ニコ・ヒュルケンベルグ F1メキシコGPヘルメットを慈善オークションに出品
ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)は、困難なF1メキシコGPを“社会貢献の機会”へと変えた。レースで実際に使用したヘルメットをチャリティオークションに出品し、その収益を「ハーンエア財団(Hahnair Foundation)」を通じて、世界各地で貧困に苦しむ女性と子どもたちの支援に充てる。

この取り組みは、F1の歴史と人道的支援を融合させた特別なプロジェクトとして注目を集めている。

38歳のドイツ人ドライバーは、メキシコシティGPで好調な滑り出しを見せたものの、フォーメーションラップから発生したパワートラブルにより、わずか25周で無念のリタイアを強いられた。

「今日は本当に厳しい結果だった」とヒュルケンベルグはレース後に語った。「フォーメーションラップからパワーの問題が出ていて、実質的にレースが始まる前に終わってしまったようなものだった。チーム全員にとって悔しい結果だ。マシンには十分なペースがあったからね」

ハーンエア財団との協力を発表「意味のある取り組みを支援したい」
ヒュルケンベルグは続けて次のように語った。

「ハーンエア財団と協力できることをとても嬉しく思っている。この財団は、世界中の医療施設や社会的支援機関の発展に尽力してきた。今回の取り組みは非常に重要で意義のあるものだと思う。日曜のレース後、実際に使用したヘルメットをニコ・ゴルムセンと彼のチームに寄付することにした」

ヒュルケンベルグがメキシコGPで着用した特別デザインのヘルメットは、「ピエドラ・デル・ソル(太陽の石)」として知られるアステカの象徴「太陽の石暦」を金箔であしらったもの。メキシコの文化遺産と、彼自身の社会貢献への意思を重ね合わせたデザインとなっている。

オークションは2025年11月18日に「F1 Authentics」で開始予定で、開始価格は5,000ポンド(約95万円)に設定される。

ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバーF1チーム) ヘルメット

「F1の遺産を現実の支援に変える」財団と主催者のコメント
ハーンエア財団の共同創設者ニコ・ゴルムセンは次のように述べた。

「このコラボレーションが実現したことを誇りに思う。ニコ・ヒュルケンベルグは貴重な資産を提供してくれた。これにより、世界中で最も支援を必要とする人々に具体的なサポートを届けることができる。このヘルメットは、F1の歴史的遺産を現実の社会的貢献へと変える象徴になるだろう」

また、メメント・エクスクルーシブズの創設者バリー・ガフも次のように語った。

「ニコ・ヒュルケンベルグとのこのチャリティオークションに携われることを嬉しく思う。彼はファンからも愛され、2025年シーズンを通して印象的な活躍を見せてきた。この特別なヘルメットは大きな注目を集め、財団の活動に多大な支援をもたらすはずだ」

レースの挫折を“希望の象徴”へ
メキシコGPでは苦いリタイアとなったヒュルケンベルグだが、今回の取り組みにより、2025年のF1での挑戦は新たな意味を持つこととなった。

レースの挫折を「希望の象徴」へと変えた彼の行動は、F1ドライバーとしての責任を超え、人としての温かい一面を示している。

ヘルメットは単なる競技用具ではなく、いまや「困難な週末から生まれた希望の証」として、世界中の人々を支える一助となるだろう。

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カテゴリー: F1 / ニコ・ヒュルケンベルグ / ヘルメット / ザウバーF1チーム / F1メキシコGP