ホンダ、2019年型レース専用車「NSX GT3 Evo」を発表
ホンダは、レース専用車両「NSX GT3」をベースに、さらなる性能向上を図った「NSX GT3 EVO」を、2019年シーズンより投入する。
ホンダのフラッグシップスポーツカー「NSX」をベースに、FIA-GT3規格に準じ設計された「NSX GT3」は、2017年1月にNSXの生産拠点がある北米でレースデビュー、2018年からは北米に加えて日本・欧州・アジアのカスタマーを中心にレースで活躍してきた。
ホンダは、これらの実戦を通じ、全世界のカスタマーチームにさらなるパフォーマンスと信頼性を届けるべく、NSX GT3 EVOでは、以下の改良を行った。
・ 新設計のフロントスプリッター、リア・ディフューザー、リアバンパーの採用によりドラッグを低減。 同時に、前後の空力バランスの最適化により、ブレーキング時の安定性を高めドライバビリティーを向上。
・ 冷却システムのエア流れ改善により冷却効率を向上。
さらに、2019年モデルには、最新のBosch製アンチロックブレーキシステムを採用。また、高次元のドライビング環境を提供するために、ディスプレイとデータロガーをアップグレードする。これらのアップデートアイテムは、既存のNSX GT3にも使用できるように準備が進められている。
好評のエンジンについては、新しいターボチャージャーを採用しスロットルレスポンスと燃費性能を向上。新ターボチャージャーは、リプレイス用パーツとして、既存のすべてのNSX GT3にも順次、導入が予定されている。
今回のアップデートは、過去2年間にわたりグローバルに展開しているNSX GT3カスタマー・レーシング・プログラムでのテスト、レース活動を通して収集されたデータの解析によって実現した。
山本雅史 (Hondaモータースポーツ部 部長)
「この度、2019年シーズンに向けてNSX GT3 EVOを発表できることを大変うれしく思います。NSX GT3は、これまでに世界中の権威あるGTシリーズで勝利を挙げて参りましたが、我々は常にアップデートを続け、最高の製品とサポートをカスタマーの皆さまにお届けすることを目指しています。NSX GT3のカスタマープログラムを通じて、Hondaのテクニカルパートナーとグローバルな連携を続けてきたことによって得られたノウハウを投入したNSX GT3 EVOは、カスタマーの皆様がさらにレースで活躍できるよう、最新のアップデートを実現させています」
NSX GT3 EVOは、市販車「NSX」のDNAを継承している。V型6気筒3.5Lツインターボエンジンは、市販型NSXのエンジン製造を行う米国オハイオ州のアンナ・エンジン工場で生産され、設計仕様はもとより、ブロック、ヘッド、バルブトレーン、クランクシャフト、ピストン、ドライサンプ潤滑システムに至るまで、ベース車両と同じ仕様をNSX GT3に採用している。また、メインフレームも市販車NSXの製造を担う米国オハイオ州メアリズビルのパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センターで生産され、これらの主要パーツをもとに、イタリアのミラノにあるJ.A.S Motorsportにて最新のFIA安全規格を遵守する安全装備が施され、レース専用6速トランスミッションの搭載を含めた最終的な組み立てと完成車のテスト走行確認を行っている。
なお、日本における販売、テクニカルサポート、パーツ供給などは(株)M-TECが担う。
NSX GT3は2017年にデビューして以来、デイトナ24時間レース、マカオGTワールドカップ、スパ・フランコルシャン24時間レース、鈴鹿10時間耐久レースなどの世界的に権威あるGTレースに参戦してきた。2018年、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップのGTDクラスでは、ドライバー、チーム、そしてマニファクチャラーチャンピオンの有力候補となっている。また、ブランパンGTシリーズ・アジアやドイツのADAC GTマスターズ、日本のSUPER GT GT300クラスでも活躍中。
J.A.S Motorsport
イタリアのレース車両製作販売会社。1995年設立。1998年にHondaのオフィシャル・レーシングチームとなり、2001年からテクニカルパートナーとして活動。Honda車をベースに、FIAヨーロッパ・スーパーツーリングカー選手権やヨーロッパツーリングカー選手権などに参戦。また、世界ツーリングカー選手権(WTCC)においては、Hondaのワークス活動のパートナーとして参戦当初から車体開発に携わり、2013年にはマニュファクチャラーズタイトルを獲得している。2015年からは「Civic TCR」の開発・製造販売を行っている。
(株)M-TEC
Honda専用アフターパーツの製造販売やレースエンジンの開発製造メンテナンスを行う会社。2003年設立。社長:橋本朋幸
カテゴリー: F1 / ホンダF1
ホンダのフラッグシップスポーツカー「NSX」をベースに、FIA-GT3規格に準じ設計された「NSX GT3」は、2017年1月にNSXの生産拠点がある北米でレースデビュー、2018年からは北米に加えて日本・欧州・アジアのカスタマーを中心にレースで活躍してきた。
ホンダは、これらの実戦を通じ、全世界のカスタマーチームにさらなるパフォーマンスと信頼性を届けるべく、NSX GT3 EVOでは、以下の改良を行った。
・ 新設計のフロントスプリッター、リア・ディフューザー、リアバンパーの採用によりドラッグを低減。 同時に、前後の空力バランスの最適化により、ブレーキング時の安定性を高めドライバビリティーを向上。
・ 冷却システムのエア流れ改善により冷却効率を向上。
