フェルスタッペンが今季9勝目。ペレスが3位で3戦連続のダブル表彰台
F1メキシコGPの決勝は、マックス・フェルスタッペンが独走劇を繰り広げて、今季9勝目。トップ4にホンダF1パワーユニット勢が3台入り、セルジオ・ペレスが母国での初表彰台登壇、ピエール・ガスリーが4位入賞を果たした。
フェルスタッペン、ペレス、ガスリーが3~5番グリッドに並んだスタートでは、見事な加速を見せたフェルスタッペンが2台のメルセデスを交わしてターン1で首位を奪う。
ペレスもルイス・ハミルトン(メルセデス)の後方3番手に浮上し、ガスリーはスピンしたバルテリ・ボッタス(メルセデス)を上手く交わして4番手に続いた。
一方、17番手スタートの角田裕毅は、コース上にストップしたボッタスのマシンを避けるために後方で起きた混乱に巻き込まれ、スピードを緩めたところエステバン・オコン(アルピーヌ)に接触される。これによってサスペンションにダメージを負い、残念ながらターン2で早々にリタイアとなった。
ここからコース上での順位の変動は見られなくなるが、目の離せない展開となった。フェルスタッペンは順調にリードを拡大していく中、ペレスは2番手を狙って前方のハミルトンにプレッシャーをかけていく。
ガスリーは、ホンダF1ワーユニット勢で最も早くピットイン。31周目にハードタイヤへと交換し、4番手の位置をキープしながら好ペースで安定した走りを見せる。フェルスタッペンは33周目にピットストップを行い、その前にピットインしていたハミルトンに対応。ハードタイヤに交換してペレスの後方でレースに戻ると、ハミルトンとの差を広げていく。
1ストップ戦略が主流となる中、戦略上の違いを作り出そうとしたペレスは、40周目にピットイン。周囲のマシンと同じくハードタイヤに交換し、ハミルトンの約9秒後方の3番手でレースに戻る。ペレスは、ここから好調なペースで追い上げるが、トラフィックや、路面温度の上昇によるグリップ減少などにより、オーバーテイクするまでには至らない。
チェッカーフラッグ時には、フェルスタッペンはハミルトンに16秒以上の差をつけて圧勝。ペレスは最後までハミルトンにプレッシャーをかけ続けたものの、1.1秒差の3位でフィニッシュし、自身初の3戦連続表彰台となった。この結果、フェルスタッペンはドライバーズチャンピオンシップのリードを19ポイントに拡大。コンストラクターズチャンピオンシップでも、レッドブル・レーシング・ホンダがメルセデスに対して1ポイント差に迫った。
ガスリーは、好調なペースを見せて4位でフィニッシュ。後続のフェラーリ2台に17秒以上の差をつけてのフィニッシュで12ポイントを獲得し、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダはコンストラクターズチャンピオンシップで5位を争うアルピーヌと同ポイントになった。
なお、フェルスタッペンのシーズン9勝目は、1988年に年間8勝を挙げたアイルトン・セナを抜き、ホンダF1エンジン/パワーユニットでの1シーズンでのドライバー最多勝記録を塗り替えた。
次回は1週間後の11月14日(日)に決勝が行われるブラジルGP。前回の2019年は1-2フィニッシュを果たした舞台で、今回もポイントを積み重ねられるよう、全力を尽くす。
田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
今日のメキシコGP決勝は、3番手からスタートしたレッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手が前の2台を押さえて1コーナーでトップに立ち、そのままレースをリードして優勝を果たしました。4番手からスタートしたペレス選手は、スタート直後の1コーナーで前車がスピンして3番手にポジションアップ。終盤はハミルトン選手を追い詰めたものの、残念ながらオーバーテイクには至りませんでしたが、母国GPで初表彰台の3位を獲得しました。3戦連続でレッドブルはダブル表彰台を獲得し、最終盤のチャンピオンシップの戦いに向けて、チームとしていい形になってきていると思います。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は、5番手スタートからポジションを上げ、レース中いいペースをキープして4位フィニッシュと、こちらもいい結果を残すことができました。週末の開始から力強い走りを見せていましたので、それをレース結果につなげてくれたことをうれしく思っています。角田選手についてはスタート直後の不運な接触によりリタイアとなりました。