レッドブル・フォードF1の中心人物ダン・セイヤーズがフォードWEC復帰を指揮

2027年にハイパーカークラスへの参戦を予定するフォードは、ル・マン24時間レースの開幕を目前に控えたタイミングで、セイヤーズをハイパーカー計画の責任者に任命したことを正式に発表した。
セイヤーズは、フォードとレッドブルによるF1復帰プログラムの中心人物であり、モータースポーツ界において豊富な経験を持つ。過去にはプロドライブで10年にわたりアストンマーティンのGT3およびGT4ワークスプログラムに携わり、WRCやダカールラリー、WECでも実績を重ねてきた。
「フォード・パフォーマンスは世界中で様々な挑戦を続けているが、ル・マンというフォードにとって精神的な本拠地に戻ることは、私にとって断れない挑戦だった」とセイヤーズは語る。
「アストンマーティンでル・マンのクラス優勝を果たした経験はあるが、今回のようにフォードで総合優勝を目指せるのは特別な機会だ。
F1でレッドブル・フォード・パワートレインズと共に働けたことは素晴らしい経験だったし、今回の役割は同じファミリーの別の一部に加わるような感覚がある」
フォードは、LMDh規定に基づき、オレカ(ORECA)とシャシーパートナーとして提携。オレカ製シャシーをベースにハイパーカーを開発し、2027年にル・マンのトップカテゴリーへと復帰する。

フォード・モーター・カンパニーのジム・ファーリー社長兼CEOは、次のように述べている。
「フォードをル・マンの頂点に戻すことは、我々にとって長年の夢だった。ビル・フォード会長をはじめ、多くの人々にとって特別な意味がある。
オレカとの提携は、我々にとって誇りだ。我々は勝利を目指して戻ってくる。それは隠すつもりもない。
日曜日には、フォードが最後にル・マンで総合優勝を果たしてからちょうど56年を迎える。それは十分すぎるほど長い年月だ。
2027年、我々は1960年代と同じ気持ちで挑む。そして再びフェラーリをはじめとするトップチームと戦う準備はできている」
フォードはGTクラスでの勝利こそあるものの、総合優勝は1960年代以来遠ざかっている。今回の復帰は、その“空白の時間”を終わらせることを目指すものだ。
フォード・パフォーマンスのグローバルディレクター、マーク・ラッシュブルックも次のように語る。
「ファクトリー体制のレースプログラムにおいて、シャシーパートナーとプログラム責任者の存在は極めて重要な基盤となる。
オレカとダン・セイヤーズの組み合わせは、我々にとって理想的な土台を提供してくれる存在だ。これまでの協働でも、その判断の正しさは証明されてきた。
ル・マンのグリッドにフォードのハイパーカーを並べるまで、あと2年。その成功に向けた重要なピースが、着実に揃いつつある」
カテゴリー: F1 / フォード F1 / レッドブル・レーシング / WEC (FIA世界耐久選手権)