レッドブルF1 ホーナー失脚の舞台裏 R・シューマッハ「権力を得て変わった」
クリスチャン・ホーナーがレッドブルF1のトップから陥落したのは「自らの行動が招いた結果」──これはホーナーを以前から批判してきた元F1ドライバー、ラルフ・シューマッハの見解だ。

レッドブルのCEOがホーナーに解任を通告してから約1週間。英F1界の重鎮バーニー・エクレストンでさえ、ホーナーの女性スタッフとの不倫疑惑について「馬鹿げた振る舞いだった」と断じている。

シューマッハは、2022年末に共同創業者ディートリッヒ・マテシッツが死去したことで、ホーナーの行動に変化が表れたと指摘した。

「マテシッツの死で全てが変わった。ホーナーは突然、より大きな権力を持つようになり、以前とは違う振る舞いをするようになった。そこが問題だった」と独メディアformel1.deに語った。

「チームから注意がそれて、彼個人に注目が集まった。それによって、彼は本来の仕事を最適に行えなくなったんだ」

さらにシューマッハは、ホーナーが自身やSkyドイツのF1中継チームを“ブラックリスト入り”させた過去にも触れ、「彼は責任ある行動を取らなかった。事態が解決するまで休職し、その後戻るべきだった」と厳しく非難した。

こうしたホーナー体制の混乱は、レッドブル内部の人材流出という形でも表面化している。次なる喪失は、マックス・フェルスタッペン自身かもしれない。

2026年以降のメルセデスからのオファーが魅力的なものであることは明らかで、チームの主軸であるフェルスタッペンの離脱が現実味を帯びてきている。

一方で、元ハース代表のギュンター・シュタイナーはこう語る。

「誰もが“このマシンはマックスのために作られた”と言うけど、そんなことはない。マシンはマシン。乗りこなせるのはマックスだけだ」とBusiness of Sportに語った。

「人々はマックスの成功を正当化する理由を探しているが、彼が成功しているのは、ただ純粋に彼が飛び抜けて優れているからだ」

「他のドライバーがマックスのように走ろうとしてもできない。彼は突出した才能を持ち、他の誰よりも上だよ」

「彼は懸命に努力している。シミュレーターでも人一倍取り組むし、オフにはGTカーも走らせている。そんなことをするF1ドライバー、他にいるかい?」と讃えた。

レッドブルがホーナーの混乱から抜け出せず、フェルスタッペンまでもが去ったとき、チームは完全な再建を迫られることになる。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング