ホンダF1:2021年 F1オーストリアGP 予選レポート
レッドブル・リンクで行われた第9戦F1オーストリアGPの予選は、レッドブル・レーシング・ホンダのマックス・フェルスタッペンがポールポジション(PP)を獲得。フランスGPから続く3連戦すべてでPPに立ち、ホンダとしては1991年以来の3戦連続PPとなった。

さらに、ホンダF1パワーユニット勢は4台全車がトップ7に入った。セルジオ・ペレスが3番手、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダも好調さを維持してピエール・ガスリー、角田裕毅が6番手と7番手に。明日は5連勝をかけてレースに挑む。

予選Q1では、フェルスタッペンがトップタイム、ペレスが8番手で通過を決めるが、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダはガスリーのアタック1回目がトラックリミット違反で取り消しとなるなど、やや苦戦。ガスリーは2度目のアタックで9番手に入り、角田裕毅も14番手で突破。8位のペレスから角田まではわずか0.134秒差と、非常に僅差の戦いになった。

Q2も激しい戦いとなりましたが、レッドブル・レーシング・ホンダはフェルスタッペン、ペレスともにミディアムタイヤで突破を決める。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダは両ドライバーがソフトタイヤで好走を見せ、ガスリーが4番手、角田が8番手でQ3へ進出。ホンダF1パワーユニット勢は2戦連続の全車トップ10入りを果たした。

Q3では、1度目のアタックでフェルスタッペンがトップタイムをマーク。2度目はタイム更新に至らなかったが、このタイムに及ぶドライバーはおらず、ポールポジションを獲得。ペレスは2度目のアタックでタイムを伸ばし、フェルスタッペンの後方となる3番グリッドとなった。

スクーデリア・アルファタウリ・ホンダも最終アタックで好タイムをマークし、ガスリーが6番手、角田が7番手に入る。ガスリーのタイムは4・5番手のメルセデス勢へ0.1秒未満の差に迫る好タイム。角田も自己ベストグリッドを更新する走りを見せた。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のオーストリアGP予選は、レッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手が素晴らしいパフォーマンスで3戦連続のポールポジションを獲得しました。チームメートのペレス選手も3番手と、明日のレースに向けて、レッドブル・レーシング・ホンダの2台が非常にいいグリッドを確保できました。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は今日も力強い走りで3戦連続の6番手、角田選手は自己最高となる7番手と、こちらも明日のレースに向けて非常にいい結果です。先週に続きレッドブルのホームサーキットでホンダ勢4台がQ3進出と、力強い予選結果を残すことができてよかったと思います。明日は一時的に天候が崩れる予報も出ています。いいポジションでスタートできるので、これをレース結果に繋げられるよう、天候の変化なども含めて色々な場面を想定した準備を行い、明日のレース本番に臨みます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「Q1とQ2の手ごたえはよかったのですが、Q3については素晴らしいラップを走れたと思っていないので、完全には満足していません。ここレッドブル・リンクでまたPPを獲れたことはもちろんうれしいですし、3戦連続というのもチームにとって素晴らしいものだと思います。ただ、僕はいつも完璧を目指しているので、今日はものすごくうれしいというわけではないですし、どこが上手くいかなかったのかをこれから分析していきます。ここまで、いつもこうやって成長してきました。僕らのマシンは力強く、チェコ(ペレス)も3番手にいるので、レースが本当に楽しみですし、一緒にプッシュして多くのポイントを持ち帰りたいです。今日のランド(ノリス/マクラーレン)のパフォーマンスは素晴らしかったですし、ここまでそれなりに近い場所を走ってはいましたが、明日のレースでのライバルになるとは思っていませんでした。ここ数レース、マシンとエンジンがパッケージとしてよく機能しているので、とてもうれしく思っており、明日に向けては自信があります。ただ、明日は先週よりもタイヤが柔らかく、マネージするのが難しくなります。また、なによりライバルは強力なので、僕らにとって簡単なレースなど一つもないと思っています。今日はグランドスタンドにオレンジ・アーミーが戻ってきてくれたことも本当に素晴らしいことです。ここまで(無観客のレースが続き)長い時間がかかりましたし、今日のような光景を見られたことを本当にうれしく思っています」

セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「オーストリアのホームコースでチームとしてとてもいい結果が出せて、うれしいです。マックスと僕はいいスタートポジションで、明日はともにいいスタートを決められればと思いますし、それが結果を左右するはずです。ここまでは大変なレースウイークでした。バランスの向上に多くの作業を強いられ、マシンの全領域を確認して1回の走行ごとに細かな調整を加えていました。ミディアムタイヤでスタートすることになりますが、レースは1ストップか2ストップか分かりません。十分なロングランをできたドライバーはいないので、判断は難しいです。今日は最終的にいいラップタイムが出せましたが、簡単ではありませんでした。明日は何が起きるか分かりませんが、僕らのマシンは予選よりもレースのほうがいいと思うので、チームへ多くのポイントを持ち帰れればと思います。最後に、とても素晴らしいラップを披露したランド(ノリス/マクラーレン)にもおめでとうと伝えたいです」

ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「毎週末、予選では同じようなポジションにつけていて、とても満足しています。6番手というのは僕らの力強いパフォーマンスを表しており、今日はいい一日になりました。今週末はマシンを快適には感じられていない部分があったので、予選ではどうなるか分かりませんでした。それだけに、いいパフォーマンスを出せたことがとてもうれしいです。明日はソフトタイヤを履くマシンの中では最上位でスタートすることになるので、間違いなく戦略がカギになります。マシンのペースがいいことは示せているので、自信はあります」

角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「今日のパフォーマンスにはとても満足していて、予選での自己ベストになりました。チームにはすごく感謝していて、先週のペースを維持して、最大限の成果を出せるように取り組んでくれました。最後のアタックは、スリップストリームを使っていなかったのに、なかなかいいタイムだったので、この点もうれしかったです。ここオーストリアで2回続けてレースがあることは、僕の学びという点でとても役に立っています。徐々に自信を深めていくことができていて、それが今日のパフォーマンスにも表れていると思います。大切なのは明日です。レース中のコンディションがどうなるかは分かりませんが、ポイント獲得のためにはタイヤマネージメントが重要になるので、その部分に注力していきます」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1オーストリアGP / スクーデリア・アルファタウリ