F1マレーシアGP:セパン・インターナショナル・サーキット 解説
2017年のF1世界選手権 第15戦 マレーシアグランプリが、9月29日(金)~10月1日(日)にマリーナ・ベイ・サーキットで行われる。
マレーシアとF1は、長年にわたって有益な関係を築いてきまた。クアラルンプール国際空港に近いセパン・インターナショナル・サーキットが建設された1999年から、毎年F1が行われている。
このサーキットは、今年のF1カレンダーの中でも10サーキットにおいてその設計を行ったヘルマン・ティルケ氏がはじめて手がけたもので、波打つような5.543kmのサーキットは、ドライバーにとって世界で最も刺激的なサーキットの一つとして認識されている。
高温多湿により、マレーシアGPはカレンダー中でも最高クラスの過酷さで知られる。レース中、コックピット内の最高温度は50℃以上にもなるため、ドライバーは勝利を目指しつつ、水分補給にも気を配る必要がある。また、チームはエンジンの温度にも常に目を見張っていなければならない。あまり知られていないが、マレーシアGPは310.408kmと、シーズン最長のレースでもある。
雨は、マレーシアGPにおいて常に番狂わせを起こす要因の一つ。マレーシアではこれから雨季に入るため、コンディションが急に変わる可能性がある。2009年には、快晴の下でレースが行われたが、途中で熱帯暴風雨により川が氾濫し、水がトラックにまで押し寄せたため、赤旗が提示されるというアクシデントがあった。
セパン・インターナショナル・サーキットにしかない独特の雰囲気は、多くの人に愛される理由の一つとなっている。20年前に植えられたヤシの木は今や成熟して大きくなり、グランドスタンド全体を覆うキャノピー(天蓋形のひさし)とともに、トラックにトロピカルな雰囲気を醸し出している。
このサーキットは、マレーシアの第4代首相であるマハティール・ビン・モハマド氏による広範囲にわたる都市計画の一部として建設された。このプロジェクト「ビジョン2020」は、2020年までにマレーシアを先進国にすることを目標として進められ、F1はマレーシアという国を世界に宣伝するための場として活用されてきた。
関連:2017 F1マレーシアGP テレビ放送時間&タイムスケジュール
カテゴリー: F1 / F1マレーシアGP
マレーシアとF1は、長年にわたって有益な関係を築いてきまた。クアラルンプール国際空港に近いセパン・インターナショナル・サーキットが建設された1999年から、毎年F1が行われている。
このサーキットは、今年のF1カレンダーの中でも10サーキットにおいてその設計を行ったヘルマン・ティルケ氏がはじめて手がけたもので、波打つような5.543kmのサーキットは、ドライバーにとって世界で最も刺激的なサーキットの一つとして認識されている。
高温多湿により、マレーシアGPはカレンダー中でも最高クラスの過酷さで知られる。レース中、コックピット内の最高温度は50℃以上にもなるため、ドライバーは勝利を目指しつつ、水分補給にも気を配る必要がある。また、チームはエンジンの温度にも常に目を見張っていなければならない。あまり知られていないが、マレーシアGPは310.408kmと、シーズン最長のレースでもある。
雨は、マレーシアGPにおいて常に番狂わせを起こす要因の一つ。マレーシアではこれから雨季に入るため、コンディションが急に変わる可能性がある。2009年には、快晴の下でレースが行われたが、途中で熱帯暴風雨により川が氾濫し、水がトラックにまで押し寄せたため、赤旗が提示されるというアクシデントがあった。
セパン・インターナショナル・サーキットにしかない独特の雰囲気は、多くの人に愛される理由の一つとなっている。20年前に植えられたヤシの木は今や成熟して大きくなり、グランドスタンド全体を覆うキャノピー(天蓋形のひさし)とともに、トラックにトロピカルな雰囲気を醸し出している。
このサーキットは、マレーシアの第4代首相であるマハティール・ビン・モハマド氏による広範囲にわたる都市計画の一部として建設された。このプロジェクト「ビジョン2020」は、2020年までにマレーシアを先進国にすることを目標として進められ、F1はマレーシアという国を世界に宣伝するための場として活用されてきた。
セパン・インターナショナル・サーキット
全長 | 5.543km ※カレンダー中8番目の長さ |
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2016ポールポジション | ルイス・ハミルトン 1分32秒850 |
