ホンダF1:2021年 F1プレシーズンテスト 3日目レポート&総括
2021年のF1公式プレシーズンテストが終了し、ホンダF1パワーユニット勢は3日間でのべ4000㎞以上を走破した。

最終日を迎えたバーレーンでのF1公式テストは、この日も充実の内容となり、レッドブル・レーシング・ホンダとスクーデリア・アルファタウリ・ホンダが1-2タイムを記録して3日間を締めくくった。

レッドブル・レーシングの午前セッションを担当したのはセルジオ・ペレス。異なるセットアップを試しながらマシンの挙動について理解を進め、49周を走行した。セッション終盤、この日一番気温の高い時間帯ではあったものの、1分30秒187のベストタイムをマークし、午前のセッションでのトップとなった。

スクーデリア・アルファタウリは、ピエール・ガスリーが午前に登場し、76周を走破。テストで重要となる走行距離を3日間で237周まで伸ばした。

今回のテストで最後のセッションとなった午後は、マックス・フェルスタッペンが走行。5種類中3番目に柔らかいコンパウンドであるC3タイヤで周回を重ねると、本番でのレース時間に近い日没後に、2番目に柔らかいC4タイヤでアタックを実施した。このC4タイヤでマークしたベストタイム1分28秒960は、3日間のテスト全体での最速タイムとなる。

同じく午後のセッションを担当した角田裕毅は、91周を走行して学びを深める一日となった。セッション終盤ではソフトタイヤを使用したアタックに臨み、一番柔らかいC5タイヤを使ったアタックで、首位のフェルスタッペンと0.093秒差の2番手タイムをマーク。順調な仕上がりを印象付けた。

テストではラップタイムに注目が集まりがちですが、チームが最も重視しているのは有用なデータをどれだけ収集できるか。この3日間でレッドブル・レーシングが369周、スクーデリア・アルファタウリが422周をマークし、ホンダF1パワーユニット勢合計では791周。4281kmを走行し、充実したテストとなった。

ホンダF1は、ここからは開幕戦バーレーンGPまでの2週間を使い、テストで得た内容を分析した上で、レースに向けた準備を進めていく。シーズン初戦は、3月26日(金)に開幕し、28日(日)に決勝レースが行われる。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「バーレーン・インターナショナル・サーキットで開催された2021年のプレシーズンテストが終了しました。3日間で、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダが422周、レッドブル・レーシング・ホンダが369周で、ホンダのPUを搭載した2チームのマシンは合計791周・4281kmを走行。開幕戦に向けて走行距離を伸ばせたのみでなく、中身の濃い貴重なデータを収集することができました。この3日間の中でPUに関するマイナーな問題も散見されたものの、レース本番を前に、問題を見つけることもテストの目的です。ここまで、マシンを止めるような大きなトラブルなく2チームともに走り、予定通りにプログラムを消化することができた、充実のテストとなりました。今回のテストで得たデータを解析するとともに、問題点を潰し込むために、まだまだエンジニア、メカニックは忙しい時間が続きます。我々の実力が見えるのは2週間後の予選とレースを終えてからになると思いますが、ここからの準備も最善を尽くして臨みたいと思います」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)
「今日もすべてのプログラムをこなすことができて、いい一日になった。1日目とは少し異なるコンディションだったので、マシンを調整する必要があったけど、スムーズにいった。いいテストができたと言えるけど、各チームが異なるプログラムに取り組んでいましたし、これで結果が保証されるわけではない。僕たちは常に向上できる点がないか探していて、まだ課題も抱えてはいるけど、それは全チームが同じはずです。2週間後のQ3で真の実力が分かるわけだけど、全体的にマシンの感触はよかったので、レースをするのが楽しみだ」

セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング)
「プレシーズンテストが始まったばかりのように感じていたので、これで終わりというのは不思議な気分だ。走行機会はかなり限られていたけど、その中で多くのセットアップを試せて、マシンに乗るたびに向上できたと思う。シーズンに向けてとてもエキサイティングな気持ちだし、僕たちにはいいマシンがあると思うけど、その実力を最大限に発揮すべく、まだ多くを学ばなければならない。チームは素晴らしい仕事をしてくれた。バーレーンで開幕時のポジションは大きな問題でなく、シーズン最終戦のアブダビで僕らの立ち位置がどうなっているかが重要だ。レースウイークが楽しみだけど、序盤は、粘り強く一歩ずつ進んでいかなければならない。そうすれば、道は開けるはずだ」

ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ)
「3日間のテストが終わり、レースが始まるのが待ちきれない。予定していたテストスケジュールをすべて完了し、かなり理解が進んだ。レースに向けた準備をしながら、マシンの強みを理解し、向上できる部分も分かった。マシンには自信があるし、昨年の同じ時期よりもかなりいい位置にいると思う。どの部分で速さがあるかも分かっており、さらにマシンを機能させるためにどうすればよいかも理解できた。今季をしっかりと戦い抜き、多くのポイントを獲得できればと思う。ホンダはここまで、素晴らしい仕事でパワーユニットを仕上げてくれた。それがとてもうれしいし、昨年に比べても強さが増し、3日間の信頼性も完璧だったので、とてもポジティブだ。僕らが実際にどの立ち位置にいるかを見られるので、バーレーンGPでの予選が楽しみだ」

角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ)
「F1マシンで全開アタックをして2番手に入るというのは、最高の気分です。もちろん、まだテストに過ぎないので先走ってはいけませんが、この位置で3日間を締めくくれるというのは素晴らしいことです。この数日で非常に多くを学びましたし、チームも多くの有用なデータを収集できましたので、開幕に向けてしっかりと分析していきます。このテストでかなりの周回を走り込んでコースをよく理解できているので、ここで開幕戦を迎えられることはとてもいいことだと思います。いくつか小さな問題はありましたが、僕らはすべてを明らかにするためにテストをしているわけで、こうしたことも想定内です。レース本番では、現状でベストのパッケージを用意できるはずです。ここから2週間ハードワークを継続していきます。今から開幕戦にワクワクしています!」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / スクーデリア・アルファタウリ