ジェンソン・バトン 「2026年はハミルトンにとってF1キャリアの分岐点」
フェラーリ移籍初年度を戦うルイス・ハミルトンについて、かつてのチームメイトであるジェンソン・バトンが「2026年シーズンがキャリアの分岐点になる」と語った。

ハミルトンは今季フェラーリで苦戦を強いられており、18戦を終えた時点で表彰台はゼロ。唯一の明るい瞬間は、中国スプリントでのポールポジションと勝利だった。

夏休み明け以降は予選での改善が見られ、シンガポールでは7月のイギリスGP以来となるチームメイトのシャルル・ルクレールを上回ったが、決勝では結果につながっていない。

バトンはSky Sports F1のインタビューで、2026年の新レギュレーション導入を「ハミルトンの再生か引退かを分ける年」と表現した。

「今季もいくつか素晴らしい瞬間があった。特に上海スプリントは印象的だった」と2009年F1ワールドチャンピオンのバトンは語る。

「ただ、年間を通して十分な一貫性がなく、彼がマシンに完全な自信を持てていないように見える。メルセデス時代のように信頼するチームを築けていないのも要因だと思う。時間はかかるものだ」

「来年は大きなレギュレーション変更がある。そこで我々は“ベストなルイス”を見ることになるか、あるいは彼がこのスポーツを去ることになるだろう」

ハミルトン、フェラーリに予選力向上を要請
シンガポールGPでは週末序盤の好調から一転し、決勝では苦戦を強いられたフェラーリ。ハミルトンはチームに「予選オペレーションの改善」を求めた。

「ケータリングからマーケティング、メカニックやエンジニアまで、チーム全員が全力で頑張っている」とハミルトン。
「ただ、残念ながら僕たちのマシンは前の連中のレベルには達していない。アップグレードを入れても、まだ彼らに追いつけていない。ギリギリのところで戦っている」

「ポテンシャルを引き出せばもっと前に行けた。予選ではクルマの力を出し切れていない。前戦もそうだったし、今回も同じだった。もし完璧にタイヤを扱えて、ピット出口で待機せずに済めば、3番手か4番手も狙えたと思う。決勝では前の数台と同等のペースだった。予選を改善できれば結果も良くなるだろうけど、現状では4〜6番手スタートが精一杯なんだ」

2026年、“再生か終焉か”のシーズンに
フェラーリ移籍1年目はハミルトンにとって試練の連続となっている。チーム文化の違い、エンジニア体制の再構築、そして適応期間の長さが結果に影を落としている。バトンの指摘どおり、2026年の新レギュレーションはハミルトンにとって決定的な転換点となる可能性が高い。

もし新世代マシンで再び勝利を掴めば、彼の“伝説”はさらに輝きを増す。だが結果が出なければ、40代でのF1キャリアに終止符を打つ展開も現実味を帯びる。

“ベストなルイス”を取り戻せるか、それとも“最後の章”を迎えるのか──2026年は、F1史においても象徴的なシーズンとなりそうだ。

Source: Crash.net

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ルイス・ハミルトン / ジェンソン・バトン