションのレースで多くのことを学びました。今後のレースに役立つと思います」

カル・クラッチロー(MotoGP リタイア)
「いいスタートを切ることができましたが、ホルヘが僕の前で転倒して、ポジションを9番手から10番手まで落としてしまいました。彼のせいではありません。あれはレースアクシデントの一つです。彼に当たってしまうと思ったので、止まらなければなりませんでした、そのあと追い上げましたが、ウォームアップの1コーナーで転んだマルクのような転倒をしてしまいました。ブレーキングで突然、グリップを失いました。レースではかなりいい感触がありました。自分のペースには満足しています。必要であればもっと速く走れると思いました。でも長いレースだということが分かっていたので、自分のポジションをしばらくキープしました。それから数周でアレイシやダニに追いつきました。転ばなければ、表彰台争いもできたかもしれません。でもドヴィやマルクの走りはすばらしく、スズキ勢も今日はいい走りをしていたので、厳しいレースになっていたかもしれません。でも転倒してしまったので、今は次のタイに気持ちを切り替えたいです」

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カテゴリー: MotoGP