アイザック・ハジャーが語るレッドブルF1昇格 「契約はゴールじゃない」
アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)は、2026年F1シーズンに向けてレーシングブルズからレッドブルへ昇格することが決まったが、その事実を「成果」とは捉えていない。21歳のフランス人ドライバーは、トップチームと契約したこと自体よりも、その場所で何を成し遂げられるかこそが重要だと強調した。

2025年シーズン、ハジャーはF1ルーキーとして印象的な一年を過ごし、オランダGPでの初表彰台を含む安定したパフォーマンスを披露した。

その結果、2026年からミルトンキーンズを拠点とするレッドブルへの昇格が決定したが、本人は冷静だ。

「残念だけど、契約書にサインすることは、僕が考える達成ではない」とハジャーは語る。

「レッドブルで期待に応え、仕事をやり遂げること。それができて初めて達成になる」

レッドブルの“メイン・チーム”への昇格は、多くの若手が壁にぶつかってきた関門でもある。2025年に共にレーシングブルズで戦ったリアム・ローソンや、シーズン序盤にチームメイトだった角田裕毅も、その難しさを経験してきた。

それでもハジャーは、自身が歩んできた道のりを否定するわけではない。レッドブルのジュニアプログラムを経てトップチームにたどり着くまでの過程は、「とても長く、とても厳しいものだった」と振り返る。

「昨年だけじゃなく、これまでの道のり全体が本当に長くて、難しかった。ずっと頭の中には、メイン・チームに入って、世界最高のドライバーとチームメイトになるという目標があった」

その“世界最高のドライバー”とは、もちろんマックス・フェルスタッペンだ。ハジャーは、レッドブルで新たな章を迎えるにあたり、フェルスタッペンと並んで戦えることを最大の魅力の一つに挙げている。

「正直に言うと、ワクワクしていることは二つある。一つは、世界チャンピオンチームに所属すること。子どもの頃にF1を見て育った僕は、レッドブルでベッテルが次々と勝っていく姿を見ていた」

「もう一つは、マックスとチームメイトになることだ。世界最高レベルと向き合うと、どんな感覚なのかを知りたい。それは間違いなく、とても刺激的なことだ」

フェルスタッペンについて、ハジャーはその“飢え”を特に印象的だと語る。

「4度も世界チャンピオンになっているのに、彼はいまだにものすごくハングリーで、うまくいかないと本気で悔しがる。常に勝ちたいと思っている」

「すべてのチャンピオンがそうなれるわけじゃない。あるレベルを超えると、少しペースを落としてしまう人もいる。でも彼は、まるで僕と同じスタート地点に立っているかのような姿勢で取り組んでいる。それが本当にすごいと思う」

アイザック・ハジャー レッドブル・レーシング

その実感は、時に非現実的で、時にごく当たり前に感じられるという。

「信じられない気持ちになる瞬間もあるし、すごく普通に感じる瞬間もある。だって、僕がやっていることはこれだけだから。走ることだ」

そして、達成とは考えていなくとも、この瞬間を家族と分かち合えることは特別だと付け加えた。

「僕だけじゃなく、両親にとっても素晴らしい瞬間だ。本当にうれしいよ」

一方で、2026年は大幅な技術規則変更が導入される年でもある。ハジャーは、その点についても過度な期待を抱いていない。

「正直、期待はまったくない。みんながゼロからのスタートになるからね。だから、やるべき仕事をやるだけだ」

「1月、2月にチームと一緒に働き始めて、人を知り、環境に慣れていくのを本当に楽しみにしている。少しでも前に出るためには、その時間がとても重要になる」

2026年シーズンに向けた最初の走行は、1月26日から30日にかけて行われるバルセロナでの非公開プレシーズンテストとなる。その後、2月11日から13日、さらに18日から20日にかけて、バーレーンで2回の3日間テストが予定されている。

レッドブルという最高峰の舞台で、ハジャーが「成果」と呼べる瞬間をつかめるかどうか。その真価が問われる一年が、いよいよ始まろうとしている。

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カテゴリー: F1 / アイザック・ハジャー / レッドブル・レーシング