ここではガスリー選手とともに非常に速く、PU交換のペナルティーでスタートポジションが下がってしまいましたが、そこからの力強いレースを期待していただけに、残念でした。PUとしても高地での戦いということで、それに合わせたセットアップが必要となりますが、HRD SakuraとHRD UKでの事前テストやチームとのシミュレーションが非常によく機能して、PUの持てる力を十分に発揮できたと考えています。週末を通して力強い走りをしてくれたドライバー、ホンダの研究所、そしてチームのメンバーに感謝したいと思います。チャンピオンシップについても、ドライバーズチャンピオンシップでのリードを広げたことに加え、コンストラクターズチャンピオンシップでトップに1ポイント差まで詰め寄ることができ、今後に向けて大きな意味のあるレースになりました。来週は連戦でブラジルでのレースになります。次のレースでもいい結果を得られるよう、ここから万全の準備を進めていきます」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「今日はチームとファンにとって素晴らしい一日になりました。チェコ(ペレス)が母国での表彰台を獲得しましたし、これ以上ない結果だったと思います。スタートが大事だと分かっていましたが、3台が横に並ぶ状況で、僕が一番いい位置にいたので、ブレーキングを遅らせてリードをとることができました。そこからは自分の走りに集中し、いいペースで2位との差を広げられました。ピットインもスムーズで、レースを通してマシンの調子が良かったことがとても大きかったと思います。チェコはここ数戦調子がいいですし、今日はルイス(ハミルトン)に最後までプレッシャーをかけ続けていました。チャンピオンシップのことはまだ考えていません。またブラジルでプッシュしていけるよう、チャレンジを続けていきます」
セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「僕の母国にとって素晴らしい結果になりました。もう一歩上を目指しましたが、残念ながら届きませんでした。ターン1ではインシデントを避け、その後2番手浮上を目指したのですが、ここはオーバーテイクが難しいので、なかなかチャンスがありませんでした。ルイス(ハミルトン)にかなり近づきましたが、メルセデスは直線でのスピードが速く、捉える機会がありませんでした。ただ、全力は尽くしました。スタジアムセクションを通るたびにファンのエネルギーが感じられ、僕のためにどれだけの人が集まってくれたのかを考えました。フォロ・ソル(スタジアムセクションの元になった野球場のこと)を走るときには、皆さんの歓声が直接聞こえていました。もっと上位を目指してはいたものの、母国で表彰台に立ててとてもうれしかったですし、メキシコの皆さんも喜んでくれていると思います。僕らはとても負けず嫌いなドライバーなので、3位でフィニッシュして満足するわけにはいきませんが、今日は僕を応援してくれる人々がスタートから最後までずっといてくれて、本当に特別な瞬間になったので、それを楽しみました。今日の僕らは最速のチームだったと思いますが、この先のシーズンではまた展開が変わるはずです。しっかりと集中して、プッシュし続けなければなりません」
ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「とてもうれしいです。4位というのは最高の結果で、僕らにとってはこれ以上ないくらいのレースウイークになりました。後方にシャルル(ルクレール/フェラーリ)がいましたが、すべてをコントロールできて、彼を引き離すことができましたし、4番手でレース全体のマネージメントも上手くいきました。今週末はマシンがとてもよく、昨日の予選もいい結果でしたが、レースでもフェラーリ2台の前でフィニッシュできて、とてもいい気分です。これでアルピーヌとポイントで並びました。僕の個人的な計画では、チャンピオンシップで5位になることが、フランツ(トスト代表)やチームのみんなへの素敵なクリスマスプレゼントになると思っているので、そこに向けてプッシュし続けます。チーム一丸となって取り組めていますし、今後の数戦でもチャンスは見出せると思います」
角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「とても残念です。今回はマシンがずっとよかったので、簡単にはいかないにしてもポイント獲得のチャンスはあると思っていました。不運にも左右にいたマシンに挟まれてしまい、接触されましたが、レースでは起こり得ることです。全体的には、レースウイークが上手く進み、マシンパフォーマンスも力強かったので、レースを完走できなかったことが残念です」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1メキシコGP / スクーデリア・アルファタウリ
