MotoGP:ホンダ 2022年 第16戦 日本GP 予選レポート
MotoGP - アラゴンGPからの連戦となった第16戦日本GPは、前戦から7戦ぶりに復帰したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、2019年の日本GP以来3年ぶりのPPを獲得した。

台風の接近で終日ウエットコンディションになった2日目は、午後になって落雷を伴う激しい雨になり、MotoGPクラスは午後のFP3がキャンセルとなった。今大会は、金曜日、土曜日とそれぞれフリー走行が1回行われ、Q1とQ2が行われた。

マルク・マルケス復帰2戦目のPP獲得。ポル・エスパルガロは11番手から決勝に挑む
ドライコンディションとなった初日のフリー走行で6番手とまずまずのスタートを切ったマルク・マルケスは、台風の接近で終日ウエットコンディションとなったFP2でトップタイムをマークすると、その後に行われたQ2でも快調にラップを刻み、ホンダとしては昨年のイギリスGP(ポル・エスパルガロ)以来22戦ぶり、マルク・マルケスとしては2019年の日本GP以来、1071日ぶりのPP獲得となった。

2020年7月のスペインGPで右腕上腕を骨折、今年の6月に4回目の手術を行ったマルケスは、先週のアラゴンGPで3か月半ぶりに復帰したばかり。ドライコンディションでは、右腕のパワーが完全ではなく、本来のパフォーマンスを発揮するのはもう少し先のことになりそうだが、ウエットコンディションではRC213Vと自身のパフォーマンスを遺憾なく発揮することに成功。通算91回目のPP獲得を果たした。

MotoGPクラスは、厳しい車両規定の中で接戦が続いている。今大会もドライコンディションで行われたFP1では、トップから1秒差に19台。決勝日はドライコンディションが予想されるが、復帰2戦目でPPを獲得したマルク・マルケスの走りに大きな注目が集まっている。

チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は11番手だった。初日のフリー走行は、マルク・マルケスに続いて7番手とまずまずのスタートを切ったが、ウエットコンディションになったFP2では転倒を喫し19番手に。しかし、ドライコンディションのFP1で7番手につけていたことでQ2からの予選となり、11番グリッドを獲得した。今大会、ポル・エスパルガロはドライコンディションで好走を見せているだけに決勝は追い上げのレースが期待される。

MotoGPクラスにデビューして初めてモビリティリゾートもてぎを経験するアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、初日20番手と出遅れたが、ウエットコンディションとなったFP2では8番手と好走を見せた。しかし、ドライコンディションだったFP1の順位で総合20番手のアレックス・マルケスはQ1からの予選となり、17番グリッドを獲得した。午前中のFP2では、タイヤのパフォーマンスを十分に活かしてシングルにつけたが、午後のQ1ではリアのグリップに苦戦し、思うようなタイムを出せなかったた。しかし、コース攻略を果たしたことで、決勝では追い上げのレースに挑む。

ワイルドカードで出場の長島哲太(Team HRC)は、MotoGPマシンでは初めて経験するウエットコンディションの中で19番手だった。初めて経験するミシュランのウエットタイヤのフィーリングを確かめながら着実にタイムを上げていった長島は、FP2では22番手だったが、予選では19番手までポジションを上げることに成功した。決勝レースでは、さらに上のポジションを目指す。

初日12番手の中上貴晶は、午前中に行われたFP2で17番手。15台が出場したQ1では転倒を喫し15番手に終わり、25番グリッドが確定した。前戦アラゴンGPで右手の小指と薬指を負傷している中上は、Q2進出を目標に闘志をかき立てていたが、オープニングラップの最終コーナーで転倒した。再スタートを切った中上はピットに戻り、マシンを乗り換えて再度アタックしたが、思うようにタイムを伸ばすことができなかった。決勝日は、痛み止めを飲み、追い上げのレースに挑む。

マルク・マルケス(Repsol Honda Team)
「今日は最高でした。お祝いして楽しまなければなりません。ウエットコンディションでは速く走れると思っていました。それを最大限に活用することができました。Hondaのホームサーキットで、再びポールポジションを獲得してフロントローに戻ってくることができてうれしいです。Hondaは一生懸命に取り組んでくれています。それにふさわしい結果だと思います。もちろんまだ予選ですし、しかもウエットでした。でも、これまでの道のりを考えれば、このような小さな結果もとても重要です。明日はドライです。現実に戻ることになりますが、どのようなレースになっても序盤を楽しみたいです。HRCとRepsol Honda Teamのサポート、そして僕を信じてくれているすべての人に感謝したいと思います。僕たちは成功へ向かっています」

ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)
午前中は転倒するまでいいフィーリングがありました。ウエットは、コンディションが変わりやすくラインがとても狭いので、このようなことが起きたりします。いいラップと転倒は、ウエットコンディションでは紙一重です。それでも予選は速く走れると思っていました。しかし、午後は同じウエットでもコンディションが変わりすべてが変わりました。マシンのフィーリングも以前とは違いました。リアタイヤに問題があるかもしれないと思い、タイヤを交換しました。でも何も変わりませんでした。今回はかなりポテンシャルがあったので残念です。日曜日にどうなるか様子を見たいと思います。マルクとチーム全体にはおめでとうと言いたいです。彼はすばらしい仕事を達成しました

アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)
「モビリティリゾートもてぎで2日目を迎えました。今日はチャンスがありましたが、それをうまく活用できませんでした。午前中はいいペースがあり、いいフィーリングがあってかなりよかったです。そのあと、予選のディレイがあり、FP3がキャンセルとなり、そのままQ1とQ2へと進行しました。Q1では、最初からいいフィーリングがありませんでした。午前中と比べてもフィーリングは悪く、リアのグリップもなくて、うまくコントロールできませんでした。大きなチャンスだったので、悲しみと怒りがあります。でも明日はドライなので引き続きがんばらなければなりません。朝のウォームアップで最後の調整をして、レースでは最終ラップまでプッシュしなければなりません」

長島哲太(Team HRC)
「今日は初めてフルウエットでMotoGPマシンを走らせました。まず、ミシュランのレインタイヤの使い方を理解する必要があったし、ウエットでのMotoGPライダーたちのレベルを実感することができました。もっと上を目指したかったのですが、僕の経験やデータ収集を考えれば、19位という順位は悪くないと思います。僕の目標は、レースを完走してエンジニアに情報を提供し、マシンの開発を続けることです。いまはMotoGPを本当に楽しんでいます」

中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)
「今日は厳しい一日になりました。コンディションがとてもトリッキーで、MotoGPクラスはFP3がキャンセルとなり、予選Q1、Q2を行うことになりました。フリー走行で総合12番手だったのでQ1からの予選となりましたが、オープニングラップの最終コーナーでフロントから転倒したことで、タイムアタックのチャンスを逃してしまいました。その後、ピットに戻り、セカンドマシンに乗り換えて走行しましたが思うようにタイムを伸ばせず15番手でした。明日の決勝はいい日になることを願っています。ドライコンディションでいいスタートを切り、追い上げられることを願っています」

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カテゴリー: F1 / MotoGP