キミ・ライコネン
ロータスのチーム代表エリック・ブーリエが、キミ・ライコネンの移籍、そして後任候補について語った。

エリック、ロータスはキミに印象的なF1復帰を果たすチャンス、そしてクルマを与えました。より多くのチャンスはありますが、彼は去ります。それでもあなたは『悪い感情はない』と言います。ですが、気持ちはいかがですか? 手をつけずにそのままにしておくことはできないでしょう。
落胆している。だが、憎しみはない。事実に対処しなければならないものだ。予想で生きていくことはできない。我々はキミをキープしたかったし、過去2年で作り上げた素晴らしいストーリーを続けたかった。だが、現実に対処しなければならない。そういうものだ。

ロータスは、入札合戦に引き入れられることは望みませんでしたね。入札合戦はあったのですか?
いいや、入札合戦はない。キミは保証を得ることを望んでいた。だが、ストーリーを広げてみよう。チームの戦略は、チームを確立させ、トップチームに返り咲くことだった。ジェニーは、それを達成する手段を我々に与えている。だが、次のレベルに進むためにはより多くの手段とリソースが必要だ。ジェニーがより多くの資金をもたらし、より大きなスポンサー・ポートフォリオにアクセスできるようにかなり長い間パートナーを探していたのは秘密ではない。我々はスポンサーを確保する必要がある。ステップアップするにはそれしか方法がないからね。F1は人材に大きく依存している。チームに最高の人々を惹きつけ、長期的に作り上げていくにはお金が必要だ。5年以内にチームを形成するのがジェニーのプランだった。我々はそれをやろうとしている。だが、次のステップに進むためには、さらに5年のプランが必要だ。それが我々は取り組んでいることだ。

チームを作り上げていく上でのひとつの基礎であるキミ・ライコネンが出て行くことはどれくらい痛手ですか?
我々のイメージ面にとって痛手だ。キミとロータスF1の組み合わせは、トラック内外で完璧にフィットしていた。黒いカラーリングまでね。キミには強烈な個性とキャラクターがある。彼はカリスマであり、日曜日に結果を出せる速いドライバーだ。だが、我々は1年計画で動いているわけではない。次の5年を見据えなければならない。おそらく、キミの離脱はそれほど重要にはならないだろう。

彼が去る理由をどう受け止めていますか? 彼はずっとロータスの環境が気に入っていると言っていました。もちろん、フェラーリも魅力的ですが、アロンソというプライスタグも存在します。
まぁ、彼への支払いが遅れていることは周知の事実であり、彼は狼狽していた。キャッシュフローの管理、我々が持っている現金自体や予算というわけではないあが、それはジェニーによって保証されている。(もしくは少なくとも我々にはジェニーから独立して生きる収益ストリームはない) そのキャッシュフローは固定費があるか、そして開発レベルを維持したいかどうかの問題だ。どこに資金を費やすかを決めなければならない。我々のプライオリティは、おそらくキミではないく、我々のサプライヤーとクルマを開発するキーパーソンだった。キミは昨年も似たような立場にあったが、年末までに全てが解決された。ジェニーには、今年も同じ計画があった。

あなたはキミのことをかなり良く知っています。赤いチームに行く魅力は難だったのでしょうか? 前回は特に素晴らしい別れ方ではありませんでした。
彼に尋ねるべきだ。私の推測では、彼は安心を望んだのだと思う。だが、リベンジの要素もあるだろう。彼はドアを示され、彼らは彼を呼び寄せた。だが、それは私の仮説にすぎない。

現在、あなたは後任を必要としています。さらに言えば、名前を必要としています。ロマン・グロージャンという才能はすでにいます...
そうだね、我々には名前が必要だ。来年名前を得ることができなければ、我々は長期的なプランに取り組み、有名になっていかなければならない。

シート候補についてはすでに2つの名前が広く報じられています。フェリペ・マッサとニコ・ヒュルケンベルグ。それぞれの良い点と悪い点は?
二人とも非常に速い。フェリペは、キャリアの序盤というよりも終盤にいる。マッサはほぼワールドチャンピオンだった。彼は半周でチャンピオンだった! 彼には多くの経験があり、それは非常に貴重だ。ヒュルケンベルグは、パドックで高く評価されている。特に来年は新しいエンジンとパワートレインが導入される。経験豊富なドライバーと働いて保守的に行きたいのか、もしくは若手に賭けるかの問題だ。

