ホンダF1:2021年 第2戦 F1エミリア・ロマーニャGP 初日レポート
イタリアのイモラ・サーキットで開幕したエミリア・ロマーニャGPは、初日のフリー走行を終え、何度かの中断を挟みながらも、ホンダF1パワーユニット勢が両セッションでトップ3以内につけた。

レッドブル・レーシング・ホンダにとっては、両ドライバーとも走行時間が短くなり、厳しい一日となった。セルジオ・ペレスは、FP1でエステバン・オコン(アルピーヌ)との接触によって左リアタイヤがパンクし、ホイールにもダメージを受けたことでスピンを喫してストップした

このインシデントについてスチュワードによる審議が行われたが、接触時には全チームが通信障害によってドライバーとコミュニケーションを取ることができなかった状況が考慮され、両ドライバーとも不問に付された。

午後のFP2では、マックス・フェルスタッペンが2度目のアタックで全体ベストタイムのペースを刻んでいたところ、最終コーナーの縁石を越えたところでドライブシャフトの問題が発生。フェルスタッペンは、セッション開始10分ほどで走行終了を余儀なくされた。

この結果、フェルスタッペンは、FP1で首位を0.058秒差の3番手につけたものの、FP2では14番手に。ペレスはFP1で16番手、FP2で6番手となって一日を終えた。

スクーデリア・アルファタウリ・ホンダは、ピエール・ガスリーが好走を見せ、FP1で5番手に。角田裕毅はガレージでの作業時間が長引きいて20番手となったが、午後は両選手とも快調なペースを披露し、ガスリーがトップと0.078秒差の3番手、角田はペレスの直後の7番手につけた。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のエミリア・ロマーニャGP初日は、両チームにマシンを止めるトラブルが発生しましたが、トラブルフリーだったスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手がFP2で3番手、角田選手が7番手、レッドブル・レーシング・ホンダのペレス選手が6番手と、まずまずの状態で週末のレースに向けたスタートを切ることができました。FP1では角田選手のマシンの電気系データに気になる部分があったため、FP2に向けてPU・車体の確認と、関連する部品の交換を行いました。レッドブル・レーシング・ホンダはFP1でペレス選手が接触によりマシンを止め、FP2ではフェルスタッペン選手がドライブシャフトの異常により5周のみの走行となりました。トラブルはありましたが、2つのチームを通して本日得られたデータをここから解析し、明日の予選、日曜の決勝に向けてさらなるセッティングの最適化を進めます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「僕はイタリアが好きです。食べ物は美味しいですし、ここでの滞在は楽しいのですが、(昨年も合わせて)このサーキットでのドライビングについてはそれほど運がないようなので、この流れを変えられればと思います。FP2ではドライブシャフトに問題があって、マシンを止めざるを得ませんでした。ガレージにマシンを戻せる状況ではなかったので、再度走行することは厳しかったです。FP1でマシンの感触は問題なかったのですが、FP2はあの後走行を続けられていたらどのようになっていたかについて話すのは難しいです。ただ、データを確認して、バランス面で明日どうすればいいのかを考えることはできると思います。いいセッションになればもちろんよかったのですが、明日すべきことは分かっているので、FP2で走れなかったことをこの世の終わりのようには思っていません。自分たちの仕事に集中し、パッケージのベストを引き出していくべきです」

ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「今日はチームとしてはこれまでで最もよかった金曜日だと思います。FP1で4番手、FP2で3番手につけて、トップとも非常に僅差でした。最初のラップからマシンの感触はよく、かなりハードにプッシュできましたし、思うようにマシンをドライブできたので、とてもいい一日だったと言えると思います。最初はソフトタイヤでショートランに焦点を当て、ペースはよかったです。その後、燃料を多く積んだ走行でレースに向けた準備に取り組みました。中団でのライバルに対抗して向上できるように努力を継続していきますし、ここまではいいペースを見せられていると思います。今夜は、収集したデータを分析して、明日の予選ではもう一歩前進できればと思います」

セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「FP2で多くの周回を重ねて、前回までと異なるコースでマシンの感触を確認できたことはよかったです。バーレーンと比べて、コースコンディションはかなり違うので、そこでマシンの挙動がどうなるのかを確かめています。今日は1周するごとにチームとしても多くの学びがあり、さまざまな箇所での対処法が分かりました。レースペースは力強いと思いますし、マシンの感触もよかったです。これが明日の予選でも発揮できればと思います。午前のインシデントについては、無線が使えない状況だったので、ミスコミュニケーションがありました。タイミングが悪かったと思います」

角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「FP1では問題が発生したためにあまり多く走れず、プッシュできたのは4ラップだけでしたが、走行中のマシンの感触はよかったです。昼休み中にチームは問題を解決してくれたので、FP2ではペースを上げて、よりプッシュできるようになりました。明日の予選までのフリー走行で、さらに向上できればと思います。このサーキットは、シーズン前に走り込みましたが、今日のセッションでさらに得るものがありました。このコースでのタイヤマネージメントについて学び、特に、ソフトタイヤでの興味深いデータが多く収集できたので、ここから分析していきます」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1イタリアGP / スクーデリア・アルファタウリ