F1ラスベガスGP 決勝:マックス・フェルスタッペン優勝 角田裕毅は14位

3位にはメルセデスのジョージ・ラッセルが入った。ステアリングに問題を抱えながらも後続を抑え込み、後方17番手から驚異の追い上げを見せたアンドレア・キミ・アントネッリを振り切った。しかしアントネッリはスタート手順違反で5秒ペナルティとなり、最終結果は5位に後退した。
ピアストリは4位、被弾も巻き返しに成功/角田裕毅はピットレーンスタートから追い上げ
マクラーレンのオスカー・ピアストリは、オープニングラップの1コーナーでレーシングブルズのリアム・ローソンと接触し順位を落としたが、そこから着実に巻き返して4位フィニッシュ。ドライバーズランキングでは首位ノリスに30点差へと拡大した。
フェラーリのシャルル・ルクレールは6位。ウィリアムズのカルロス・サインツJr.が7位で続き、8位にアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)、9位にニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)、10位にルイス・ハミルトン(フェラーリ)が入った。ハミルトンは最後尾スタートからハードタイヤを活かしてポイント圏に食い込んだ。
ハースF1チーム勢はエステバン・オコンとオリバー・ベアマンが11位・12位。アストンマーティンのフェルナンド・アロンソが13位で続き、その後方に角田裕毅(レッドブル・レーシング)。角田裕毅はピットレーンスタートながら丁寧にレースを進め、14位でチェッカーを受けた。
アルピーヌのピエール・ガスリーは1周目の1コーナーでスピンを喫し15位。ローソンは2周目のダメージにより修復を強いられ16位となり、フランコ・コラピント(アルピーヌ)が17位で完走した。
一方、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)、ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)、ランス・ストロール(アストンマーティン)は接触やダメージによりリタイアとなった。

■ スタート:ノリスが姿勢を崩し、フェルスタッペンが主導権を握る
フォーメーションラップを終えたあと、ランド・ノリスがポールポジションに戻ってグリッドを整える。上位勢の大半はミディアムを装着し、キミ・アントネッリのみがソフトを選択。角田裕毅(レッドブル・レーシング)はパルクフェルメ違反の影響でピットレーンからのスタートとなり、こちらもミディアムでの序盤となった。
スタートシグナルが消灯すると、ノリスはマックス・フェルスタッペンの進路を塞ぎに行くが、ターン1の入り口でマシンの姿勢を乱しワイドへ。フェルスタッペンがその隙を突いて首位に躍り出る。さらにジョージ・ラッセル(メルセデス)が好機を逃さずノリスをパスし、2番手に浮上した。
中団では接触が相次ぎ、ランス・ストロール(アストンマーティン)とガブリエル・ボルトレト(ザウバー)が早々にリタイア。また、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)とリアム・ローソン(レーシングブルズ)の接触も確認され、スチュワードの調査対象になった。
2周終了時点の順位は、フェルスタッペン先頭、ラッセル、ノリス、カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)の順。アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)も好スタートを決め、ピアストリは7番手へ下がっていた。
■ VSCが導入される波乱の序盤:アントネッリに5秒、アルボンは接触の余波
3周目、デブリ回収のためVSCが発動され、ローソンは壊れたフロントウイング交換のため緊急ピットイン。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)とアントネッリも同じタイミングでピットに入る。
VSC明け、フェルスタッペンは1.4秒差でレースをコントロール。ハジャーはサインツJr.を射程圏にとらえ、後方ではピアストリとシャルル・ルクレール(フェラーリF1)が隊列を形成していた。
6周目にはルクレールがオリバー・ベアマン(ハースF1チーム)をかわして7番手へ。トップ争いはフェルスタッペンとラッセルが僅差で競り合い、ノリスは単独走行へ移行していく。
10周目、アントネッリはスタートの動作違反で5秒ペナルティが通知され、「どうして?!」と無線で驚きを示した。12周目にはルクレールが「アニマルのようにプッシュしている」と報告。13周目にはピアストリがグレイニングに苦しみ、ルクレールに先行を許す。
15周目、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)とルイス・ハミルトン(フェラーリF1)の接触が確認され、その影響で発生したデブリにより再びVSCに。16周目のリスタート後はフェルスタッペン、ラッセル、ノリスが再び前に出てレースを組み立てていく。
■ ピット戦略が動き出す中盤:アンダーカットが本格化
18周目、ラッセルがハードへ交換して最初の上位勢ピットイン。19周目にはノリスがファステストを記録し、フェルスタッペンとの差を詰めていく。
20周目、アルボンにジャンプスタートおよび接触の調査が入り、アントネッリの5秒罰が正式に適用。22周目、フェルスタッペンがペースを引き上げる中、ピアストリはハードへ交換し10番手で復帰した。
23周目、サインツJr.とノリスがハードに交換。ピアストリはサインツJr.の前で戻り、戦略的に優位な位置を確保した。
26周目、フェルスタッペンが3.0秒のピット作業でハードに履き替え、ラッセルの前でコース復帰。タイヤの暖気に苦しみながらもトップを維持した。
■ アントネッリの異次元ロングラン:ピアストリとルクレールを抑える粘り
29周目、フェルスタッペンはラッセルとの差を広げる一方、ノリスは2番手奪回を狙う。アントネッリは30周以上走ったハードでなお速さを維持し、「最後まで行く可能性」まで浮上。ジョリオン・パーマーも「見事な仕事だ」と称賛した。
32〜33周目に各車のピット戦略が整理され、フェルスタッペン→ラッセル→ノリスの順に。ノリスはDRS圏に入り、チームから「フェルスタッペンを追うためにもラッセルを抜け」と指示される。
35周目、ノリスがラッセルをスムーズにかわして2番手へ。ピアストリは苦しい展開となり、タイトル差が広がる懸念も生まれた。
38周目、アントネッリは依然としてピアストリを抑え込み、さらにルクレールも巻き込んだ三つ巴の攻防へ発展する。
■ 終盤:ノリスは燃料セーブ、ラッセルも迫る。勝負は最終盤へ
40周目、ノリスはフェルスタッペンとの差を縮めることができず5.5秒前後を維持。ピアストリはアントネッリの強烈な防御に阻まれ、前を追う余裕を失っていった。
43周目、ラッセルはステアリングの不調を訴えながらも自身の位置を守る。45周目にはアントネッリが寿命限界のハードでなお驚異的なペースを見せ、ポジションを譲らない。
48周目、ノリスには燃料セーブが指示されペースが急落。ラッセルは6秒差まで迫り、49周目には逆転の可能性も見えてくる。
最終50周目、アントネッリはカルロス・サインツJr.の5秒圏を死守し、驚異的なロングランを走り切った。
■ フェルスタッペンがラスベガスで独走勝利。ノリスはタイトル差30へ
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)はレース全体を通して安定したコントロールを見せ、ラスベガスGPで圧巻の勝利。選手権争いの可能性をかろうじて最終2戦へ持ち越した。2位ランド・ノリス(マクラーレン)は燃料セーブに追われながらも貴重なポイントを確保し、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)との差を30点に広げた。
3位ジョージ・ラッセル(メルセデス)、4位ピアストリ、5位アントネッリ、6位シャルル・ルクレール、7位カルロス・サインツJr.、8位アイザック・ハジャー、9位ニコ・ヒュルケンベルグ、10位ルイス・ハミルトンがトップ10を締めた。
レース後は、上位3台がテリー・クルーズの運転するピンクのレゴ・キャデラックでポディウムへ向かうという華やかな演出が披露され、ラスベガスらしい華やかな夜が締めくくられた。
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