フェルスタッペン、ペレス、ガスリーが3~5番グリッドに並んだスタートでは、見事な加速を見せたフェルスタッペンが2台のメルセデスを交わしてターン1で首位を奪う。
ペレスもルイス・ハミルトン(メルセデス)の後方3番手に浮上し、ガスリーはスピンしたバルテリ・ボッタス(メルセデス)を上手く交わして4番手に続いた。
一方、17番手スタートの角田裕毅は、コース上にストップしたボッタスのマシンを避けるために後方で起きた混乱に巻き込まれ、スピードを緩めたところエステバン・オコン(アルピーヌ)に接触される。これによってサスペンションにダメージを負い、残念ながらターン2で早々にリタイアとなった。
ここからコース上での順位の変動は見られなくなるが、目の離せない展開となった。フェルスタッペンは順調にリードを拡大していく中、ペレスは2番手を狙って前方のハミルトンにプレッシャーをかけていく。
ガスリーは、ホンダF1ワーユニット勢で最も早くピットイン。31周目にハードタイヤへと交換し、4番手の位置をキープしながら好ペースで安定した走りを見せる。フェルスタッペンは33周目にピットストップを行い、その前にピットインしていたハミルトンに対応。ハードタイヤに交換してペレスの後方でレースに戻ると、ハミルトンとの差を広げていく。
1ストップ戦略が主流となる中、戦略上の違いを作り出そうとしたペレスは、40周目にピットイン。周囲のマシンと同じくハードタイヤに交換し、ハミルトンの約9秒後方の3番手でレースに戻る。ペレスは、ここから好調なペースで追い上げるが、トラフィックや、路面温度の上昇によるグリップ減少などにより、オーバーテイクするまでには至らない。
チェッカーフラッグ時には、フェルスタッペンはハミルトンに16秒以上の差をつけて圧勝。ペレスは最後までハミルトンにプレッシャーをかけ続けたものの、1.1秒差の3位でフィニッシュし、自身初の3戦連続表彰台となった。この結果、フェルスタッペンはドライバーズチャンピオンシップのリードを19ポイントに拡大。コンストラクターズチャンピオンシップでも、レッドブル・レーシング・ホンダがメルセデスに対して1ポイント差に迫った。
ガスリーは、好調なペースを見せて4位でフィニッシュ。後続のフェラーリ2台に17秒以上の差をつけてのフィニッシュで12ポイントを獲得し、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダはコンストラクターズチャンピオンシップで5位を争うアルピーヌと同ポイントになった。
なお、フェルスタッペンのシーズン9勝目は、1988年に年間8勝を挙げたアイルトン・セナを抜き、ホンダF1エンジン/パワーユニットでの1シーズンでのドライバー最多勝記録を塗り替えた。
次回は1週間後の11月14日(日)に決勝が行われるブラジルGP。前回の2019年は1-2フィニッシュを果たした舞台で、今回もポイントを積み重ねられるよう、全力を尽くす。
田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
今日のメキシコGP決勝は、3番手からスタートしたレッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手が前の2台を押さえて1コーナーでトップに立ち、そのままレースをリードして優勝を果たしました。4番手からスタートしたペレス選手は、スタート直後の1コーナーで前車がスピンして3番手にポジションアップ。終盤はハミルトン選手を追い詰めたものの、残念ながらオーバーテイクには至りませんでしたが、母国GPで初表彰台の3位を獲得しました。3戦連続でレッドブルはダブル表彰台を獲得し、最終盤のチャンピオンシップの戦いに向けて、チームとしていい形になってきていると思います。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は、5番手スタートからポジションを上げ、レース中いいペースをキープして4位フィニッシュと、こちらもいい結果を残すことができました。週末の開始から力強い走りを見せていましたので、それをレース結果につなげてくれたことをうれしく思っています。角田選手についてはスタート直後の不運な接触によりリタイアとなりました。ここではガスリー選手とともに非常に速く、PU交換のペナルティーでスタートポジションが下がってしまいましたが、そこからの力強いレースを期待していただけに、残念でした。