コラピント アルピーヌF1のチームオーダー無視「ボルトレトの攻撃を防ぐため」
アルピーヌF1のフランコ・コラピントは、アメリカGP終盤にチームメイトのピエール・ガスリーを追い抜いた判断について、「背後のガブリエル・ボルトレトの脅威を抑えるためだった」と説明した。

コラピントはレース終盤、ピットウォールから「ガスリーの後ろでポジションを維持せよ」との指示を受けたが、これを無視してターン1でオーバーテイクを敢行。両車とも燃料節約モードで走行しており、全56周でセーフティカーは出動していなかった。

最終的にコラピントはボルトレトの前でフィニッシュし、ガスリーは19位まで順位を落とした。3台はいずれも首位マックス・フェルスタッペンに周回遅れにされた。

レース後、アルピーヌ代表のスティーブ・ニールセンは声明を発表し、「ピットウォールからの指示は最終的なものであり、今回はそれが守られなかったことを残念に思う。内部で検証し、対処する」とコメントした。

「前に出た方がベストな状況だった」
コラピントは、レース後に「自分の方が速く、最善の判断だった」と主張した。

「僕たちにとっては厳しい週末だった。チームとして努力を続けていかなければならない」とコラピントはRacingNews365などに語った。

「最終スティントでは僕の方がピエールよりかなり速かったし、後ろにはボルトレトがいて、ものすごく攻めてきていた。僕たちよりも速かったんだ。だから僕が前に出て、2台を抑え込まないようにするのがベストな状況だったと思う」

「クルマは扱いにくいし、今はとても難しい状況にある。でもチーム全体で来年に向けて強くなるために努力している。今季は何度もポジションを入れ替えてきたし、これまでも自由にレースをしてきた。たとえポイント圏外でも、ベストを尽くして結果を出すことが大切なんだ」

アルピーヌF1チーム フランコ・コラピント

ガスリー「チーム内で見直す」
一方のガスリーは不満をにじませつつも、詳細は伏せた。

「チーム内で見直すことになる。第1スティントは良かったけど、ピットインのあとエステバン(オコン)のすぐ後ろでコースに戻った」とガスリーは説明した。

「とにかくペースが遅すぎた。残りについてはチーム内で話し合うつもりだが、満足はしていない。このレースにはがっかりしている。オフィスの中で冷静に分析すべきで、ここで不満をぶちまけても意味がない」

「全体的に見てパフォーマンスが足りなかった。もっと良くしなければならない」

アルピーヌの内部事情と課題
アルピーヌはアメリカGPでも下位に沈み、再びパフォーマンス不足を露呈した。新体制で臨むシーズン後半戦だが、戦略とチームオーダーの混乱が続いており、コラピントの判断がチームワークの問題として波紋を広げている。ニールセンが指摘したように「内部での再検証」は避けられず、今後の処分や指針が注目される。

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カテゴリー: F1 / フランコ・コラピント / アルピーヌF1チーム / ガブリエル・ボルトレト