メルセデスF1 マックス・フェルスタッペン獲得に本社会長が“ゴーサイン”報道
メルセデスの会長兼CEOであるオラ・ケレニウスが、マックス・フェルスタッペンの獲得に向けて「グリーンライト(承認)」を出したと、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』が報じている。

同紙によれば、ケレニウスはレッドブルの4度の世界王者であるフェルスタッペンに対し、ブロックバスター級の移籍を成立させるための承認を出しており、契約解除に必要な違約金は約1億2000万ユーロ(約210億円)に上るという。

ただし、現行契約は2028年末まで残っており、フェルスタッペンの退団には「契約解除条項の発動」が必要になるが、それこそが最大の障壁とされている。

フェルスタッペンの契約には、レッドブルの成績に基づく解除条項が含まれており、一定条件を満たせば年末に契約を破棄できる可能性がある。発動条件については、「ハンガリーGP終了時点でドライバーズ選手権の3位圏外」もしくは「4位圏外」との2つの説があり、詳細は不明だ。

現在27歳のフェルスタッペンはランキング3位に位置しており、メルセデスのジョージ・ラッセルに18ポイント差をつけている。

ラッセルは今季末で契約満了となるが、好成績にもかかわらずメルセデスから延長のオファーは提示されておらず、これがフェルスタッペン獲得の観測を強めている。

『ガゼッタ』はさらに、仮に解除条項が満たされなかった場合でも、フェルスタッペンが「2026年からの移籍に向けて別の法的手段を探る可能性がある」としている。

マックス・フェルスタッペン F1 メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツチーム代表のトト・ヴォルフとメルセデスの会長兼CEOであるオラ・ケレニウス(写真右)

報道は過熱の一途をたどっており、先週、フェルスタッペンとメルセデスのトト・ヴォルフ代表がサルディニアに滞在していたことが追い打ちをかけている。

元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、両者が会談を行った可能性について次のように語っている。

「今週サルディニア沖には2隻のヨットが浮かんでいた。1隻はトト・ヴォルフのもので、もう1隻はマックス・フェルスタッペンのものだ。私の聞いたところでは、2人が一緒にコーヒーを飲んだ可能性は十分にある」

一方で、レッドブルがクリスチャン・ホーナーをチーム代表の座から解任した背景には、フェルスタッペンの残留を引き留める狙いがあるともされている。フェルスタッペンの父ヨスとホーナーとの確執は以前から公然の事実であり、この決断が“融和の布石”と見る向きもある。

レッドブルの体制変化、そしてメルセデス側の積極的なアプローチ──フェルスタッペンの去就を巡るドラマは、F1サマーブレイク前にさらなる展開を見せる可能性が高い。

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カテゴリー: F1 / メルセデスF1 / レッドブル・レーシング / マックス・フェルスタッペン