2016ファステストラップ | ニコ・ロズベルグ 1分36秒424 |
ラップレコード | 1分34秒223 (ファン・パブロ・モントーヤ、2004年) |
エンジニアリング | 日中はアスファルトの温度が55℃にまで達するため、路面温度の高さが最大の課題の一つとなる。ラバーから余計な熱を放出することが難しく、リアタイヤの消耗が早い。また、チームはエンジンの冷却にも気を配る必要がある |
ドライビング | 高速コーナーが連続するセクター2において、いかにスピードに乗れるかがカギ。特に今年は、5、6、7、8コーナーにおいての高速バトルが予想される。どのドライバーがこのコーナーでアクセルを踏み続けているかに注目してほしい。ドライバーにとって最も厄介なのは最終の15コーナー。今年から適用された新レギュレーションにより、キャンバーが変更されているため、路面に再舗装が施された昨年のレースと比べて、さらに難易度が増している。このコーナーは頂上から下っていくレイアウトなので、マシンの向きを変えるのが難しく、パワーオーバーステアも起きやすい |
マシンセットアップ | ダウンフォースは中程度で、サスペンションは硬め。新しい路面は非常にスムーズで、オーストリアにあるレッドブル・リンクに似ている |
グリップレベル | アスファルトが新しく、路面へのグリップ力は非常に高い。レースが進むにつれ、より多くのゴムが路面に転がることでグリップ力はさらに高まる。そのため、マシンは鋭角に走ることができるので、広いコーナーではさまざまなライン取りが可能となる |
タイヤ | スーパーソフト(赤)、ソフト(黄)、ミディアム(白) ※この組み合わせは今季7回目 |
ターン1までの距離 | 660m(カレンダー中最長はバルセロナの730m) |
最長ストレート | 920m ※ターン15へ向かう直線(カレンダー中最長はバクーの2.1km) |
トップスピード | 時速330km(ターン15への進入時、カレンダー中最速はモンツァの360km) |
スロットル全開率 | 65% |
ブレーキ負荷 | 中程度。1周につきブレーキングするのは15% |
燃費 | 1周あたり1.79kgを消費。カレンダー中での平均 |
ERSの影響 | 中程度。ERSの利用個所はかなり多いが、8つのブレーキングポイントで回生が可能 |
ギアチェンジ | 57回/1ラップ、3192回/レース |
F1 マレーシアGP
周回数 | 56ラップ |
---|---|
スタート時間 | 現地時間15時(日本時間16時) |
グリッド | レーシングラインはスタートグリッドと同じく左。しかしほとんどのレースで夕方に雨が降るため、決勝前にグリッドが無効になることもある |
DRS | ゾーンは2つ。ターン1へ向かうストレートと、ターン15へ向かうストレート |
戦略 | 路面温度が高く、高速コーナーが連続するサーキットのため、ドライバーは通常よりもより多くのピットストップを与儀なくされる。昨年は3回もバーチャル・セーフティカーが出動した影響を受け、レースで勝利を挙げたダニエル・リカルドは2回、2位入賞を果たしたマックス・フェルスタッペンは3回のピットストップを行っている。ピレリはこのレースに向けてソフトタイヤを使用するため、より多くのピットストップを行うことが予想される。特に、10周目、25周目、40周目において多くのドライバーがピットストップを行う可能性が高い |
ピットレーン | 420m。1回のストップでのタイムロスは約22秒(シーズン最長はシルバーストンの457m) |
セーフティカー | 出動率は20%。セパンでは多くの事故やアクシデントが発生する傾向にあるが、コースが広いため、ほとんどの場合、マーシャルがすぐに救助のための車を出すことができる |
注目ポイント | レースが15時から開始されるため、レースの終了は夕方になることが多い。マレーシアではその時間は雨が降りやすいため、ウエットレースになるかに注目 |
見どころ | ドライバーにとって走りがいのあるコースレイアウトと、過酷な気候によるコンビネーション。セパンでは、速いマシン、そして優れたドライバーのみしか勝つことができない。マシンは大量のダウンフォースを作り出すとともに、極限の気候にも耐え続ける必要がある。また、ドライバーは50℃の中でマシンを操縦する必要があるため、強靭な精神力も欠かせない |
カテゴリー: F1 / F1マレーシアGP