2025年F1ハンガリーGP 決勝:ランド・ノリス優勝 トップ3記者会見全文

5番手まで順位を落としたオープニングラップから見事に挽回し、終盤は2ストップ勢のチームメイト、オスカー・ピアストリの猛追を0.6秒差で抑えきる劇的なフィニッシュだった。
パルクフェルメインインタビュー
Q:最後のスティントでのオスカーとのバトル、非常に接戦でした。どんな展開でしたか?
ランド・ノリス:いや、もう…死にそうだった。キツかったよ。最初から1ストップをやるつもりはなかったんだけど、1周目の後には、それが唯一の巻き返す方法だったから。最後のスティントはオスカーが迫ってきて、本当に全開でプッシュしてた。声もかすれちゃったし。でもその分だけ嬉しいし、完璧な結果だったと思う。
Q:序盤で5番手まで落ちてから「1ストップをやってみようか」と無線がありました。その時、勝てると思えたのはいつですか?
ノリス:正直、勝てるとは思ってなかった。2位くらいには上がれるかもって感じだったね。最初のスティントでジョージの後ろにいて、抜けなかったけどペース自体はよかったから、クリーンエアがあれば何かできるんじゃないかとは思ってた。ミスもなく、ラップも戦略も全部が噛み合って、今日は本当に良かった。
Q:選手権のギャップも少し詰まりました。勢いは自分たちにあると感じていますか?
ノリス:接戦だから、勢いがこっちにあるって断言するのは難しいけど、いい戦いはできてるし、楽しいよ。タフだけど、オスカーとのバトルも楽しいし、チームとしてまた1-2を取れたのは素晴らしい。F1でマクラーレン通算200勝目だしね。オスカーも素晴らしい追い上げを見せてくれたし、僕はギリギリで守り切った。これからもこんなレースがたくさんあるといいね。
Q:オスカー、悔しい2位だったかもしれません。最後のスティントを振り返ってください。
オスカー・ピアストリ:全力でプッシュしたよ。ランドが1ストップに切り替えた時点で、僕はトラック上で抜かないといけないと分かっていた。でも、それはこのコースでは本当に難しい。いろいろ試してみたけど、今回はギャンブルの結果、ちょっと報われなかった。でもチームは素晴らしい仕事をしてくれたし、マシンも後半はすごく良くなっていた。チームに感謝したいし、これからの2週間を楽しみにしてる。
Q:ランドの1ストップ戦略は驚きでしたか?
ピアストリ:驚いたけど、彼はあの時点で失うものがあまりなかったから、そんなに意外ではなかったかな。僕がルクレールをアンダーカットしようとした判断が正しかったかは分からないけど、それは後で振り返れば分かると思う。
Q:残り2周のターン1で仕掛けましたが、1周早かったと思いますか?
ピアストリ:もっと近づけていればよかったけど、それにはランドのミスが必要だったと思う。でも、1周遅らせようとしてチャンスを失うのも嫌だったから、あれが一番のチャンスだと思って仕掛けた。結果は出なかったけど、やらなかった後悔はしたくなかったからね。
Q:ジョージ、久々の表彰台となりました。どんな気持ちですか?
ジョージ・ラッセル:素直に嬉しいね。この数戦は厳しい展開が続いていたから、こうして休みに入る前にいい形で終われたのは大きい。
Q:ルクレールとのバトルでは接触もありました。あの場面をどう見ていましたか?
ラッセル:あれはもうダイブして行ってるから、相手が動いたら避ける余地はないんだよ。1回目に動いてきた時は納得できなかったし、2回目はもう「行くしかない」と思って飛び込んだ。結果的に接触はしたけど、抜けたからよかった。テレビで見ると「避けられたんじゃないか」と思われるかもしれないけど、限界の中での攻防だった。
Q:今回のレースではセッティングを以前の仕様に戻したそうですね。それで改善できた?
ラッセル:間違いなく今季の中でも良いレースだった。特にカナダ以外ではベストの内容だったと思う。

記者会見
Q:オスカー、1ストップ戦略は事前に議論していましたか?レース中に選択肢として示されましたか?
ピアストリ:レース前に少し話していたから、完全に選択肢から外れていたわけではない。でもレース中に聞かれた時点では、コクピットの中から何がベストかなんて分からないんだ。さっきも言った通り、後ろの立場にいるとリスクとリターンのバランスがまったく違ってくる。だから、ランドの戦略を自分も取っていればどうだったかっていうのは、正直分からない。ただ僕たちもレースに勝ちたかったし、ランドに勝つ一番の方法はレースに勝つこと。それが狙いだったけど、もっと良い選択肢があったかどうかは、これからきちんと分析したいと思ってる。
Q:選手権のポイント差が9点になりましたが、後半戦に向けての心境は?
ピアストリ:ポイント差はこれまでずっと10点以内で動いているし、それほど気にしていない。今日もあと1秒違えば展開は変わっていたかもしれないし、それがレースというもの。これまでの自分たちのパフォーマンスには満足しているし、後半戦も同じように強く戦えると思ってる。
Q:ランド、今回の勝利は他のどの勝利よりも達成感がありましたか?
ノリス:今回は特別だったね。完全に戦略で逆転した勝利だから。マイアミではセーフティカーに助けられたけど、今回はそういうのが一切なかった。1ストップは難しいけど、うまくいった。途中までは「これ失敗じゃないか?」って不安だったけど、ラップを重ねるごとに「いけるかも」って自信が湧いてきた。
Q:39周もハードを持たせるのは大変だった?
ノリス:持たせるだけなら簡単だけど、そのペースで走るのが難しい。集中力が必要だし、ロックアップのリスクもある。終盤はミスが命取りになるからね。
Q:1周目に5番手に下がったとき、何を思っていましたか?
ノリス:「最高だな(Brilliant)」って皮肉っぽく無線で言ったよ。ターン1の動画もいっぱい見て準備したのに、意味なかった(笑)。スタートは良かったけど、不運だったと思う。もう一度やれば、たぶんもっと良い展開になったはず。
Q:後半戦の戦いは精神的にも厳しくなると思いますか?
ノリス:すでにキツいし、これからもっとキツくなると思う。でも接戦だし、やりがいがあるよ。今のところ自分で自分を難しい状況にしてる部分もあるから、改善してもっといいレースをしたい。
ピアストリ:僕も同じ意見。これからも厳しい戦いになるけど、見る人にとっては面白いシーズンになると思う。
Q:予選について。昨年「改善したい」と話していましたが、今年は手応えを感じていますか?
ピアストリ:今年の予選には満足してるよ。まだ完璧とは言えないけど、去年と比べたらかなり良くなっている。去年は毎週末すべてをまとめきれなかったけど、今年はそれができていると感じる。これからのレースでもそれを繰り返すことが重要になると思う。
カテゴリー: F1 / F1ハンガリーGP