あなたはギャンブラーですか?
そうだね。だが、両方ともギャンブルだよ!(笑)

すでにレースに勝っているドライバーを起用することはどれくらい価値のあることですか?
レースウィナーに異なるレベルの信頼を抱いているのは事実だ。それはフェリペの有利な点だ。

ベルギーとイタリアでのキミの2つのあまり良くないレースは、彼の蹴ってが役割を果たしたと言えますか?
彼の決定がそこに影響しているとは思わない。我々のクルマがハイダウンフォース・トラックでよく、ローダウンフォース・トラックで最適なパッケージではないことはわかっている。キミは、いくつかのレースで苦労することを知っていた。

離脱について伝えられたのはいつですか?
フェラーリの発表の直前だ。コーヒーを飲みながらゆっくり話したわけではない。

2人目のドライバーの発表はいつになりますか?
急いではいない。現在、あらゆる可能性を評価しており、それぞれのオプションを我々の戦略と照らし合わせている。最も欲しがられている空席なので、我々には時間をかける余裕がある。

ドライバーがスポンサーを連れてくるかどうかは重要ですか?
それが我々に決定に及ぼす影響はゼロだ。お金ではなく、ドライバーとしての実力で選びたい。

空力責任者のダーク・デ・ベーアがマラネロに行き、ロータスは、ジェームズ・アリソン、キミの後、フェラーリに第3の人材を失いました。反対に、空力責任者のニコラス・エネルがやってきます。それは十分な補償ですか?
フェラーリと我々の違いは、我々は加入する者の名前を公表していないことだ。我々に加わる人物はひとりだけではない。

現在、ロータスの財政状況についてかなりの推測があります。チームは大きな負債を抱えているとの噂もあります。現実はどうですか?
他チームのいくつかを見てみよう。レッドブルやメルセデスには、チームを後援する企業がいる。ジェニーの戦略は異なる。彼らはお金を貸している。パートナーがチームに加わり、ジェニーが投資を取り戻すことがその戦略の一部だ。ロータスが抱えている負債の75%はジェニーから来ている。彼らがそのお金はスポンサーだと言えば、明日にもそれを帳消しにすることができる。そして、我々の負債は大幅に減る。我々の通常の負債は大部分の他チームと類似している。メルセデスを例に挙げれば、彼らがブラックリーの投資しているお金はローンだけだ。そして、チームの負債は我々のものよりもかなり高い。

チームは2014年の変化、新しい規約の賢い解釈を見つけ、成功することについてどれくらい心配していますか?
我々の収益ストリーム以上にコストがかかるので、アンバランスは増えるだろう。だが、適切なサポートがあれば、そしてジェニーにそれをカバーする手段があれば、前を見ることができる。もちろん、次のステップに進み、我々の収益ストリームを増やす誰かを引き入れることを計画している。

可能性のあるタイトルスポンサーと話をしていますか?
そうだ。それが現時点で言える全てだ。

キミの離脱はその交渉にどれくらい影響を及ぼしていますか?
1人の人間がチームに留まるかどうかに基づいたような戦略を計画することはできない。なので、まったく影響はない。

シンガポール前の2レースでのチームのパフォーマンスは素晴らしくはありませんでした。シーズン序盤の状態を取り戻すことはできますか?
事実、スパとモンツァ、シルバーストンとカナダは、我々にとって良いレースではなかった。だが、それはトラックのレイアウトによるものだ。先程も言ったが、ローダウンフォースは、我々のものではない。だが、今後、我々は再び好調になるはずだ。最終戦のブラジルまでのトラックは我々に適している。

今シーズンはほぼ間違いなくコンストラクターズ選手権4位で終えることになるでしょう。来年はどうですか?
グリッドの勢力図はシャッフルされるかもしれない。パワートレインのエネルギー管理の仕方がレース自体に多くの影響を及ぼすかもしれない。いくつかのエンジンパワートレインは予選でトップにいれるが、レースでは変わるかもしれない。エネルギー量は制限されるし、燃費も制限される。レースでそれらの要因をどう管理するかが競争力に影響を及ぼすだろう。

シャリーとエンジンの両方を構築するチームにはアドバンテージがあるでしょうか?
理論上ではそうだ。レッドブルと我々という2つのチームを重点を置くというルノーのコンセプトもありえると信じている。

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カテゴリー: F1 / ロータス