F1 ホンダF1
ホンダは、F1エンジンに同社の小型ビジネスジェット“ホンダジェット(HondaJet)”の開発で培われた航空機用エンジン用の技術が応用されていることを明らかにした。

昨年、ホンダのF1エンジンにはジェットエンジンの技術が導入されると報じられることがあったが、その詳細について語られることはなかった。しかし、今週末のF1フランスGPにむけたプレビューのなかで具体的にどのようにその技術が応用されているのかが説明された。

ホンダは1986年に小型航空機と航空機用エンジンの研究を開始。2015年に“ホンダジェット”の量産体制に入っている。

航空機用のエンジンには過酷な環境に耐えうる信頼性が求められる。ホンダの航空エンジン研究開発部門は、小型軽量、低燃費、低エミッションのエンジンの開発に注力してきた。

ホンダジェットに採用されるエンジン『HF120』は
・先進空力設計技術を盛り込んだ一体型ファンローターと、カーボンコンポジット製の軽量ガイドベーン
・高い圧縮比と操作性を両立する耐熱チタン製の遠心圧縮機ローター
・コンパクトなリバースフロー方式の燃焼器とシンプルなエアブラスト式1ステージ燃料噴射ノズル
・最先端高温材料を使用した高圧・低圧タービンと空力性能を向上させたカウンターローテーティング2軸システム
といった技術的特徴を兼ね備えている。

ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、その技術が昨年のF1パワーユニット『RA618H』に導入されていたことを明らかにした。具体的にはMGU-Hのアップデートを航空エンジン研究開発部門との協力体制で行った。

MGU-Hは、エンジンから出る排気の熱をエネルギーに変換する。通常、エンジンの燃焼室を出た高温の排気は、排気管を通じて大気に放出される。この熱エネルギーを再利用するために、専用のモーター/ジェネレーターユニットを作動させて電気を作っているのが熱エネルギー回生システム。このユニットは、MGU-Hと呼ばれている。MGU-Hの「H」は、Heatの略で「熱」(排熱エネルギー)を意味している。

「現在、F1のPU開発においては、更なる競争力向上を目指し、ホンダのさまざまな開発部門との間で連携を深める事を進めています。特にレース部門との技術的な共通点が多く見られる、航空エンジン研究開発部門との関係を強化し、昨シーズン途中に行ったMGU-Hのアップデート時には、同部門の支援をもとにした技術を適用、信頼性を大幅に向上させました」と田辺豊治は説明。

さらに今週末のF1フランスGPで投入される『RA619H』にも航空エンジン開発部門の技術が反映されているという。今回はパフォーマンスの向上を図るためにICE(内燃エンジン)とターボのアップデートを行っている。

「今回のターボーチャージャーのアップデートでは、これまでIHIと取り組んできたターボにおける空力設計の分野でも、航空エンジン開発部門が有する知見と技術を反映しています」

「ただし、今回のアップデートではまだ上位のPUマニュファクチャラーに追いつくだけのパフォーマンスレベルには至っていないと考えていますので、引き続きホンダとして総力を挙げて開発を続けていきます」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1