フォードF1責任者 「フェルスタッペン離脱でもレッドブルとの提携継続」

2026年に向け、すべてのエンジンメーカーが水面下で準備を進めている中、レッドブル・パワートレインズとフォードも例外ではない。
ラッシュブルックは、ライバルチームの動向を正確に見極めるのは難しいと認めたうえで、クリスチャン・ホーナーと同様に「メルセデスが自信を持っているように見える」との見解を示している。
ただし、2026年に向けたもう一つの重要な要素が、マックス・フェルスタッペンの将来だ。オランダ人ドライバーは2028年末までの契約をレッドブルと結んでいるものの、その去就は常に注目の的であり、昨年の夏休み前まではメルセデスとの間でトト・ヴォルフとの交渉が行われていたとされる。また、2026年からホンダと組むアストンマーティンへの移籍の噂も出ており、そこではエイドリアン・ニューウェイが新マシンの設計を担当している。
フェルスタッペンはレッドブルにとって、そしてフォードにとっても象徴的な存在だが、ラッシュブルックは「フォードのF1プロジェクトへのコミットメントは特定の個人に依存していない」と明言した。
「私たちは、どのカテゴリーでも“最高のチーム・最高のドライバー・最高のスタッフ”とともに戦いたいと考えている。しかし、特定の誰かを目当てに契約したわけではない。これは長期的な契約であり、関わる人々が変わっていくことは織り込み済みだった。ホーナー、ニューウェイ、ドライバーたちもそうだし、実際すでに我々がコースに出る前に何人かは交代している」と述べ、ニューウェイやセルジオ・ペレスの名前を挙げた。
「2026年以降もマックスがレッドブル・フォードに残ってくれることを願っている。彼はチャンピオンであり、素晴らしい人物だ。チーム全体を引き上げる存在だ。しかし、仮にマックスがチームを離れたとしても、我々がこのプロジェクトから手を引くことはない。フォードはF1にコミットしている」

フェルスタッペンがチームを去る可能性を「恐れているか」と問われると、ラッシュブルックは笑みを浮かべながらこう答えた。
「“恐れる”という言葉を使いたがるね?私は恐れているとは思わない。重要なのは、レッドブル・パワートレインズとフォードのチームが今後もレースで勝ち続けられるよう、正しい行動を取ることだ。すべての関係者がその成功の一部であり、勝つためには常に適切な努力が求められる。だからこそ、マックスのようなドライバーを引き留めるための努力も当然行っているし、チーム内の人材の動向にも常に目を配っている。そういう意味では、“イエス”だね(彼に残ってほしい)」
ラッシュブルックがフェルスタッペンを重視する理由は明白だ。彼は現在のレッドブルF1の競争力を支える中心人物であり、ドライバーズおよびコンストラクターズ両選手権での成功に不可欠な存在である。
「彼がチャンピオンである理由は明確だ。もちろん才能もあるが、それ以上に、チームやプログラムのあらゆる部分において“最高”を求める姿勢がある」
現状のレッドブルのパフォーマンスは懸念材料か?
ラッシュブルックは以前、「フォードはすべてのカテゴリーにおいて最高のチームと組むことを目指している」と語っていた。昨シーズン初頭には、レッドブルはF1を支配するチームだったが、現在ではそうとは言えなくなりつつある。この状況は、フォードにとって懸念材料とはならないのだろうか?
「モータースポーツ、特にF1においては、“勝ち続ける王朝”のような時期と、“そうでない時期”を繰り返すものだ。つまり栄枯盛衰がある。昨年末や今年もレッドブルが勝ち続けていてほしいか?もちろんそうだ。しかし、今のチームには継続的に勝利を掴める素晴らしい人材が揃っていると確信している」
とはいえ、2026年のレギュレーション変更は、エイドリアン・ニューウェイが関与しない中でレッドブルが迎える初めての大規模な技術改革となる。これは未知の要素ではあるが、ラッシュブルックは残された技術陣に全面的な信頼を寄せている。
「感触は以前と変わらない。数週間前にミルトンキーンズを訪れ、ピエール・ワシェや技術チームと面会した。我々は今の人材とチームが、これからもレースで勝利を収められると信じている」
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