ホンダF1、2022年以降のF1継続はエンジン開発の凍結が鍵?
ホンダF1は、新しいレギュレーションが導入される2021年もレッドブルおよびトロロッソにF1エンジンを供給することが決定したが、それ以降についてはまだ協議中となっている。

ホンダF1のレッドブルおよびトロロッソとのF1エンジン供給契約は2020年が期限となっており、F1撤退もささやかれるなど将来が不透明な状況となっていたが、11月27日(水)に契約延長が発表され、ひとまず2021年はF1活動を継続することが決定した。

2021年からはF1チーム予算にはバジェットキャップと呼ばれる上限値が設けられ、大規模チームといえどもこれまでのように巨額の予算を投入することはできなくなる。リバティメディアとFIAは予算上限を導入してコストの抑制に取り組んでいるが、エンジンレギュレーションは同じままであり、エンジンメーカーには予算上限は適用されない。

しかし、契約は1年延長されたのみで、2022年以降についてはまだ決定は下されていない。ホンダは今期、減収減益の見通しとなっており、決して経営状況に余裕があるわけではない。

ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史は「もちろん、良い結果はF1プログラムを継続するための助けになります。ですが、投資と結果のバランスが適切である必要もあります」と述べており、コストがF1活動の最大の問題であることを明らかにしている。

「トップに立つのは簡単なことではありません。そして、我々は財政的に健全な方法でそれを達成する必要があります」

だが、ヘルムート・マルコは、すでにホンダと2022年以降のF1エンジン供給契約延長についての話し合いが進行中であると語る。

「我々はすでにホンダと2022年と2023年のさらなる協力関係について話し合っている」とヘルムート・マルコはコメント。

「それはコスト削減に大きく依存しているが、FIAも今ではそれを認識し始めている。FIAは2021年以降にエンジン開発を凍結する意向を表明している。そうなれば、開発はほぼ停滞し、コストも劇的に削減できるはずだ」

ヘルムート・マルコは、このエンジンのコストについての問題がどのように展開していくかが、2022年以降もホンダがF1活動を継続するかどうかを決める鍵となるだろう語る。

「エンジンの凍結が必要だ。そうでなければ、コストが手に負えなくなる。最後のコンマ1秒は常に最も高価だ」とヘルムート・マルコはコメント。

「V8時代に開発の凍結によってどれだけのお金を節約できるかを見てきた。我々が今持っているこれらのモンスターでは節約はさらに大きくなるだろう」

同じくF1撤退が噂されているルノーも今後もF1活動を継続していくために2021年からF1エンジンの開発を凍結することを望んでおり、コスト面でチームの大きなメリットをもたらすと主張している。

「予算の上限と公平な資金配分により、2つの要求が満たされるが、それだけでは十分ではない」とルノーのF1チーム代表を務めるシリル・アビテブールはコメント

「2021年以降、エンジン開発も凍結する必要がある。いずれにしろ、それまでに全員が同じレベルになるだろう」

F1のスポーティングディレクターを務めるロス・ブラウンも状況を把握しており、F1エンジンの開発が凍結される可能性があることを認める。

「2つのハードルがある」とF1のスポーティングディレクターのロス・ブラウンにコメント。

「1つはメーカーが同意するのは4社のエンジンがほぼ同じレベルになった場合のみということだ。もう1つの問題は燃料だ。我々はカーボンニュートラル燃料を促進したいと考えている。だが、そのためにはエンジンを段階的に凍結する必要があるかもしれない」

「おそらくそれはメーカーがキャッチアップするための開発、あるいは新しい燃料にエンジンを対応させるための開発を認めるトークンシステムのようなものかもしれない」

メルセデスのF1チーム代表を務めるトト・ヴォルフは開発凍結について「それはコストを5%削減することになるだろう。良い最初の一歩だ。だが、もっと削減する必要がある」と Auto Motor und Sport にコメント。

「パワーユニットの電気パーツの開発を続けていけば、サステナビリティは向上していくはずだ」

現在、MGU-Kはパワーユニットの総出力の20%を供給しているが「それを50%に増やすことを想像できる」とトト・ヴォルフは付け加えた。

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カテゴリー: F1 / ホンダF1