ホンダF1に迫る3月1日ホモロゲーション期限 アストンマーティン危機の真相

3月1日のホモロゲーション提出期限まで残された時間はわずか1週間。さくらのホンダ本拠地では24時間体制で対策作業が続けられている。
バーレーンで露呈した“最少周回”の衝撃
バーレーンでのプレシーズンテストは、アストンマーティンにとって悪夢の6日間となった。AMR26はグリッドで最も信頼性に欠けるマシンとなり、ロングランはおろか12周を超える走行すら実施でず、スタートも一度も行われなかった。
最終日はわずか6周で走行を打ち切り、予定を早めて撤収。全11チーム中最少走行距離という結果は、現状の遅れを如実に示している。同じく2026年から参入して1チーム供給のアウディ(941周)と比較しても、ホンダのF1パワーユニットは394周と半分にも見らない。
問題はバッテリー関連とされるが、エンジン冷却不足の可能性や、内燃機関の振動、さらにはギアボックスへの波及も指摘されている。直線での電力制限はエンジン保護のためとの見方もあり、電動出力比重が増した2026年レギュレーション下では致命的だ。
さくらで続く24時間体制の緊急開発
スペイン・バルセロナのシェイクダウン初日から兆候はあった。現在は日本・さくらのダイナモ施設で昼夜を問わず検証が行われ、根本原因の特定と応急解決策の確立が急がれている。
焦点は冷却とバッテリー性能の安定化だ。仮にこの部分が解消されればパフォーマンスは即座に向上する可能性があるが、他の副次的問題が表面化するリスクも否定できない。
開幕戦オーストラリアまで残り13日。中国、日本(鈴鹿)までのタイムラインも視野に入るが、誰も確実な復旧時期を断言できない状況だ。
3月1日ホモロゲーションという壁
2026年F1パワーユニットは、3月1日までにホモロゲーション資料をFIAへ提出しなければならない。提出後14日以内に適合性が承認されるが、承認後の変更は厳格に制限される。
性能向上目的の改修は基本的に認められず、信頼性向上や安全性確保を証明できる場合のみ例外が検討される。ホンダに残された猶予は極めて短い。
さらに、アストンマーティンはカスタマーチームを持たない単独供給体制であるため、フェラーリやメルセデスのような複数チームからのデータ収集ができない。この点も不利に働いている。

ADUOという“最後の保険”
仮にホモロゲーション後も競争力不足が明らかになった場合、FIAはADUO(追加開発・アップグレード機会)を用意している。
開幕から特定の期間(第1〜6戦、第7〜12戦、第13〜18戦)で性能が最上位から2〜4%遅れていれば1回、4%以上であれば2回の追加開発が認められる仕組みだ。
ただし、これはあくまで救済措置であり、開幕時点での大幅な遅れを意味する。エイドリアン・ニューウェイ体制で新時代を迎えたアストンマーティンにとって、ADUOに頼る展開は理想とは程遠い。
メルボルン完走すら危うい現実
現在の状態が続けば、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールはメルボルンで完走できない可能性すらある。
バーレーンの気温は約26度と極端な高温ではなかった。それでも一定の周回数と出力域を超えると破損が発生する。開幕戦でさらに厳しい条件になれば、状況は悪化する可能性もある。
さくらの24時間体制が実を結ぶのか。それとも新レギュレーション初年度から出遅れが確定するのか。3月1日という期限が、ホンダとアストンマーティンの命運を大きく左右する。
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / アストンマーティンF1チーム
