ホンダF1首脳 「トップの背中が見えたタイミングでの撤退は悔しい想い」
ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史が、2021年シーズン限りでF1から撤退するというホンダの決定について改めて語った。

今年10月、ホンダは2021年シーズン限りでF1から撤退することを発表。2050年のカーボンニュートラルの実現を目標に掲げ、F1に投入していたリソースを集中させるとした。F1活動の『終了』という言葉を使用して「再参戦は考えていない」とした。

今年、ホンダのF1エンジンは3勝を挙げた。レッドブル・レーシングにマックス・フェルスタッペンは2勝を挙げ、合計11回の表彰台を獲得。ホンダドライバーとしては1988年のプロスト選手の14回、1991年のセナ選手の12回に次ぐ歴代3位タイの記録になる。ホンダF1としては2004年以来のコンストラクター2位を獲得した。

それだけにF1プロジェクトを終了することは言葉にできないくらい悔しいと山本雅史は語る。

「私はマネージングディレクターとして、サーキットでのレース運営や2つのチームとのコミュニケーションに携わるとともに、日本の本社サイドでも経営メンバーと直接話をする立場にあります。サーキットや研究所からF1を戦うメンバーの一人としては、レッドブル・アルファタウリと手を携えて一歩一歩前進を果たしてきて、ようやくトップの背中が見えたタイミングでプロジェクトをやめなければいけないことは、言葉にできないくらい悔しい想いです」と山本雅史は語る。

「ここまで地道な努力を重ねてきたSakuraやミルトンキーンズのメンバー、我々を信頼してパートナーシップを組み、今や素晴らしいパートナーになっている2つのチーム、そしてどんなときでもホンダを信じて熱い声援をくださるファンのことを想うと、本当に申し訳ないという言葉しか出てきません」

「一方で、自動車業界が大きな変革期にある中で、ホンダが企業として新たな一歩を踏み出さなくてはいけないタイミングにあることも事実です。今回の決定は、我々が持つ限られたリソースの中で、どうしたら優秀なエンジニアたちをホンダの未来のために有効活用できるのか、考え抜いた末での結論です」

「もちろん、ホンダにとって『レース』や『挑戦』がどれだけ大切なものであるかは、この会社で働いている人なら身に染みて理解している部分です。それだけに、今回の決定は誰にとっても非常に苦しいものだったと思っています。そのうえでも、我々が企業として前進するために必要な決断だったとご理解いただければ幸いです。

「一方で、どれだけ説明を尽くしても、皆さんをがっかりさせてしまったという事実は変わりません。せめて残された期間で最大限、皆さんを喜ばせられればと、今はそのように感じています」

「改めて、ホンダにとってF1は大切な企業文化であり、創業者の夢でもあります。だからこそ、ここまで様々なアップダウンがあった中でも、我々の目標であるチャンピオンを獲得するために挑戦を続けてきました。困難に打ち克つために挑戦をしていくのがホンダですし、実際にF1を通してここまでその姿勢を見せてこられたと考えています」

「来年いっぱいでその挑戦をやめなくてはならないことは本当に残念ではありますが、前向きにとらえれば、まだ我々にはチャレンジできる期間が1年間残っているとも言えます。今年目の当たりにしてきたように、ライバルの壁は非常に高いですが、彼らに打ち勝ってチャンピオンをとるために、HRD-Sakuraやチームのファクトリーでは今も休む間もなく開発が続けられています。私はホンダが持つ底力を信じていますし、レッドブルとアルファタウリも来年に懸ける想いは強く持ってくれていると感じています」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル