F1イギリスGP:フランコ・コラピントがピットレーンスタートに変更
フランコ・コラピントは、2025年F1イギリスGP決勝をシルバーストンのピットレーンからスタートすることになった。アルピーヌがマシンに変更を加えることを決断したためだ。

アルゼンチン出身のコラピントは、予選Q1でスピンを喫して最後尾となる20番手に沈み、その場面ではアルピーヌのエグゼクティブ・アドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレが頭を抱える様子も見られた。

当初より最後尾スタートが確定していたことから、アルピーヌはA525のパワーユニットコンポーネントを交換することを選択。このため、コラピントにとって初のF1イギリスGPはピットレーンからのスタートとなる。

この結果、決勝グリッドには19台のみが並ぶ見込みで、キミ・アントネッリとオリバー・ベアマンはスチュワードの裁定により、それぞれ3グリッドと10グリッドの降格ペナルティを受けている。

フランコ・コラピント、予選の痛恨スピンで逆風強まる ブリアトーレは交代の可能性も示唆
F1イギリスGP予選で再び浮き彫りとなったのは、アルピーヌの2人のドライバーの対照的なパフォーマンスだった。ピエール・ガスリーが土壇場でQ3進出を果たす一方で、フランコ・コラピントは痛恨のスピンでQ1敗退。チーム内の評価格差は決定的なものとなっている。

週末の立ち上がりでは、コラピントはガスリーとのタイム差を縮めており、FP3では上回る場面も見られた。Q1序盤でもガスリーを上回るペースを見せていたが、1セット目のソフトタイヤでの2回目のアタック中、最終区間でワイドにふくらみ縁石に乗りすぎてスピン。バリアに軽く接触しながらも走行を続けたが、最終的にマシンを止めることになり、予選は早々に終了した。

天候による微妙な雨の影響もあったとされるが、それでもチーム代表フラビオ・ブリアトーレは「彼は自分のミスを理解している。明日の決勝では成長して戻ってきてほしい」と短くコメント。冷静ながらも厳しい視線を向けた。

もしこのままガスリーもQ1敗退していれば、コラピントのミスは目立たなかったかもしれない。しかしガスリーが15番手でQ2進出を果たし、さらにQ2では「奇跡のような」ラップでQ3に滑り込んだことで、状況は一変。コラピントにとっては、この週末の改善傾向を結果につなげる最大のチャンスを逃した形となった。

「正直、クルマにはまだ苦しんでいる」とコラピントは予選中に語った。

「理想的な予選にはならなかったけど、いくつかの改善点を見つけることはできた。ピエールには近づけたが、まだ差は大きい。これからさらに数歩踏み出さなければならない」

フランコ・コラピント F1 イギリスGP アルピーヌF1チーム

とはいえ、アルピーヌのマシンは依然として競争力に欠けており、カナダGPと同様、日曜のレースでどこまで持ち直せるかは不透明だ。オーストリアのようにタイヤマネジメントとペースに問題が出れば、ガスリーも上位に食い込むのは難しいかもしれない。

それでも、チーム内での評価は結果に大きく左右される。ブリアトーレはすでにバルテリ・ボッタスの起用について情報収集を始めており、次戦スパ・フランコルシャンでのさらなる動きも取り沙汰されている。実際、アルピーヌは過去2年連続でスパ・ウィークエンドにチーム代表の交代を発表しており、同GPは「混乱の象徴」とも言える存在になっている。

そのような中で、コラピントには大きなプレッシャーがのしかかる。本人は「もちろん、常に噂はあるけど、それほど気にしていない。自分はただチームのために頑張ってクルマを改善しようとしているだけ」と語ったが、チーム側が「時間の猶予」をどこまで与えるかは不透明だ。

コラピントに求められているのは、プレッシャーの中でも確実に結果を残すこと。チームがポイント争いに絡める可能性を見出した時、その座にふさわしいかどうかが問われている。次戦スパまでの2週間、その去就を巡る憶測はさらに加熱しそうだ。

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