PUとしても高地での戦いということで、それに合わせたセットアップが必要となりますが、HRD SakuraとHRD UKでの事前テストやチームとのシミュレーションが非常によく機能して、PUの持てる力を十分に発揮できたと考えています。週末を通して力強い走りをしてくれたドライバー、ホンダの研究所、そしてチームのメンバーに感謝したいと思います。チャンピオンシップについても、ドライバーズチャンピオンシップでのリードを広げたことに加え、コンストラクターズチャンピオンシップでトップに1ポイント差まで詰め寄ることができ、今後に向けて大きな意味のあるレースになりました。来週は連戦でブラジルでのレースになります。次のレースでもいい結果を得られるよう、ここから万全の準備を進めていきます」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「今日はチームとファンにとって素晴らしい一日になりました。チェコ(ペレス)が母国での表彰台を獲得しましたし、これ以上ない結果だったと思います。スタートが大事だと分かっていましたが、3台が横に並ぶ状況で、僕が一番いい位置にいたので、ブレーキングを遅らせてリードをとることができました。そこからは自分の走りに集中し、いいペースで2位との差を広げられました。ピットインもスムーズで、レースを通してマシンの調子が良かったことがとても大きかったと思います。チェコはここ数戦調子がいいですし、今日はルイス(ハミルトン)に最後までプレッシャーをかけ続けていました。チャンピオンシップのことはまだ考えていません。またブラジルでプッシュしていけるよう、チャレンジを続けていきます」
セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「僕の母国にとって素晴らしい結果になりました。もう一歩上を目指しましたが、残念ながら届きませんでした。ターン1ではインシデントを避け、その後2番手浮上を目指したのですが、ここはオーバーテイクが難しいので、なかなかチャンスがありませんでした。ルイス(ハミルトン)にかなり近づきましたが、メルセデスは直線でのスピードが速く、捉える機会がありませんでした。ただ、全力は尽くしました。スタジアムセクションを通るたびにファンのエネルギーが感じられ、僕のためにどれだけの人が集まってくれたのかを考えました。フォロ・ソル(スタジアムセクションの元になった野球場のこと)を走るときには、皆さんの歓声が直接聞こえていました。もっと上位を目指してはいたものの、母国で表彰台に立ててとてもうれしかったですし、メキシコの皆さんも喜んでくれていると思います。僕らはとても負けず嫌いなドライバーなので、3位でフィニッシュして満足するわけにはいきませんが、今日は僕を応援してくれる人々がスタートから最後までずっといてくれて、本当に特別な瞬間になったので、それを楽しみました。今日の僕らは最速のチームだったと思いますが、この先のシーズンではまた展開が変わるはずです。しっかりと集中して、プッシュし続けなければなりません」
ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「とてもうれしいです。4位というのは最高の結果で、僕らにとってはこれ以上ないくらいのレースウイークになりました。後方にシャルル(ルクレール/フェラーリ)がいましたが、すべてをコントロールできて、彼を引き離すことができましたし、4番手でレース全体のマネージメントも上手くいきました。今週末はマシンがとてもよく、昨日の予選もいい結果でしたが、レースでもフェラーリ2台の前でフィニッシュできて、とてもいい気分です。これでアルピーヌとポイントで並びました。僕の個人的な計画では、チャンピオンシップで5位になることが、フランツ(トスト代表)やチームのみんなへの素敵なクリスマスプレゼントになると思っているので、そこに向けてプッシュし続けます。チーム一丸となって取り組めていますし、今後の数戦でもチャンスは見出せると思います」
角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「とても残念です。今回はマシンがずっとよかったので、簡単にはいかないにしてもポイント獲得のチャンスはあると思っていました。不運にも左右にいたマシンに挟まれてしまい、接触されましたが、レースでは起こり得ることです。全体的には、レースウイークが上手く進み、マシンパフォーマンスも力強かったので、レースを完走できなかったことが残念です」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1メキシコGP / スクーデリア・アルファタウリ