さらに、2019年モデルには、最新のBosch製アンチロックブレーキシステムを採用。また、高次元のドライビング環境を提供するために、ディスプレイとデータロガーをアップグレードする。これらのアップデートアイテムは、既存のNSX GT3にも使用できるように準備が進められている。
好評のエンジンについては、新しいターボチャージャーを採用しスロットルレスポンスと燃費性能を向上。新ターボチャージャーは、リプレイス用パーツとして、既存のすべてのNSX GT3にも順次、導入が予定されている。
今回のアップデートは、過去2年間にわたりグローバルに展開しているNSX GT3カスタマー・レーシング・プログラムでのテスト、レース活動を通して収集されたデータの解析によって実現した。
山本雅史 (Hondaモータースポーツ部 部長)
「この度、2019年シーズンに向けてNSX GT3 EVOを発表できることを大変うれしく思います。NSX GT3は、これまでに世界中の権威あるGTシリーズで勝利を挙げて参りましたが、我々は常にアップデートを続け、最高の製品とサポートをカスタマーの皆さまにお届けすることを目指しています。NSX GT3のカスタマープログラムを通じて、Hondaのテクニカルパートナーとグローバルな連携を続けてきたことによって得られたノウハウを投入したNSX GT3 EVOは、カスタマーの皆様がさらにレースで活躍できるよう、最新のアップデートを実現させています」
NSX GT3 EVOは、市販車「NSX」のDNAを継承している。V型6気筒3.5Lツインターボエンジンは、市販型NSXのエンジン製造を行う米国オハイオ州のアンナ・エンジン工場で生産され、設計仕様はもとより、ブロック、ヘッド、バルブトレーン、クランクシャフト、ピストン、ドライサンプ潤滑システムに至るまで、ベース車両と同じ仕様をNSX GT3に採用している。また、メインフレームも市販車NSXの製造を担う米国オハイオ州メアリズビルのパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センターで生産され、これらの主要パーツをもとに、イタリアのミラノにあるJ.A.S Motorsportにて最新のFIA安全規格を遵守する安全装備が施され、レース専用6速トランスミッションの搭載を含めた最終的な組み立てと完成車のテスト走行確認を行っている。
なお、日本における販売、テクニカルサポート、パーツ供給などは(株)M-TECが担う。
ホンダ NSX GT3 Evo 主要諸元
エンジン | |
---|---|
タイプ | Twin-turbocharged DOHC 75°V6 |
ボア×ストローク | 91 x 90 mm |
排気量 | 3,501 cc |
出力 | FIA規則に則る (BoP) |
バルブ | 24 バルブ, IN/EX VTC |
インジェクション | 直噴 / ポートインジェクション |
潤滑 | ドライサンプ |
スロットルコントロール | ドライブバイワイヤ |
寸法 | |
ホイルベース | 2,630 mm |
全長 | 4,612 mm |
全幅 | 2,040 mm |
トレッド 前 / 後 | 1,715 mm / 1,687 mm |
重量 | 1,240 Kg |
シャシー | |
アルミ合金 | |
クロームモリブデン製ロールケージ | |
トランスミッション | |
ギアボックス | XTRAC製 セミオートマチックシーケンシャル6速 |
クラッチ | ZF/SACHS製 焼結またはカーボン (耐久レース用オプションとしてカーボンを選択可) |
クラッチ制御 | 電子制御 |
ブレーキ | |
ブレーキ | BREMBO製 前 390x34 / 後 355x32 ディスク |
BREMBO製 前 6ポッド / 後 4ポッド | |
ABS(VF) | BOSCH製 M5 |
サスペンション | |
サスペンション | 前: ダブルウィッシュボーン |
後: マルチリンク | |
ショックアブソーバー | SACHS製 5-way 可変ダンパー |
ディスプレイ | |
Bosch製 ディスプレイ (DDU-10) ・データロガー | |
ホイール | |
ホイール | 前: 12”x18” 鍛造アルミ |
後: 13”x18” 鍛造アルミ |
NSX GT3は2017年にデビューして以来、デイトナ24時間レース、マカオGTワールドカップ、スパ・フランコルシャン24時間レース、鈴鹿10時間耐久レースなどの世界的に権威あるGTレースに参戦してきた。2018年、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップのGTDクラスでは、ドライバー、チーム、そしてマニファクチャラーチャンピオンの有力候補となっている。また、ブランパンGTシリーズ・アジアやドイツのADAC GTマスターズ、日本のSUPER GT GT300クラスでも活躍中。
J.A.S Motorsport
イタリアのレース車両製作販売会社。1995年設立。1998年にHondaのオフィシャル・レーシングチームとなり、2001年からテクニカルパートナーとして活動。Honda車をベースに、FIAヨーロッパ・スーパーツーリングカー選手権やヨーロッパツーリングカー選手権などに参戦。また、世界ツーリングカー選手権(WTCC)においては、Hondaのワークス活動のパートナーとして参戦当初から車体開発に携わり、2013年にはマニュファクチャラーズタイトルを獲得している。2015年からは「Civic TCR」の開発・製造販売を行っている。
(株)M-TEC
Honda専用アフターパーツの製造販売やレースエンジンの開発製造メンテナンスを行う会社。2003年設立。社長:橋本朋幸
カテゴリー: F1 / ホンダF1