F1モナコGP 技術アップデートまとめ:各チームが市街地対策を強化

マクラーレンやアストンマーティンは新設計のリヤウイングやビームウイングを導入し、ドラッグ低減とダウンフォースのバランスを追求。フェラーリやウィリアムズは前年の構成を流用しつつも、操舵性能や冷却性の強化に焦点を当てた。一方でレッドブル・レーシングはブレーキダクトの改良も加え、安定性と制動力を重視する姿勢を見せている。
ステアリングロックを増やすフロントサスペンションの調整は、全チーム共通の改良ポイントであり、狭いヘアピンや複雑なシケインを攻略する上で不可欠な対応だ。各陣営のアップデートは、予選と決勝でのポジション争いに直結する要素として、週末を通じて注目されることになる。
マクラーレン
マクラーレンはモナコに多種多様なウイングを持ち込んでおり、ハイダウンフォース仕様に加えて、中高ダウンフォース仕様のリヤウイングおよびビームウイングも用意している。これらの構成は「ハイダウンフォース仕様に比べてドラッグを効率的に低減している」とされる。また、この狭い市街地コースに対応するため、フロントサスペンションとフロントコーナーにも変更が加えられている。

フェラーリ
フェラーリも他のチーム同様、モナコ向けにハイダウンフォースパッケージを投入。「上部および下部のリヤウイング主翼とフラップ形状により、より大きなダウンフォースを得ている」が、これらのエレメントは2024年仕様からの継続使用であるという。極端な操舵角が求められるこのコースに合わせ、フロントサスペンションにも変更が施されている。

レッドブル・レーシング
レッドブル・レーシングは、RB21にハイダウンフォース仕様のリヤウイングを装着。操舵範囲の拡大を目的としてフロントサスペンションに改良が加えられており、さらに新しいフロントブレーキダクトも導入され、冷却性能の向上が図られている。

アストンマーティン
アストンマーティンは、モナコに「表面積の大きいよりアグレッシブなリヤウイング」と「高負荷のフロントウイングフラップ」を投入。また、冷却性能の向上と局所的なダウンフォースの増加を狙って、リヤブレーキダクトにも変更が加えられている。

アルピーヌ
アルピーヌは、ハイダウンフォースパッケージとして「より高負荷なリヤウイング主翼を採用し、モナコ特有の特性に最適なラップタイムを実現」すると説明。また、それに合わせたビームウイング形状と、操舵角を大きく取れるようにするためのフロントサスペンションの変更も行われている。

ハース
ハースもモナコの曲がりくねったコース特性に合わせて、ハイダウンフォース仕様のリヤウイングとビームウイングを持ち込んでいる。加えて、他チーム同様、ステアリング角に対応するためフロントトラックロッドに「小規模な調整」が施されている。

レーシングブルズ
レーシングブルズは、より大きな操舵角を得るためのフロントサスペンションの変更に加えて、ハイダウンフォース仕様のリヤウイングと、2枚構成のハイダウンフォースリヤウイングを用意している。

ウィリアムズ
ウィリアムズのハイダウンフォース仕様リヤウイングは、2024年のモナコGPでも使用された構成と同じもの。これに合わせて2024年仕様のジオメトリを持つビームウイングと、小型のパイロンウイングがリヤウイング構成を補完している。冷却性能を高めるための大型フロントブレーキダクトとともに、操舵角を広げるためのフロントサスペンション変更も施されている。

キック・ザウバー
キック・ザウバーは、より大きなダウンフォースを得るためのハイダウンフォース仕様リヤウイング構成と、冷却性を向上させるためのサーキット特化型のフロントブレーキダクトを導入している。

カテゴリー: F1 / F1モナコGP