ホンダのF1エンジンのパワーロスとFIAのトルク監視システムの関係
F1イタリアGPの予選でマックス・フェルスタッペンのホンダF1エンジンにパワーロスをもたらしたのは、F1のトラクションコントロール禁止の監視を支援するシステムとなるFIAのトルク監視システムだった。

マックス・フェルスタッペンは、モンツァの最初のシケインを立ち上がったときに突然パワーを失った。ホンダは、縁石に乗り上げた際にタイヤが激しくホイールスピンしたことで、エンジン回転が上がり、プロテクションモードに入ったことで、FIAのトルク監視システムが介入してパワーロスが発生したと説明している。

FIAのトルク監視システムの介入は、ドライバーエイドが使用されていないことを確認するする方法に関連している。F1では、2008年からトラクションコントロールが禁止されている。

マックス・フェルスタッペンのパワーロスは、レッドブルやホンダF1がトラクションコントロール型のシステムを採用していることを意味するわけではないが、過剰のホイールスピンが発生した場合、トルクを減少させるために発動するプロテクションモードは、部分的にトラクションコントロールを再現する。

ホンダのパワーユニットシステムが過度の回転よるエンジンの損傷を回避するために最初のパワーを落とし、マックス・フェルスタッペンがフルスロットルのときにトルクの低下を引き起こしたことでFIAのトルク監視システムが介入した。その後、FIAシステム(全チームものを使用)がフィルター処理してエンジンはフルパワーに戻った。

F1のテクニカルレギュレーションでは、パワーをかけた際にホイールスピンを防止したり、ドライバーによる過剰なトルク要求を補うことができるシステムもしくはデバイスをマシンに搭載することが禁止されている。

田辺豊治は、FIAシステムが起動したのは“初めて”だと語った。

将来、この状況を回避できるかと質問された田辺豊治は「FIAフィルターがアクティブになったので簡単ではありません。我々はそれについて考えていきます」と答えた。

「別の可能性もあります。難しいことではありますが、何が起こったのかを正確に分析し、そのような状況を防ぐ方法があるかどうかを検討していきます」

異常なパワーカットは、F1イタリアGPで4台すべてのマシンに搭載されたホンダのスペック4F1エンジンの問題とは一切関係のないものだった。

だが、ホンダのスペック4エンジンは、ダニール・クビアトにオイル漏れが発生するまで問題なく動作していた。

「オイル漏れの原因は調査中です」と田辺豊治はコメント。

「エンジンを停止した際、エンジンデータに問題はなかったですが、エンジン内のどこかを修正できるのか、またはシャーシ側に問題があるのかどうかはわかりません。調査中です。エンジンの稼働データは問題ありません。しかし、オイルレベルは低下していました」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング