小林可夢偉
小林可夢偉が、6位入賞を果たした開幕戦F1オーストラリアGPの週末を振り返った。

「おかげさまで開幕戦を6位で終えることができました」と小林可夢偉は自身の公式サイトでコメント。

金曜日、メルボルンには雨が降り、ドライでの走行は限られることになった。

「金曜日は両セッションともに雨で始まったので、ドライでの走行時間は少なかったんですが、意外と余裕もあって、予選と決勝に向けてクルマをちょっと変える必要はあったけど、バランス自体にそんなに大きい問題もない感触がありました。とにかく路面状況と走るタイミングさえあえばうまくいくだろうと思ってました」

今年、ピレリは新型タイヤを投入したが、多くのドライバーが温度管理に苦労していた。

「だから予選の間も、とにかく前がクリアな状況で送り出してほしいと何度もリクエストをしていました。今年のピレリタイヤは前後のタイヤをバランスよく温めるのが難しいし、とにかく一度冷えてしまうとグリップが戻ってこないんです。メルボルンはストップ&ゴーなので、フロントタイヤに熱を入れるのがかなり難しいから、けっこう自分のペースで飛ばしてアウトラップを走らないと、最初からフロントがグリップしてくれない。金曜日、土曜日と1コーナーで飛び出しているクルマが多いのはそのせいだと思います」

Q1はオプションタイヤでトップタイプを記録した小林可夢偉だが、Q2ではトラフィックによってタイヤを生かすことができず、13番手でセッションを終えた。

「Q1はクルマの感じもグリップも問題なかった。でもQ2の2回目に新品のソフトで出ていったときに隊列の中でコースインすることになって、タイヤのグリップを出せないまま終わってしまったのが残念でした」

「目の前でウェバーが飛び出したのはしょうがないと思います。実はウェバーを抜こうとちょっと頑張ったんですけど、彼も抜かせてくれませんでした。僕の後ろにベルニュがいたので、そんなにバックオフもできないし、ちょっとバックオフしたらウエーバーも間違いなくバックオフするという状況でした。だから彼も僕に譲ると今度は彼がはまってしまうというのは分かってたんだと思います。1分25秒台は問題なく出せたのでもったいなかったですね。ただクルマのポテンシャルは見えたし、とにかく次の予選ではこういった事がないように、エンジニアがうまいところで出してくれると願ってます」

迎えた決勝レース。1コーナーでのブルーノ・セナ(ウィリアムズ)のスピンを間一髪で避けた小林可夢偉だが、後ろにいたチームメイトのセルジオ・ペレスと接触し、リアウイングにダメージを負った。

「決勝レースは、スタート後の1コーナーでなんかあるやろうから、とにかく巻き込まれないようにと思ってました。スタート自体あまりよくなくて、1コーナーではロケットみたいにみんなが飛び込んできて、セナがスピンしてきた時はほんまに『ヤバいっ!!』って感じで、ギリギリで避けらたんですけど、後ろにいたセルジオ(ペレス)に追突されてリヤウイングが壊れてしまった。まあ、あの混乱のなかで、リヤウイングのダメージだけで済んだのは、まだラッキーだったと思います」

「でも、ミラーのなかでずっと翼端板がバタバタしているのが見えていて、最初はこれでDRS使ったりしてリヤウイング飛んでいかへんかなって怖かったですけど、なんとか最後までもってくれてよかったです」

「ただ、ダウンフォースが抜けてしまってブレーキングがまったくいつもどおりできなかった。だからレース中のペースも全然満足していません」

小林可夢偉が、2回目のピットストップに入ったタイミングで、ヴィタリー・ペトロフ(ロータス)がマシントラブルでホームストレートにマシンを止めたことでセーフティカーが導入された。

「2回目のピットストップをした直後にセーフティーカーが入ってしまったのもついてなかったですけど、セーフティカーランの間はずっと、ほんまにしつこいぐらいタイヤを温めていました。再スタート後、狙ったとおりライコネンを抜けたから、うまくいったと思います」

最終ラップ。小林可夢偉は9番手を走行していたが、6番手を走行していたパストール・マルドナド(ウィリアムズ)がクラッシュ。前の2台がバトルをしている間を縫って小林可夢偉は6位に浮上した。

「レースの終盤はみんながなんかやばい感じで走っていて、なにか起きそうな雰囲気がありました。そうしたら最終ラップにマルドナードがクラッシュして、その破片を避けようとセルジオがかなり慎重にスローダウンをして、それでみんなの車間が詰まったんですけど、ターン9からターン13にかけてセルジオとロズベルグやりあっていて、結局ターン13の手前でふたりが接触したんです。僕はKERSを残していたからそれも使って追いかけていて、そこでふたりを抜きました」

「運も不運もどちらもあったレースでしたけど、チームも頑張ってくれました。とにかく開幕戦で6位という結果を手にすることができて、チームも僕も最高のかたちで今シーズンのスタートが切れました」

「次のマレーシアでは、自分とチームの力を100%しっかり出し切れるように頑張ります」

関連:ザウバー:小林可夢偉が6位入賞! (F1オーストラリアGP)

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / F1オーストラリアGP / ザウバーF1チーム