ランド・ノリス F1ハンガリーGP予選「Q2ではすべて完璧だったのに…」
ランド・ノリス(マクラーレン)は、2025年F1第14戦ハンガリーGPの予選で3番手を獲得。チームメイトのオスカー・ピアストリとともにフロントロウ独占が期待されていたが、最終セッションでフェラーリのシャルル・ルクレールに逆転を許す展開となった。

セッション直後、パルクフェルメでのインタビューに応じたノリスは、「うーん……僕たちのこれまでの流れを考えると、もちろん1-2が欲しかった」と率直な胸中を語った。

「Q2では、すべてが完璧に機能していた。マシンの感触は最高だったし、走っていて気持ちよかった。だからこそ、Q3も同じようなラップを再現できると思っていた。でも実際には、そうはいかなかったんだ」と肩を落とした。

記者から「Q2で見せたようなアドバンテージが、Q3では急に消えたのはなぜか」と問われると、ノリスは「風の影響がかなり大きかったと思う」と答えている。

「Q3に入って、風向きが変わった。それが僕たちにとっては致命的だった。マシンのバランスが一気に変わって、特にラストセクターがすごく難しくなった。コンディションの変化にうまく対応できなかったのは事実だけど、僕自身の判断も完璧ではなかったと思う。もっと対応できたかもしれない」

「最初のアタックで出したタイムは1分15秒4台。決して悪くない。でも2周目で“これは良いラップになってる”と感じたのに、また15秒4だった。正直、がっかりしたよ」

Q3での失速に関しては、「Q2では本当に速さがあったし、周囲との差にも自信があった。でも、Q3になった瞬間にその差が完全に消えてしまった。風の影響を大きく受けたこともあるし、それによってバランスが崩れて、攻め方を変えざるを得なかった」と振り返った。

フェラーリのルクレールがポールを獲得したことについて問われると、「彼は最後のラップで素晴らしい走りを見せたと思う」と認めた。

「おそらくシャルルは僕らよりも少しリスクを取っていたんじゃないかな。彼は難しいコンディションでも攻めきった。それが今回の差になったんだと思う。僕らもいいラップをしたつもりだったけど、足りなかった」

ランド・ノリス マクラーレン ハンガリーグランプリマクラーレン1-2体制に“風”が冷や水を浴びせた

さらに、記者会見で「予選用ソフトタイヤは1周でピークを迎えるタイヤだが、Q3ではそれすら持たなかったようにも見えた」と聞かれると、ノリスは「その通りだ」とうなずいた。

「このサーキットはラップが長いし、コーナー数も多い。特に最後のセクターでタイヤのオーバーヒートが起きやすい。だから、1周を通して“まとめきる”のがすごく難しいんだ。Q2では完璧に近いラップができたけど、Q3ではコンディションが変わったことで、同じようにはいかなかった」

Q3での最大の問題点が何だったかを聞かれると、「気温の変化もあったかもしれないけど、僕にとっては風がすべてだった」と断言した。

「気温が10〜15度下がったと聞いたけど、それよりも風向きの変化が大きかった。コーナーの進入での安定性、ブレーキング、フロントの入り方──すべてが変わってしまったんだ」

そして、日曜の決勝に向けては「チャンピオンシップ争いのことも考えながら走ることになる」と明言した。

「明日は勝ちたいし、オスカーとの差も縮めたい。その両方を叶えるには前に出るしかない。ここは抜きにくいトラックだけど、スタートでポジションを上げられればチャンスはあると思っている」

「明日は雨が降るかもしれない。それがレースを面白くしてくれる可能性もある。こういう週末は、何が起きても不思議じゃないからね。いろいろな要素が絡むだろうけど、僕たちは十分に速いはずだ。シャルルが最大のライバルになるだろうけど、僕らの方がレースでは速いと信じている」

最後に、マシンのレースペースについても「これまでの数戦でも示してきたように、僕たちは決勝での強さに自信を持っている。今回はスタートポジションで少し遅れを取ったけど、それをカバーするだけの力はある。明日はチャンスを逃さず、全力で攻めたい」と力強く締めくくった。

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カテゴリー: F1 / ランド・ノリス / マクラーレンF1チーム / F1ハンガリーGP