ホンダ セブリング12時間レース
2019年もACURAはIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの最高峰カテゴリーであるDPi(デイトナ・プロトタイプ・インターナショナル)に2台のアキュラARX-05をエントリーさせている。シーズン第2戦はセブリング12時間レース。開催地は開幕戦の行われたデイトナビーチから100マイルほど南、内陸のより温かなエリアとなる。空港を使ったコースでのレースは1952年から行われており、アメリカで最も長い歴史を誇っている。

平坦なコースだが高速コーナーが多く、路面がバンピーなこともあってマシンにもドライバーにも非常に過酷なレースとして知られ、数々のドラマティックなバトルが繰り広げられてきたことから人気も高いレースとなっている。

カーナンバー#7をつけるACURA ARX-05はエリオ・カストロネベス/リッキー・テイラー/アレクサンダー・ロッシの3人がドライブし、12時間の過酷なレースを戦い抜いて4位でフィニッシュした。レース序盤はマシンセッティングがコンディションに合っていなかっために苦戦し、驚くほどクリーンでフルコースコーションがほとんど出されずにハイペースでレースは進む中、テイラーのスピンと、緩んだシートベルトを締め直すためのピットストップで2周の遅れを取った。しかし、ピットストップで調整を続けてマシンが本来のスピードを取り戻すと、3人のドライバーたちはトップグループと同等のラップタイムで周回し、ばん回のチャンスを待ち続けた。その粘り強さは、レース終盤に重ねて出されたフルコースコーションによって報われ、カーナンバー#7はリードラップへと復活。2ラップの遅れを跳ね返し、4位でチェッカーフラッグを受けた。

もう1台のARX-05はデイン・キャメロンにより予選でポールポジションを獲得し、午前10時40分のスタートからペースカーの後ろでトップを走った。路面コンディションが向上して12周目にグリーンフラッグが振り下ろされると、その直後からキャメロンは電気系統に不具合からギアシフトがスムーズに行えず、苦しい戦いを余儀なくされた。ステアリングを交換しても問題は解決されず、さらに2回のピット作業を行って後退した彼らだったが、ファン・パブロ・モントーヤ/シモン・パジェノーと交代して戦い続け、9位でのゴールを果たした。

GTDクラスに出場する2台のACURA NSX GT3 EVOは、DPiのアキュラ勢とは逆に、終盤に続けて出されたフルコースコーションによって優勝のチャンスを逃した。キャサリン・レッグ/ビア・フィゲイレド/クリスティーナ・ニールセンの3人が乗るカーナンバー#57は、17台が出場するGTDクラスで、その大半がリードラップで走り続ける過酷なバトルを戦い、レースが終盤を迎えてからトップに浮上した。フィニッシュドライバーはNSXでの3シーズン目を迎えているレッグが担当。真っ暗になったコースでの彼女のスピードはすばらしいものだったが、最後のピットストップで5番手まで後退し、ゴールまで10分を切ってからのリスタートでは複数のマシンが接触し、コースオフを強いられたため、リカバーするもクラス8位でのゴールとなった。

予選でGTDクラスのポールポジションを獲得したトレント・ハインドマンは、決勝でもウエットコンディションで目覚ましい走りを披露し、90分間の走行で2番手以下に30秒近くの差をつけた。しかし、レース終盤のトップ争いの中でカーナンバー#86はピットで機材に接触したためにペナルティーを科せられ8番手まで後退。レッグと同様に最後のリスタート後のバトルでライバル勢と接触してコースを外れ、そこからばん回するも手にした結果はクラス7位だった。

リッキー・テイラー(総合4位 / DPiクラス4位)
「本当に、最終的には満足ができた戦いでした。2ラップの遅れをレース序盤の2時間で取りながら、そこからリードラップにばん回したのですから。チームとしてファンタスティックな戦いぶりをみせることができたと思います。絶対にあきらめない姿勢により、最後の最後でリードラップに戻ることができました。優勝を争うペースを実現できていなかったのは事実ですが、幾らかの幸運が味方をしてくれていたら表彰台に上ることはできていたでしょう。4位でゴールしたことで、チャンピオンを争うためのポイントを稼ぐことができたと考えています。この先のシーズンはスプリントレースが続きますから、全力でプッシュします」

トレント・ハインドマン(GTDクラス 7位)
「Meyer Shank Racing、Acura、そしてHPDに感謝します。私たちのマシンは本当にすばらしいハンドリングになっていました。暑いときも、ウエットコンディションでも、路面がドライになっても、気温が下がってからも、レースを通してそれは変わりませんでした。このような戦いが可能なチームで走れることを誇りに感じています。私は2人のチームメートたちから多くを学ぶこともできています。でも、最終的に今回は私たちの日になりませんでした。何度もトップに立ちましたし、先頭を走るマシンの走りは非常によいものでしたから、このまま戦い続ければ幸運が巡って来ると思います」

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カテゴリー: F1 / IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権