ティモ・グロック、F1スペインGPを振り返る
ティモ・グロックが、F1スペインGPを振り返った。トヨタは、開幕戦からの連続記録が途切れ、優位性が失われたようにも見えたが、グロックはトヨタの巻き返しに信頼を寄せる。
スペインGPの週末を総括してもらえますか?
一筋縄ではいかない週末で、最後は本当に期待外れとなってしまった。我々はスペインGPにもっと多くのことを期待していたから、10位という結果は予想を遥かに下回るものだった。今回のレース中の我々のパフォーマンスは、明らかにシーズン序盤の我々が示した高い基準に達していなかった。しかし、我々はここから先の各レースに対応すべく全力で仕事を進めている。
チームがスペインに持ち込んだアップデートパッケージについては如何ですか?
ケルンにいるみんなは、幾つものアップグレードをクルマに施すため、信じられないくらい一生懸命に仕事をしてくれた。僕は彼らのそうした多大な努力に感謝している。こうした作業にどれ程の手数がかかっているのかを目の当たりにすると、チームのみんなの献身的に仕事に打ち込む姿勢を本当にありがたいと実感できるんだ。今回は機械的な部分と空力部分でのアップデートがあり、金曜日にこれらをテストした。テストが禁止されている今年は例年とは少し状況が違い、新しいパーツは金曜日に試さなければならない。元々金曜日はセットアップとタイヤと戦略のチェックで忙しいんだけどね。最終的に、空力のアップデートパッケージは使わないことにしたものの、機械部分の新パーツの幾つかは実際に使用した。
トヨタと比較して、他チームが一歩前進してしまったのでは、という不安を感じていますか?
スペインではやや優位性を失ったように見えたが、でもチームはクルマを開発するために本当に懸命に仕事をしているし、近い将来に更なるアップグレードもある。昨年は、シーズンが進むと共に継続的に改善を続け、最終戦は我々が一番競争力を発揮できたレースの1つとなった。このことは、シーズン中に他チームとのギャップを縮めていく能力が我々にあることを証明している。もちろんこれは挑戦と言えるし、時には予想通りに物事が結果に繋がらないこともある。でも我々は、クルマのあらゆる部分の開発を続けていかなければならないことを自覚している。他チームも同じことをしているわけだからね。我々にはそれを実行する決意と潜在能力が備わっている。
予選でトップ6入りを果たした後、状況は良さそうに見えたのですが、レースでは何が起こったのでしょう?
我々はかなり攻撃的な戦略を採り、3列目からスタートして間違いなくポイントが獲れるだろうと考えていたが、残念なことに、スタートが思うようにいかなかった。マシンが適切にグリッドから走り出すことができず、このため僕は幾つか順位を失い、その後ターン2で大混乱が起こった。ヤルノがこれに巻き込まれ、彼はニコ(ロズベルグ)に芝生へ押し出されてしまった。その後、僕は第1スティントの間ずっとニコの後ろに捕まってしまった。本当ならもっと速く走れたものだが、追い越しを仕掛けられるくらいの距離まで彼に近づくことができなかった。僕が採っていた戦略を考えると、これが僕のレースでのチャンスに大きなダメージを与えてしまったと言える。
レース中の追い越しは可能でしたか?
追い越しはとても難しかった。ニコのスリップストリームに入る度に、僕のクルマのタイヤのグリップが失われ、このためどうしても彼に十分に近づけなかった。レースの終盤にかけて、僕はルイス(ハミルトン)にプレッシャーをかけ続けていたが、この時も同じ状況だった。僕は彼よりも速かったのだが、追い越しはとにかく本当に難しかった。そうした状況にいたのは僕だけじゃなかった。レースの最後のフェリペ(マッサ)が絡んだ状況を除けば、レース中の追い越しは多くなかった。
モナコに向けて、抱負はいかがですか?
もちろん一番の目標はポイント圏内に戻ること、そして願わくは再び表彰台目指して戦うことだ。個人的には、特に変わったことのない週末になるといいと思っている。ここまでピットレーンからのスタートが2度あり、また、天候に関して幾つか問題もあった。これは、興味深いシーズンのスタートを切ったと言ってもいいだろうね。
モナコはあなたにとって特別なレースですか?
モナコは本当に気に入っているけれど、でも一番鮮烈に記憶に残っていることを思い出すと、ちょっと複雑な気持ちになるんだ。2006年にGP2に参戦するためヨーロッパに戻って来た頃、僕はベストなクルマに乗れず、シーズンのスタートは厳しいものになった。モナコでは17番手からスタートして4位まで順位を上げ、僕にとって状況がようやくかなり好転して来たように見えた。ところがギアボックスに問題が生じ、リタイヤしなければならなかった。あれは本当にどん底の瞬間だったし、当時は本当に自分がF1に戻れるのかどうか、真剣に自問していた。でも、嬉しいことに、その時のパフォーマンスが評価され、同じくGP2に参戦している“iSport”からドライブのオファーが届いたんだ。彼らのチームから参戦した初戦で僕は2位を獲得し、そして全てが変わった。キャリアの転機になった瞬間がモナコだったんだ。
カテゴリー: F1 / ティモ・グロック / トヨタ
スペインGPの週末を総括してもらえますか?
