インディカー・シリーズ 本田技研工業
2017年のインディカー・シリーズ第15戦が、アメリカ大陸のほぼ中央、イリノイ州とミズーリ州の州境で、イリノイ州側のマディソンという町にあるゲイトウェイ・モータースポーツパークで開催された。全長1.2マイルのオーバルコースは、ターン1~2、ターン3~4でコーナーの半径が異なるタマゴ型オーバル。

現在、ポイントランキング2位で5度目のタイトル獲得に意欲を燃やしているスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は、予選7番手からのスタートだったが、しぶとく、そして賢明な戦いぶりで2位までポジションを上げ、ゴールのチェッカーフラッグを受けた。

スタート直後にはポールポジションからスタートしたウィル・パワー(シボレー)がスピンし、その影響を受けてトップグループでアクシデントが発生した。インディ500ウイナーの佐藤琢磨(Andretti Autosport)は、予選6番手の好位置からポジションを保っていましたが、パワーのアクシデントを見てマシンのバランスを崩したエド・カーペンター(シボレー)が、後方から佐藤琢磨のマシンにヒットする形となり、2台そろってクラッシュ。佐藤琢磨のマシンはギアボックスに大きなダメージを受けており、早々とレースを終えることとなった。スコット・ディクソンはこの後のリスタートで5位に浮上し、そこからはトップグループを走り続けた。

多くのドライバーたちが最後のピットストップを行ったのが200周目だった。スコット・ディクソンもその一人で、コース復帰時には3位につけた。そして、248周のレースが残り30周となったとき、ディクソンのすぐ目の前でシモン・パジェノー(シボレー)とジョセフ・ニューガーデン(シボレー)が接触。ディクソンは外側にラインを外れたパジェノーをパスすることに成功した。この後、ペースを取り戻したパジェノーが何度となくディクソンへの攻撃を仕掛けたが、巧みなライン採りと全くミスのないドライビングによってディクソンは2位を死守し、ゴールラインを横切った。トップのニューガーデンとの差はわずか0.6秒ほどしかなかった。

優勝したニューガーデンとディクソンは、このレースをポイントランキング1-2番手で迎えていた。その2人がランキングと同じポジションでゴール。2017年シーズンは残すところ2戦となったが、2人のポイント差は31点となっている。

来週末はニューヨーク州ワトキンスグレンでのロードレース、その後1週間のインターバルを挟んで、9月の第3週にカリフォルニア州ソノマのロードコースで最終戦が開催される。ディクソンは昨年のワトキンスグレンで優勝し、同地でトータル4勝を挙げている。そして、ソノマでも3勝の実績を持っている。

ディクソンの後方では、アレクサンダー・ロッシ(Andrettei Autosport)がまたしても力強いパフォーマンスを見せて6位フィニッシュ。3位、6位、2位と3戦続けて上位フィニッシュを果たし、ポイントランキングを1つ上げて7番手となった。

チャーリー・キンボール(Chip Ganassi Racing)は最後の50ラップでの走りによって7位。ロードアメリカでの6位以来となる上位フィニッシュを果たした。そして、ジェームズ・ヒンチクリフ(Schmidt Peterson Motorsports)が8位に続いた。

インディ500の予選でのアクシデントによって負傷したセバスチャン・ブルデー(Dale Coyen Racing)は、レース復帰をここゲイトウェイで果たし、復帰初戦で10位と、見事トップ10フィニッシュを達成した。

スコット・ディクソン (2位)

「望める中でベストの結果を今日は獲得できたと思います。今日のレースが厳しいものになることは分かっていました。しかし、レースが始まってみると、私たちのマシンは非常にコンペティティブだと判明しました。ライバルたちよりも高いメカニカルグリップを実現することができていたようです。特に、それを各スティントの終盤に強く感じました。スティントの最後の方でライバルたちとの差を縮めることができていたのです。しかし、ドラフティングからサイドへと抜け出し、オーバーテイクを完成させるところまではなかなかいきませんでした。ジョセフ・ニューガーデンとシモン・パジェノーのバトルを後方から見ていましたが、それは大変エキサイティングでした。彼らは接近したままターン1へと飛び込みました。1つではなく、2つポジションアップができることを期待していました。いずれにせよ、今日のレースでもチームのクルーたちが本当にすばらしい仕事をしてくれていました。今回のレースは観客席が満員で、ファンの歓声もすごかったと思います」

アレクサンダー・ロッシ (6位)

「ハードなナイトレースでした。私たちのチームは奮闘し、チャンスをつかんで上位フィニッシュを達成したと思います。ライバルメーカーが強さを見せたレースで、私たちは望んでいた好結果を手にすることができました。あと1つか2つ上のポジションをつかむことも可能だったかもしれませんが、マシンをゴールまで無事に運べましたし、文句はありません。またトップ6フィニッシュができたことをうれしく思います」

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カテゴリー: F1 / インディカー