アイザック・ハジャー レッドブルF1に心境「レーシングブルズとの別れは痛い」
アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)は、来季レッドブル・レーシングへの昇格が有力視されるなか、現在のチームへの深い愛着を明かした。

「もちろん僕の目標はレッドブルに行くことだ。それは隠せない。でも同時に、このチームを離れるのはとても痛いことだと思う。今、本当に楽しくやれているからね」とイタリア『Sky Sport』のインタビューで語っている。

今季のハジャーは、ザントフォールトでの3位表彰台をはじめ、数々の印象的な走りで評価を高めてきた。レッドブル首脳陣も彼を“次のフェルスタッペン後継者”として高く評価しており、2026年に向けて昇格の機運が高まっている。一方で、角田裕毅の去就はいまだ不透明で、ヘルムート・マルコの発言からもハジャーの昇格が決定的とみられている。

レーシングブルズはこれまでマックス・フェルスタッペンやセバスチャン・ベッテルを輩出してきた育成チームとして知られ、チームCEOのペーター・バイエルーも「来年までは手放してほしくない」と語るが、最終決定権はレッドブル側にある。

レッドブルの決定は最終戦後へ 「僕は慣れてる」
ハジャーはブラジルGPの木曜会見でも、レッドブル・グループの2026年ドライバー決定が最終戦後に持ち越されることについて冷静な姿勢を見せた。
「僕は慣れてる。キャリアの中で、シーズンが終わる前に契約が発表されたことは一度もない。いつも最後の最後まで全力で走るだけ。レッドブルではそれが普通のことだよ」と語り、動じる様子を見せなかった。

また、ルーキーシーズンを振り返り、「最初のレースが悲惨だったから、それを乗り越えてポイントを取れるようになったことが一番誇りに思える」と冷静に自己分析。さらに2026年の新レギュレーションについては、「今のマシンのままなら簡単だけど、新しい環境には誰もが苦労すると思う。でも今はF1という環境に慣れてきているから、1年前よりはずっと準備ができている」と語った。

アイザック・ハジャー レッドブル F1

ルーキー・オブ・ザ・イヤーの自覚
イタリアGP時点で、ハジャーは予選で一度もQ1敗退がなかった唯一のドライバーとして注目を集めていた。直近のアメリカGPではクラッシュによりQ1落ちを喫したが、「まだ腹が立っている。だからこそ今はとてもハングリーだ。早くまたクルマに乗りたい」と闘志を燃やす。

「今季のルーキーの中で自分が最も優れていると思うか」という質問に対しても、「そう思いたいけど、比較は難しいよ。キミ(アントネッリ)やガブリエル(ボルトレト)、オリー(ベアマン)とはクルマが違うからね。だから証拠はないけど、そう言いたい気持ちはある」と笑顔で答えた。

ハジャー昇格は“既定路線”、残る課題は精神面の熟成
ハジャーのコメントには、レッドブル昇格への確固たる意志と同時に、レーシングブルズへの深い愛情がにじむ。これはかつて角田裕毅がアルファタウリ時代に見せた忠誠心にも重なる姿だ。

現在のルーキー勢の中で、ハジャーは間違いなくトップクラスの速さを示しており、特に予選での安定感が光る。一方で、オースティンでのクラッシュのように、限界を攻め過ぎる場面も残る。精神的な成熟こそが、彼を“次のレッドブル正ドライバー”へ押し上げる最後の要素となりそうだ。

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カテゴリー: F1 / アイザック・ハジャー / レッドブル・レーシング / ビザ・キャッシュアップRB