一筋縄ではいかない週末で、最後は本当に期待外れとなってしまった。我々はスペインGPにもっと多くのことを期待していたから、10位という結果は予想を遥かに下回るものだった。今回のレース中の我々のパフォーマンスは、明らかにシーズン序盤の我々が示した高い基準に達していなかった。しかし、我々はここから先の各レースに対応すべく全力で仕事を進めている。
チームがスペインに持ち込んだアップデートパッケージについては如何ですか?
ケルンにいるみんなは、幾つものアップグレードをクルマに施すため、信じられないくらい一生懸命に仕事をしてくれた。僕は彼らのそうした多大な努力に感謝している。こうした作業にどれ程の手数がかかっているのかを目の当たりにすると、チームのみんなの献身的に仕事に打ち込む姿勢を本当にありがたいと実感できるんだ。今回は機械的な部分と空力部分でのアップデートがあり、金曜日にこれらをテストした。テストが禁止されている今年は例年とは少し状況が違い、新しいパーツは金曜日に試さなければならない。元々金曜日はセットアップとタイヤと戦略のチェックで忙しいんだけどね。最終的に、空力のアップデートパッケージは使わないことにしたものの、機械部分の新パーツの幾つかは実際に使用した。
トヨタと比較して、他チームが一歩前進してしまったのでは、という不安を感じていますか?
スペインではやや優位性を失ったように見えたが、でもチームはクルマを開発するために本当に懸命に仕事をしているし、近い将来に更なるアップグレードもある。昨年は、シーズンが進むと共に継続的に改善を続け、最終戦は我々が一番競争力を発揮できたレースの1つとなった。このことは、シーズン中に他チームとのギャップを縮めていく能力が我々にあることを証明している。もちろんこれは挑戦と言えるし、時には予想通りに物事が結果に繋がらないこともある。でも我々は、クルマのあらゆる部分の開発を続けていかなければならないことを自覚している。他チームも同じことをしているわけだからね。我々にはそれを実行する決意と潜在能力が備わっている。
予選でトップ6入りを果たした後、状況は良さそうに見えたのですが、レースでは何が起こったのでしょう?
我々はかなり攻撃的な戦略を採り、3列目からスタートして間違いなくポイントが獲れるだろうと考えていたが、残念なことに、スタートが思うようにいかなかった。マシンが適切にグリッドから走り出すことができず、このため僕は幾つか順位を失い、その後ターン2で大混乱が起こった。ヤルノがこれに巻き込まれ、彼はニコ(ロズベルグ)に芝生へ押し出されてしまった。その後、僕は第1スティントの間ずっとニコの後ろに捕まってしまった。本当ならもっと速く走れたものだが、追い越しを仕掛けられるくらいの距離まで彼に近づくことができなかった。僕が採っていた戦略を考えると、これが僕のレースでのチャンスに大きなダメージを与えてしまったと言える。
レース中の追い越しは可能でしたか?
追い越しはとても難しかった。ニコのスリップストリームに入る度に、僕のクルマのタイヤのグリップが失われ、このためどうしても彼に十分に近づけなかった。レースの終盤にかけて、僕はルイス(ハミルトン)にプレッシャーをかけ続けていたが、この時も同じ状況だった。僕は彼よりも速かったのだが、追い越しはとにかく本当に難しかった。そうした状況にいたのは僕だけじゃなかった。レースの最後のフェリペ(マッサ)が絡んだ状況を除けば、レース中の追い越しは多くなかった。
モナコに向けて、抱負はいかがですか?
もちろん一番の目標はポイント圏内に戻ること、そして願わくは再び表彰台目指して戦うことだ。個人的には、特に変わったことのない週末になるといいと思っている。ここまでピットレーンからのスタートが2度あり、また、天候に関して幾つか問題もあった。これは、興味深いシーズンのスタートを切ったと言ってもいいだろうね。
モナコはあなたにとって特別なレースですか?
モナコは本当に気に入っているけれど、でも一番鮮烈に記憶に残っていることを思い出すと、ちょっと複雑な気持ちになるんだ。2006年にGP2に参戦するためヨーロッパに戻って来た頃、僕はベストなクルマに乗れず、シーズンのスタートは厳しいものになった。モナコでは17番手からスタートして4位まで順位を上げ、僕にとって状況がようやくかなり好転して来たように見えた。ところがギアボックスに問題が生じ、リタイヤしなければならなかった。あれは本当にどん底の瞬間だったし、当時は本当に自分がF1に戻れるのかどうか、真剣に自問していた。でも、嬉しいことに、その時のパフォーマンスが評価され、同じくGP2に参戦している“iSport”からドライブのオファーが届いたんだ。彼らのチームから参戦した初戦で僕は2位を獲得し、そして全てが変わった。キャリアの転機になった瞬間がモナコだったんだ。
カテゴリー: F1 / ティモ・グロック / トヨタ