ジョージ・ラッセルのF1スペインGP後の挑発的発言にティクタムが応酬
ジョージ・ラッセルがF1スペインGP後に放ったティクタムへの挑発的発言について、ダン・ティクタムがユーモアを交えて応酬した。

スペイングランプリでのマックス・フェルスタッペンとの接触を受けて、ラッセルはレース後のメディアペンで「他にあんな動きをするドライバーを知っているか」と問われた際、突如としてティクタムの名前を挙げた。

「たぶんフォーミュラEの中に一人、イギリス人のドライバーがいるかもしれない。けど、マックスは世界で最も優れたドライバーの一人だ。彼が何を考えていたのかは興味深いね」と、バルセロナでラッセルはRacingNews365を含む一部メディアに語った。

そのコメントが発せられた頃、ティクタムは上海でカップラ・キロと共にイベントに出席しており、直前の上海E-Prixダブルヘッダーでトップ5フィニッシュを記録するなど好調な週末を終えたばかりだった。

その夜、ティクタムはInstagramストーリーでコミカルな返答を投稿。ラッセルもその内容を見たようで、カナダGPの場で「あれは悪意のある発言ではなかった。ティクタムが冗談として受け取ってくれて良かった」と説明している。

しかしティクタムは、中国でのあの投稿が冗談であった一方で、ラッセルの発言に「なぜ?」と感じたことを明かした。

「正直、なぜそんなこと言ったのかと思ったよ」とティクタムはRacingNews365に語った。

「僕はジョージのことを昔から知っている。長い間会ってはいないけど、彼の発言に悪意があったとは思ってない。けど、どっちにしろあれはちょっとした皮肉というか、余計だったと思う」

「どんな角度から見てもあれはちょっとした嫌味だし、正直、ああいうことを言う必要はなかったと思う。彼が今の地位にいることには本当に敬意を持っているし、F1にたどり着いて成功していることは素晴らしいと思ってる」

「だから、彼をバカにしようとしてるわけじゃない。ただ、あの発言については正直理解できなかっただけだ」

“400杯くらい飲んでたからね”
ティクタムは過去、ソーシャルメディアとの関係において何かと注目を集めてきた。下位チームでの厳しい時期には、レース中の無線発言が取り上げられることが多く、好パフォーマンスよりもそちらに注目が集まりがちだった。

だが今シーズン、ティクタムは自らのSNSでより積極的に発信を行い、パフォーマンスの良さを強調する形でイメージを改善している。Instagramストーリーでの「非公式デブリーフ」などもその一環だ。

「最近はSNSでより積極的に発信していて、レース後に話すようなデブリーフっぽいこともやってる。自分でやってる非公式なやつだよ」とティクタムは説明。

「たぶんあの動画を撮ったときはビール3、4杯は飲んでたんじゃないかな。正直に言うとね。モナコでのやつは削除したよ。あの時はたぶん400杯くらい飲んでたからね」

「でも、ちょうど良いくらいのビールを飲んでて、クリエイティブな感覚で話せる状態だった。誰がラッセルのコメントのリンクを送ってきたのか覚えてないけど、ちょうどホテルに戻る途中で受け取って、『何かやってやろう』って思ったんだ」

「あれは面白い感じでやったつもりだし、さっきも言ったけど、ジョージに対して特に悪意があるわけじゃない。ただ、彼のキャラクターの見せ方というか、“いい子”っぽい感じがあんまり自分には合わないってだけ。まあ、それが彼のスタイルだし、それはそれでいいと思う」

“フェルスタッペンと比べられるのはいいこと”
そして、SNSでの反応が示すように、ティクタムはかつてないほど多くの支持を受けるようになった。ラッセルの発言に対する批判も集まる中で、ティクタムのファン層は確実に拡大している。

「さっきも言ったけど、ジョージをドライバーとしては本当に尊敬してる。ただ、今回に限っては僕のほうが正しいことを言ったと思うし、支持が集まったのもそれが理由だと思う」とティクタム。

「昔からずっと応援してくれてる人もいるし、そういう人たちが今もついてきてくれてるのはありがたいよ」

「今回は自分の言ったことが正しかったし、それをちょっと笑いに変えただけなんだ」

「それに、フェルスタッペンと比較されるのは確実にいいことだよね。誰が自分より強いと思うかって聞かれたら、『誰にだって勝てる気はするけど、フェルスタッペンにはたいていの日で負けるだろうね』って答えることにしてるんだ」とティクタムは笑いながら締めくくった。

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カテゴリー: F1 / ジョージ・ラッセル / ダニエル・ティクトゥム